やじうまミニレビュー

オフィスで使える小型USB加湿器3製品を試す

by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


今回試す小型USB加湿器3製品

 11月も半ばを過ぎて、いよいよ空気が乾燥し始めてきた。家庭で加湿器を使い始めたという人も多いだろう。しかし、家ならそれでいいのだが、会社では難しい。たとえ加湿器を持ち込んだとしても、広いオフィスでは効果も薄まってしまう。

 そんなニーズに応えてか、最近は会社のデスクで使えるよう、小型で、しかもUSB接続の加湿器がたくさん市場に出ている。今回はそんな小型USB加湿器の中から3製品を選び、どれだけ使えるかを試してみよう。

 購入したのは、OTASの「Sauna Boy」、doulexの「Mini Humidifier」、デザインファクトリーの「USBキューブ加湿器」という3製品だ。ほかにも何製品かあったが、小さくて色使いも地味で、デスクの邪魔にならないだろう、ということで選んだ。いずれもネットショップにて購入したものだ。


メーカーOTASdoulexデザインファクトリー
製品名Sauna BoyMini HumidifierUSBキューブ加湿器
購入価格1,980円1,290円4,179円


パワフルな加湿と可愛らしいデザインが魅力「Sauna Boy」

OTAS「Sauna Boy」。「>_<」という顔のデザインがかわいらしい

 まず紹介するのが、OTASの「Sauna Boy」だ。OTASはスマートフォンのアクセサリを中心に扱う会社だが、こうした小物も発売しているとは知らなかった。

 Sauna Boyの特徴は、75×70×80mm(幅×奥行き×高さ)ととにかくコンパクトな点。面積でいえばパソコンのマウスよりも小さいので、オフィスに置いて邪魔になることはないだろう。本体正面には、「>_<」といったような顔が描かれており、ここらへんが“Boy”たる所以だろう。

 使い方は、まずはSauna Boyのフタ(頭)を取り、中のタンクに水を入れる。次にフタを閉じて、付属のUSBケーブルで通電する。最後に、フタに付いているゴムの突起を取り外し、本体背面のスイッチ穴に取り付ければ、加湿がスタートする。

フタを取った中に水を入れる。フタ内部の突起部にはフィルターが入っているSauna Boyの“表情”が変えられるステッカーも同封されている
Sauna Boy が加湿しているところ。怒って頭から湯気を出しているような光景が微笑ましい

 加湿の勢いは小型にしてはかなりパワフルで、白いミストが高く放出される。「>_<」という顔も相まって、起こって頭から湯気が出ているように見えて、とても可愛らしい。ちなみに加湿方式は超音波式で、フタ内部に付いているフィルターが水を吸い込み、フタ内部の超音波振動でミストを放出する仕組みだ。

 使い始めてから3~4時間ほどで、水がなくなり、運転が停止した。1時間当たりの加湿量は約30ml、タンクに入れる量は60mlが目安なので、机上の計算では2時間でなくなるところだが、水を入れすぎたのかもしれない。会社で使うのであれば、1日に数回は水の入れ替えの手間があるだろう。

 全体的に見ると、小型で邪魔になりにくく、しかもパワフル。デスクで使っていても、顔のあたりにミストがフワッと当たるのを感じる。パーソナルユースにはちょうど良い製品と言えるだろう。本体底部にはゴムがあるため、倒れにくいというメリットもある。本体もあまり熱くなることはない。唯一残念なのが替えのフィルターが付属しない点だが、それ以外は問題なく使える製品だ。


コーヒーカップから湯気が出るように加湿する「Mini Humidifier」

doulex「Mini Humidifier」は、コーヒーの容器のようなデザインが特徴

 次に紹介するのが、doulexの「Mini Humidifier」。まるでコーヒーショップのコーヒー容器のようなデザインが特徴だ。

 こちらもSauna Boyと同様、本体内に水を入れ、フィルターが吸い込んだ水を超音波でミスト化する超音波式となる。このようすが、ホットコーヒーから湯気が出ているようで、Sauna Boyとはまた違った面白さがある。

 加湿の勢いはSauna Boyとほぼ同程度だが、タンク容量が大きいため、長く使用できる。オフィスで仕事している最中は途中で止まることはなかった。また、替えのフィルターも1つ付いている。フタをしっかり閉めれば、倒しても水が完全にこぼれない仕様になっている点もうれしい。

 しかし、輸入品であるせいか、説明書が一切付属されていないのには困った。基本的な構造はSauna Boyと同じだからなんとなく分かったが、心許なく感じられた。なお、ネットショップの情報によると、本体サイズは約93×123mm(直径×高さ)、タンク容量が280ml、1時間当たりの加湿量は35mlらしい。

同梱品。フタは完全にタンクを密閉するので、倒れても水がこぼれない。加湿方式はフィルターを用いた超音波式加湿中のようす。まるでコーヒーから湯気が立ち上っているようなおかしな光景だ。本体の差し込みプラグは、ACアダプタのような円形のものを使用する

 また、接続ケーブルが専用品となるのもマイナスに感じた。Sauna Boyは機器側のプラグがminiUSBなので、市販品のUSBケーブルで代用できるが、Mini Humidifierでは直径数ミリの円形プラグなので、汎用性がない。おそらく、ACアダプタの端子を流用しているのだろう。規格がある程度統一されているUSBを使うメリットは、薄く感じられる。また、使用中はプラグ差込口の上側が熱を持つのも気になった。全体的には、Sauna Boyの方が使いやすいだろう。


安定性抜群、立方体の「USBキューブ加湿器」

デザインファクトリーの「USBキューブ加湿器」。電源コードは本体に直付けで、先端にUSB端子が付いている

 最後に紹介するのは、デザインファクトリーの「USBキューブ加湿器」。その名の通り立方体のUSB加湿器だ。サイズはすべて100mmで、これまで紹介した2点に比べると、ずっしりとした印象を受ける。

 加湿方式は、フィルターを用いた超音波式。水タンクの容量は180mlで、上面のフタ、その中にあるもう1つのフタという二重構造になっている。そのため、倒しても水がドバっと一気にこぼれにくい。ただし、ドバっとこぼれないだけで、徐々にこぼれる点にはご注意。

 問題は、加湿のパワーだ。USBを端子を差し、電源スイッチを入れると、ミストはどんよりとしか出てこない。説明書を読むと「HIGH」モードと「LOW」モードがあり、どうやら私はLOWモードで使っていたらしい。そこで本体底部のスイッチをHIGHにしてみたが、ミストの量はやや強くなったくらいで、相変わらずどんよりのまま。

本製品もやっぱりフィルターを使った超音波式タンクには超音波の振動子付きのフタをする。このため倒しても水がドバッとこぼれにくい加湿中の様子(HIGHモード)。加湿量は少なめなので、効果は上記2製品よりも効果は薄そうだ。前方にミストを飛ばすフードが付いている

 それもそのはず、本製品の1時間当たりの加湿量は、LOWが6ml、HIGHが12mlなので、これまで試した2製品よりずっと低い。ミストに手を触れてもヒンヤリ感はなく、効果は薄そうだ。

 安定感があり、フィルターが1つスペアで同梱されていたり、ミストを前方向に送るカバーが付いているところは非常に良いのだが、基本となる加湿能力がもう少し欲しかった。




 というわけで、今回試した3製品の中では、加湿のパワーとコンパクト性に優れたSauna Boyをイチオシとしたい。長時間使いたい人はMini HumidifierまたはUSBキューブ加湿器を選ぶと良いだろう。また、“絶対に水をこぼしたくない”という場合は、完全にフタが閉められるMini Humidifierなら大丈夫だ。

 なお、Sauna BoyとUSBキューブ加湿器については、本体内にアロマオイルを入れることで、アロマディフューザーとしても使用できる。お気に入りの香りを嗅ぎながら仕事をする、なんて素敵なこともできてしまうのだ(Mini Humidifierについては、説明書がなかったため不明)。

 今回試した3製品を使う際に注意したいのが、加湿を途中で終えた場合、本体内に水タンクを入れっぱなしにしないことだ。放置しておくと、フィルターが生乾きになり、加湿時にイヤなニオイが発生することがある。さらには、水アカが発生する恐れもあるので、使用後は毎日新しい水に入れ替えて使おう。





2011年 11月 15日   00:00