やじうまミニレビュー
京王「うごく!! 京王電鉄9000系 電車型タイマー」
京王リテールサービス「うごく!! 京王電鉄9000系 電車型タイマー」。10月5日に発売された、5,000台の限定商品だ |
大都会・新宿と、東京西部のベッドタウン・多摩地区を結ぶ私鉄といえば「京王線」。“多摩人”には欠かせない通勤・通学の大動脈であるが、その一方で「高尾山」や「多摩動物公園」、「よみうりランド」や「サンリオピューロランド」など、沿線には名所がたくさんある。沿線住民ではない私も、味の素スタジアムでのサッカー観戦や、東京競馬場での小銭儲けにたびたび利用している(ほとんど儲かることはないけれど……)。
このまま京王線についてずーっと話していたいところだが、仕事に戻ろう。今回は、そんな京王線の車両をモデルとしたカウントダウンタイマー「うごく!! 京王電鉄9000系 電車型タイマー」が、この10月5日に発売されたので、紹介したい。
“なんだ、ただの鉄道ファン向けのグッズか”“電車の形をしたただのタイマーだろ”と侮るなかれ。普通の鉄道グッズやタイマーとはひと味違う。電車型の本体が、本当に走るというのだ。別にタイマーが走る必然性などひとつもないが、一度試してみたく、京王線新宿駅の売店「A LoT」で購入した。
発売元 | 京王リテールサービス |
製品名 | うごく!! 京王電鉄9000系電車型タイマー |
購入場所 | 京王線新宿駅 3番線ホーム売店「A LoT」 |
販売価格 | 1,500円 |
なお、本製品の販売は、京王線の各駅にあるA LoTとミニコンビニ「K-Shop」のみ。しかも、5,000個の限定販売となる。私が購入した10月14日時点では、まだ新宿駅の各店舗には在庫があったが、なくなり次第終了するらしいので、欲しい方はお早めに。
パッケージは本体とレール4本。レールを組み立てて、その後に本体を乗せて運転させる |
パッケージ内容は、京王線の車両の形をしたタイマー本体とレール4本。レールは飾りではなく、1本の線路に組み立てた後、その上に車両を走らせる仕組みになっている。電源は単四アルカリ乾電池2本で、本体底部のタイヤが動いて、線路の上を自走する。
車両は京王線の「9000系」がモデル。9000系は京王線では新しい部類に入る車両で、本線や高尾線、相模原線のほか、都営新宿線の乗り入れにも使われている。京王線の車内にある表示板に液晶モニターが採用されていたら、それは9000系だ。“普段乗っている電車が**系”なんてことは、日常生活のなかではほとんど関係ないが、京王線に乗ったときにはちょっとだけこのことを思い出してみていただければうれしい。
電源は単四乾電池2本。アルカリが推奨されている。写真は偶然家にあった、懐かしのオキシライド電池を使用している | 写真上が本物の9000系。都営新宿線の乗り入れ車両としても使われている。8000系(写真下)と似たデザインだが、よく見ると外見だけでもいろいろ違っている |
さて、本製品での9000系の車台だが、プラスチック素材で、窓やドア部分に凹凸はなく、ツルンとした仕上がりになっている。Nゲージなど本格的な鉄道模型と比べれは再現度は劣るが、クリーム色の正面に黒い窓枠、シルバーの車体にピンクと青のラインなど、塗装パターンは当然ながら9000系そのもの。「KEIO」というロゴも、本物と同じ位置に入っている。さすがは、京王のライセンス商品だ。
タイマーとしての機能を見てみよう。本製品はいわゆる“カウントダウンタイマー”で、屋根の部分にあるボタンでタイマー時間を設定、時間になると、ドア開閉時の「ピンポーン」という音を鳴らして知らせるというものだ。さらに、設定時間2分前には踏切の「カンカンカンカン」という音を、1分前には警笛音を出すらしい。おまけに、カウントダウンのスタート時には発車ベル音が鳴る、という機能も備わっている。よくよく考えてみると、電車が踏切の音を出すのは、何やら解せない気もするが……。
こちらが京王線タイマーの正面。すべて塗装で、窓枠が凹んでいたり、ワイパーが出っ張っていたりなどの立体的な要素はない | 側面。行き先表示板は「京王八王子」「新宿」の2パターン。個人的には「桜上水」「若葉台」「急行 多摩動物公園」「準特急 北野」あたりが欲しいが、私以外に需要があるかは不明 | 本体上部のボタンで時間を設定し、スタートを押せばカウントダウンがはじまる |
百聞は一見にしかず。さっそく使ってみよう。レールを組み立て、その上に本体を置き、運転スタートだ。
運転中のようす。時刻を設定しスタートすると、まず発車ベルとドアが閉じる音がする。その後、終了2分前には踏み切り、1分前には警笛が鳴り、カウントダウンが終わると、ドアが開く音がして運転が止まる |
上の動画を見ていただいたとおり、運転はかなりトロトロ。はっきりいってタイマーがこのように動く必要などひとつもないのだが、逆にこのノロさがかわいらしい。キビキビと動く本格的な鉄道模型とは、また違った面白さがある。思わず童心に返り、ゆるく運行を続けるようすに見入ってしまった。
アラーム音は大きめだ。別の部屋にいるのであれば聞き取れないかもしれないが、同じ部屋なら聞き逃すことはないだろう。
レールは片道を約30秒ほどで走行。その後、車両下の連結部(連結しないけど)にあるスイッチがレールの端に当たり、折り返し運転を行なう。そのため、レールを取り外して走行させた場合、障害物に当たっても折り返さない。レールは全部を組み合わせると約33cmと長いので、置くスペースがない場合は中間の2つのレールは省略しても良いだろう。その場合、約16.5cmになる。
意外に使えたのが、2分前と1分前に鳴る予告音。お風呂の湯を止める際のタイマーとして使ったのだが、予告音が鳴ることで「ああ、もうそろそろだな」と、入浴の準備がはじめられた。それを考えると、カップラーメンなど短時間の計測よりも、5~10分の長めの計測のほうが向くかもしれない。なお、最大計測時間は9分59秒までとなっている。
レール終点にある出っ張りが、京王線タイマーの連結部にあるスイッチに触れ、方向を転換する | レールを4つすべてつなげた長さは約33cm。デスクをかなり占領してしまう | レールを2つにすれば、約16.5cmとコンパクトになる |
レールに乗せなくても運転するが、障害物に当たっても折り返し運転はできない点には注意 |
まあ普通に考えたら、100円ショップなどで売っている安物のタイマーでも十分に時間は計れる。しかし、このミニ9000系が走る姿には、普通のタイマーでは手に入らない、愛らしさや遊び心がある。
本製品の一番のターゲットは子供だろう。京王線が走る姿を楽しみながら、時間の概念までも学べてしまう。もしかすると、「京王線が駅に着くまでにお片付けしよう」というように、しつけにも貢献できるかもしれない。
もちろん、大人にもお勧めだ。タイマーとして使わなくなったらインテリアにもなるし、京王線沿線に住んでいる人、あるいは住んでいた人へのプレゼントにも良いだろう。個人的には、レトロな車両バージョンもみたい。味の素スタジアムができる前に飛田給に住んでいた叔母への贈り物にしたいが、その頃は9000系はなく、昭和を生きた古い5000系だったからだ。
電車は人だけでなく、人生も乗せているが、京王線タイマーだって、持っている人それぞれの京王線への思い出と、9分59秒という短い時間を乗せている。走りだせ、京王線と、京王線タイマー!
2010年 10月 21日 00:00
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