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やじうまミニレビュー

汽鍋(チーコー)

〜蒸気で作る透明なスープで体をホカホカに
by 石井 和美


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです



素焼き製の汽鍋(チーコー)。パッと見ではふつうの鍋
 中華料理といえばマーボードーフやチンジャオロースといったコッテリとした料理が思い当たるが、地方ごとに食材や調理法が大きく異なるらしい。特に中国西南部の雲南料理は、体にやさしい薬膳料理に近く、最近では日本でも専門店ができている。

 その雲南料理でおすすめなのが「汽鍋」(または気鍋。チーコーと読む)だ。色々な漢方食材が入った鍋料理なのだが、透明で澄んだスープはおいしく、体の芯まで染み渡るようなやさしい味がする。体もホカホカとあたたまり、体調が悪いときに食べると具合がよくなるような気もする。

 寒くなってきたので、秋葉原にある雲南料理店に久しぶりに行きたくなったが、残念ながら我が家は田舎に引っ越してしまったため、気軽にお店へ行けなくなってしまった。

 このスープを作るには、汽鍋という専用鍋が必要。何とか自分で作れないものかとネットで検索したところ、すぐに発見。さっそく購入した。

商品名 汽鍋(直径22cm)
購入場所 楽天市場
購入価格 3,465円


 汽鍋は、中央が筒状に盛り上がっており、真ん中には小さな穴が開いている。イメージとしてはしゃぶしゃぶ鍋に近い。我が家が購入した汽鍋は直径22cmの4〜5人用。直径18cmの2〜3人用も販売されていた。

フタを開けると、真ん中に蒸気吹き出し口が見える 底は大きく開いている。このため、蒸気を上に集めやすくなっている

 作り方は、まず大きめの寸胴鍋を用意し、お湯をたっぷり入れる。そして、その上に汽鍋を置き、食材を入れて火にかける。沸騰した鍋の水の水蒸気が、汽鍋中央の細い筒を通って上がり、蓋にあたって湯が底に溜まる、という仕組みになる。そのため、汽鍋には水を一切入れない。言ってみれば蒸し煮に近い状態だ。じっくり時間をかけ、水蒸気が湯になるのを気長に待つ。

 食材は、基本的に鶏肉、野菜、好みの漢方食材、塩を用意すればいい。素材のうまみを味わう料理なので余計な調味料は入れない。我が家が用意したのは、鶏のぶつ切り、ネギ、ショウガ、白菜、クコの実、干し貝柱。どれもスーパーで手に入るものばかりで、材料も高価ではない。

 汽鍋の下に置く鍋は、寸胴でなるべく深い鍋が最適。下の鍋と汽鍋の間に隙間ができないよう、下の鍋のフチに布巾やペーパータオルなどをぐるっと巻きつける必要がある。我が家ではペーパータオルだと隙間ができてしまったので、タオルを巻き付け、蒸気が逃げないようにしておいた。

まずは具材を汽鍋に投入。塩、お酒を少量入れる 次に汽鍋を置く寸胴鍋を用意。蒸気が漏れないよう、布巾やペーパータオルをフチに巻き付ける。我が家ではタオルを使用した 水を入れた寸胴鍋の上に汽鍋を置き、点火する

 ここで大切なのが、きちんと蒸気が出ているかを確認したうえでフタを閉じるということ。というのも、下の鍋にお湯をたくさん入れて汽鍋を置き、強火で火にかけたところ、下のお湯が逆流して噴水のようにゴボゴボお湯が吹き出てしまった。レシピには強火とあるが、お湯が噴き出してしまっては失敗だ。

 2時間半ほど煮込んでスープが増えたことを確認した後は、ネギ、ショウガを取り出して、湯通しした白菜を投入し、さらに1時間煮込む。スープの量がなかなか増えなくても、じっくりガマン。お湯を足してしまうと、せっかくの透明スープが濁ってしまうのだ。

汽鍋と寸胴鍋の間には、隙間を作らないようにしておく。ここで蒸気が漏れてしまうと、汽鍋に蒸気が集まりにくくなる 下の寸胴鍋に入れた湯が沸騰すると、汽鍋の穴から勢いよく蒸気が噴出する
写真は30分ほどでフタを開けてみたところ。スープが少量できていた 2時間半ほど煮込んでスープが増えたら、ネギとショウガを取り出し、湯通しした白菜を入れてさらに煮込む

 合計3時間半ほど煮込んで完成したスープは、お店で食べたスープのように透明度が高い。素材のエキスを抽出したスープも絶妙で、とろけるほどに柔らかくなった鶏肉や、旨みをたっぷり含んだ野菜がたまらない。やさしい味が、体にしみ渡っていく。これは感激だ。

 特に美味しかったのが骨付き鶏肉。安物だったが、肉の部分は箸でつかむとトロッととろけてしまうほどのやわらかさだ。家族には大好評で、特に汽鍋を食べたがっていた旦那はたいそう感激していた。食材は色々変えてみても楽しいだろう。キノコ類を入れてもおいしそうだ。

 なお、汽鍋は直火不可なので、残ったスープをあたためなおすときは耐熱容器に移してレンジで加熱する。それでも透明スープは透明のままで、おいしくいただくことができた。

 残念だったのが、取っ手が小さすぎる点。鍋は全体的に熱くなるため、テーブルに出す際は鍋つかみなどでつまみを持つのだが、うまく掴めず、手が滑りそうだ。もう少し持ちやすい取っ手にして欲しかった。

合計3時間半ほど煮込んで完成したスープは、お店で食べるような透明度の高いスープ。ヘルシーで栄養満点だ お肉はトロトロだ。薬膳料理のように、体がホカホカあたたまる

 最近は「タジン鍋」もブームになっており、ヘルシーにできる調理器具、家電に注目が集まっている。汽鍋も油は一切使わず、水蒸気と素材の水分を使って調理する鍋であり、コツいらずで簡単にできる。薬膳効果もあって、具材もやわらかく、小さい子でも安心して食べられる。ダイエット中の方、食欲がなく体調が優れない方にもぜひおすすめしたい。




2010年 1月 14日   00:00

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