家電製品ミニレビュー
タイガー「保温調理鍋<まほうなべ>」
タイガー「保温調理鍋<まほうなべ>NFB-A520」 |
お鍋を焦げ付かせてしまった。しかも2回連続で。筆者はカレーやスープを煮込みつつ作業をすることが多く、気を遣うデータ整理や原稿作成がノってくると、だいたい煮込み中の鍋の存在を忘れてしまい、トイレに移動したときに悲しい状態となった鍋に気がつくのである。焦げ付きを落とすのも大変だし、食材を無駄にするのも忍びないので、長時間放置しても安心なスロークッキング対応の鍋を探した。
最初はコイズミ「スロークッカー」を考えていたが、キッチンのコンセントに余裕がない。そこで魔法瓶の技術を利用したタイガー「保温調理鍋<まほうなべ>NFB-A520」を購入してみた。
メーカー | タイガー |
製品名 | 保温調理鍋<まほうなべ>NFB-A520 |
希望小売価格 | 19,950円 |
購入場所 | ヨドバシ.com |
購入価格 | 14,400円(ポイント還元10%) |
タイガーといえば、魔法瓶である。子どものころに初めて見たとき、真夏でも水が冷たいままであることに衝撃を受けた。その魔法瓶の技術をお鍋用に応用したものが「保温調理鍋<まほうなべ>NFB-A520」だ。保温調理鍋は本体である保温容器と内鍋がセットになっており、フルカラーのマニュアル兼お料理カイドも付属している。また内鍋の容量5.2LのNFB-A520以外に、内鍋容量3.6LのNFB-A360も用意されている。
保温容器は、内鍋よりもふた回りほど大きく、359×326×225mm(幅×奥行×高さ)、重量4.0kgと普段見慣れているお鍋よりも大きく、持ち運びが面倒に思えるが、ハンドル式取っ手がついているため、持ち運びに困ることはない。また保温容器のフタはプッシュオープンタイプで開けやすく、内鍋のフタは耐熱強化ガラスで確認がしやすいと使い勝手も十分に考慮されている。もちろん、内鍋は電磁調理器に対応しているため、キッチン環境を選ばない。
保温容器はステンレス製。内部に真空を作り出すことで保温効果を高めた設計だ | 保温容器には取っ手があり、保温中にキッチンの片隅へ移動させるとき、外へ持ち出すときに便利 | 内釜はスタンダードな作り。取っ手の下側にくぼみがあって、とても持ちやすい |
お料理ガイド兼マニュアルはフルカラー。細かい手順もあるため、使い方を覚えるに最適 |
では実際にカレーを例に流れを見てみよう。独り暮らしにはちょっと大きい内鍋の容量5.2LのNFB-A520を選んだ理由は、大量の野菜をおおざっぱにカットにて投入するため。以前の鍋ではいつも溢れそうだったのだ。まずは野菜のカット。反論があるかもしれないが、にんじんとタマネギ、じゃがいもは炒めないで鍋に投入している。肉は気分次第で有無を決めているが、今回は「チキンの骨がスルっと取れちゃう!」を体験したいので、骨付きチキンを用意……のはずだったが売り切れていたので手羽内を代用した。
手順はスタンダードなカレー作りと同じ。具を入れて煮立ったら、保温容器へと移す。このときすぐに移すのではなく、具に熱量が十分に伝わるまで煮込んでから保温する。カレーの場合は10~15分ほど煮込んだあと、保温容器に移すといいようだ。ちなみにベーススープは、ブイヨンとコンソメ、いのいちばん少々、鷹の爪2本、すりつぶしたトマト4個。保温した時間は約1時間以上ならOKとお料理ガイドにあるが、これまで3時間ほど煮込んでいたため、同じく3時間にしてみた。取り出したときの温度は約70℃で、軽く表面を炒めたジャガイモがほとんど煮崩れていなかったことに驚いた。
3時間ほど煮込んだ直後の写真。角をカットしていないジャガイモが煮崩れていない | 3時間ほど保温した直後の温度は約70℃だった |
煮込みが終わったら、内鍋を取り出してルーを入れる。かき混ぜつつ、十分に加熱したら、再び保温容器へと移して、待つこと2時間で完成。このときは10分程度の加熱で保温へと移行した。保温前の温度は約84℃で、取り出したときの温度は68℃。保温時間を長くするならもう少し加熱時間を取っておくとよさそうだ。放置しておけばOKという便利さだけでなく、約4時間20分のガスの節約もできてしまうあたり、やっぱり魔法瓶ってすごい。ちなみに「チキンの骨がスルっと取れちゃう!」作戦だが、煮込みが終わった段階で骨から肉がはく離していた。お肉自体は柔らかくてよい感じになっていたので、ちゃんとした骨付きチキンで挑戦してみようと思う。
約80℃で保温を開始してみたところ、2時間経過で約62℃という結果に。ルーを入れたあとも20分は加熱したほうがよさそうだ | 完成したカレー。味はガスによる煮込みと変わりなく、ジャガイモのホクホク具合、たまねぎの溶け具合などもとてもいい感じに仕上がっていた |
食後も保温してくれるので便利だが、注意点が1つある。6時間以上経過するとさすがに温度が下がってしまい、50~60℃付近で長時間保温していると腐敗が速く進んでしまう。
ガス代を思いっきり節約できるエコな保温調理器。よく煮込むという人にオススメだし、筆者のように鍋を焦がしてしまったという人にもチェックしてもらいたいアイテムだ。
2009年4月17日 00:00