藤山哲人のモバイルバッテリー診断

マスタードシード「SUMOBA(スモバ) UM-SMB350」

〜容量・デザインともiPhoneにベストマッチ! 超スリムで800回使えるバッテリー

「モバイルバッテリー診断」は、スマートフォンの外部電源として普及しているモバイルバッテリーをレビューするコーナーです。(編集部)
マスタードシードの「SUMOBA(スモバ) UM-SMB350」。カラーは写真のシルバー1色のみ

 今回は超薄型で、スマートフォンよりもコンパクトな、マスタードシードのモバイルバッテリー「SUMOBA(スモバ) UM-SMB350」を紹介する。表示容量3,500mAhとおよそスマートフォン1回半を充電できる実用的なバッテリーながら、厚さは8.3mmと極薄で、サイズもスマートフォンより一回り小さいというコンパクトさだ。ちょうどスマートフォン内蔵のバッテリーを2枚並べておいた感じのサイズと厚みしかない。

 仕様上の厚みは8.8mmとなっているが、これは電源ボタンとその周りにるバッテリー残量計が0.5mmだけ凸状になっているため。重さもわずか90gと軽く、スマートフォンと一緒にジャケットのポケットに入れて充電しても、まったく気になることはない。

 さらに注目すべきは、繰り返し利用回数が800回と非常に多い点。通常のバッテリーだと500回なので寿命が1.6倍長いという計算だ。

メーカー名 マスタードシード
品名・型番 SUMOBA(スモバ) UM-SMB350
バッテリー容量 3,500mAh
繰り返し利用回数 800回
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) 63.2×118.2×8.8mm
重量 90g
カラー・モデル シルバーのみ
販売価格 4,980円程度
対応スマートフォン スマートフォン全般

【お詫びと訂正】初出時、メーカー名に誤りがありました。訂正してお詫びさせていただきます。

上部。左がUSB出力コネクタで、右が充電用のMicroUSBコネクタ
上から見て右。厚さはわずか8.3mm。溝が彫ってあるのはデザインだ。ボタン部分のみ0.5mmだけ厚い
天面。上部中央のボタンが電源ボタンで、その周りを4灯のバッテリー残量計が囲む
下部。幅はほぼ名刺と同じサイズ
上から見て左面。上下(写真だと左右)は丸くなっていて、ポケットなどに滑り込ませやすくなっている
本体の表示には入出力ともに「1A」との表示があるが、仕様上では「最大1A」となっている。本体表示はおそらく「定格」(連続利用時)の値
■■注意■■

・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。
・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。
・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。
・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。

最大出力1.5Aで急速充電にも対応、スマートフォンは1.5回チャージ可能

充電の実測テストに利用した、2012年夏モデルの富士通製ARROWS X F-10D。内蔵バッテリー容量は1,800mAh

 まずは内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォン「ARROWS X F-10D」を実際に充電してみた。同梱されているUSB - Micro USBケーブルは長さ25cmほどで、スマートフォンと重ねてポケットの中で充電するにも、カバンの中に入れて充電するにも、ほどよい長さ。性能とは関係ないが、コネクタも飾りがなく本体同様シンプルなデザインになっている。
【スマートフォン充電テスト】



・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「1回と40%」(2,556mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:ON、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリ「Battery Mix」にて容量変化を記録

ケーブルの長さもほどよく、スマートフォンとモバイルバッテリーを重ねて充電してもスマート
電源スイッチは中央の丸い部分。その周りはバッテリー残量計兼、電源ボタンの誤操作防止用のプロテクタとなっている
残量計の3灯と4灯の区別は、一瞬見ただけでは気付きにくい。3灯目の明かりが隣に漏れてしまってるためだ。写真は3つ点灯している
同梱のUSB - Micro USBケーブルのコネクタまで、フラットでシンプルなデザインになっている

 出力は最大1.5Aなので、1.3A程度を必要とする急速充電にも対応できそうだ(実機では未テスト)。iPad2は実機で充電できることを確認したが、第3世代は出力から見て難しいかもしれない。

 バッテリー残量計は、青いLEDが4灯式となっており、1目盛り25%を示す。充電回数は1回半程度なので、4段階表示で十分残量の見分けがつくだろう。ただ隣り合うLEDが仕切られていないようで、一瞬見ただけでは、いくつ点灯しているのが少しわかりづらい。

【スマートフォン充電(出力)スペック】
項目 詳細
USBコネクタ数 1
USB最大電流 1.5A
充電ケーブル (コネクタ) USB - Micro USB(25cm)
残量インジケータ 1色4灯式(1目盛りあたりの容量:25%)
自動電源OFF 本体電源ON時も有効
(40mAでOFFを確認)
同時充電 -

出力電流・電圧と実容量率は標準的

 たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。

 なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能バッテリーといえる。

電圧はまったくブレることなく4.95Vを維持する。極めて優秀と言える
電流は始終安定することなく、900〜950mAあたりをふらつく。とはいえ、スマートフォンの充電が不安定になるなどの症状はないので、実用上は問題ない

 独自の測定器でテストした結果、電圧はまったく変動がないほどに安定している。電流に関して始終不安定な状態が続いているが、スマートフォンを充電している際に、充電が不安定になるなどの症状はなく、グラフ上でも低速充電しかできない500mAを下回ることはなかったので、実用上はまったく問題なさそうだ。ただしモバイルバッテリーの最高出力1.5A付近で長時間にわたり超急速充電を行なった場合などの挙動は定かでない。

 一方、3,500mAhという表示容量に対する実容量は、61%の2,121mAhで標準的な実容量率(ロス率)と言えそうだ。

3,500mAhという表示容量に対する実容量は、61%の2,121mAh。標準的な数値だ

 なお計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは、次のとおりになる。Android系の場合、カッコ内が内蔵バッテリー容量を示している。

【実用量と各種スマートフォンの充電回数予測】
項目 詳細
バッテリー表示容量 3,500mAh
連続利用時の実用量 2,121mAh(61%)
連続実用量1,000mAh あたりの価格 2,348円
充電回数(理論値) Android(1,300mAh):2.0回
Android(1,500mAh):1.7回
Android(1,800mAh):1.4回
Android(2,000mAh):1.3回
Android(2,200mAh):1.2回
iPhone4S(1,432mAh):1.8回
iPhone5(1,434mAh):1.8回
iPad2(6,580mAh):0.4回
iPad3(11,560mAh):0.2回
ソニー PSP(1,200mAh):2.1回
任天堂 3DS(1,300mAh):2.0回

充電も早く、コストも安い。繰り返し800回のアドバンテージもアリ

2A出力できるUSB ACアダプタで充電したとこと2時間半でフルチャージできた。通常は4時間程度かかるので、1.6倍ほど急速充電できる

このモバイルバッテリーには、充電器が同梱されていなかったので、2Aの出力ができるUSB ACアダプタを利用したところ、およそ2時間半でフル充電できた。カタログには充電時間の表記はなかったが、一般的な3,000mAhクラスのモバイルバッテリーはおよそ4時間かかるので、充電は極めて早い部類に入る。

 充電時間はUSB ACアダプタの出力にも左右されるため、最高1.5Aを必要とする本製品には、2A以上が出力できるUSB ACアダプタを別途用意したい。

 なお大電流を出力できる(たとえば4Aなど)USB ACアダプタであってもかまわない。充電時は、USB ACアダプタの出力電流すべてがモバイルバッテリーの充電に当てられるのではなく、モバイルバッテリー側が、出力された電流から充電に必要な電流のみを使うようになっているためである。

 さて、このモバイルバッテリー最大の優位性は、繰り返し充電回数が800回と非常に多いことにある。通常のモバイルバッテリーは500回なので、本製品は1.6倍も寿命が長いという計算だ。例えば、先に紹介したソニーの「CP-F1LSAVP」は、3,500mAhで500回利用可能で、市場価格は3,500円程度だ(価格はACアダプタ非同梱品の場合)。SUMOBAはおよそ5,000円と少し高めながら、3,500mAhで800回の利用が可能。そこで、総繰り返し利用回数を加味したうえで、1,000mAhあたりの価格をそれぞれ計算してみると、CP-F1LSAVPが2円なのに対して、SUMOBAは1.79円となる。非常にお買い得なバッテリーだ。

【本体充電スペック】
項目 詳細
本体充電用コネクタ Micro USB
添付充電器(仕様) なし
充電時間(カタログ値) 表記なし
充電時間(実測) 2時間25分
繰り返し利用回数 800回

iPhoneにベストマッチ! もちろんAndroidのスマートなバッテリーとしてもOK

 本製品、手ごろな価格、で洗練されたデザインのモバイルバッテリーが欲しいという人にオススメしたい。バッテリー容量から見ると、iPhoneユーザーに最適で、ちょうど2回充電できるだけでなく、SUMOBAとiPhoneを並べると「丸いボタンが1つある」という共通した特徴があるので、馴染みやすいだろう。もちろんAndroid系にも、薄型で超寿命、低コストのバッテリーとしてもオススメできる。

 なお筐体はプラスチック製だが、塗装の仕上がりも良く、持ってみるまでアルミ製にしか見えないという点も見逃せないポイントだ。電流・電圧の出力性能や実容量率は平均的なものではあるものの、繰り返し利用回数の多さ(=低コスト)とデザイン性、使い勝手の良さなどを考慮すると、「かなり」オススメできるモバイルバッテリーだ。

【総合評価】
メーカー・品名 マスタードシード「SUMOBA UM-SMB350」
ロスの少なさ  ★★★☆☆(3)
持ち歩きやすさ ★★★★★(5)
単位容量の安さ ★☆☆☆☆(1)
 充電の早さ  ★★★★★(5)
使い勝手のよさ ★★★★☆(4)

(藤山 哲人 )