藤山哲人のモバイルバッテリー診断
ソニー「サイクルエナジー CP-F1LSAVP」
~LTE系スマホジャスト1回分。USB-ACアダプター同梱モデルがお買い得
by 藤山 哲人(2013/5/22 00:00)
今回紹介するのはソニーの「Cycle Energy(サイクルエナジー) CP-F1LSAVP」。容量は3,500mAhなので2,000mAh以上のAndroid系スマートフォンをほぼ1回充電するのにちょうどいい。薄型でほぼスマートフォンと同じサイズとなっていて、高級感あるアルミボディーが特徴的だ。
ボディー表面にはソニーのロゴなどが、印刷ではなくエンボス(凹み)加工されている。デザイン的には、どんな人にもどんなシーンにもマッチしそうだ。
メーカー名 | ソニー |
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品名・型番 | サイクルエナジー CP-F1LSAVP |
バッテリー容量 | 3,500mAh |
繰り返し利用回数 | 500回 |
サイズ (幅×奥行き×高さ) | 70.4×128.1×9.4mm |
重量 | 125g |
販売価格 | 3,990円(yodobashi.com) |
対応スマートフォン | スマートフォン全般 |
・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。 ・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 ・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。 ・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。 |
大容量バッテリーのLTE系スマートフォンならジャスト1回フル充電
まずは内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォンを実際に充電して、どのぐらい充電できるを試してみよう。当連載の実験環境、実験器具については、別のページでご確認いただきたい。[→連載「モバイルバッテリー診断」の性能チェック方法]
・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「1回と30%」(2,394mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:ON、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリ「Battery Mix」にて容量変化を記録
同梱のケーブルは太く、全長50cmと長め。モバイルバッテリーとスマートフォンを重ねて充電する場合は、長すぎて邪魔になった。長さが必要な場合は良いかもしれないが、外出時のために、もう1本、短めのものを用意したい。また、ケーブルは硬く、針金のようにクセがつきやすい。
USBの出力は1.5Aで、最新式のスマートフォンに搭載されている「超」急速充電機能に対応可能だ。2Aは出ないので、第3世代iPadには非対応となる。iPad2、iPadなら大丈夫だろうが、Android系のタブレットは、出力1.5Aは微妙なライン。機種によっては充電できたりできなかったりがあるかもしれない。
オートパワーオフ機能については、スマートフォンの電源を切った状態で充電完了すると、モバイルバッテリーの電源が自動的に切れた。しかし電源ONの状態だと、フル充電になっても電源が切れない機種もあった。
項目 | 詳細 |
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USBコネクタ数 | 1 |
USB最大電流 | 1.5A |
充電ケーブル (コネクタ) | USB - MicroUSB(50cm) |
残量インジケータ | 2色1灯3段階 (点滅回数で多、中、少) |
自動電源OFF | 本体電源OFF時のみ有効 (40mAでON状態を確認) |
同時充電 | × |
バッテリー自体の性能は可もなく不可もなく標準的
たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。
なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能のバッテリーといえる。
電圧はブレることなく、ピタッ! っと5Vを維持しており、安定性は申し分ない。電流は若干不安定だが、実用上で差し支えはないと思われる。表示上のバッテリー容量は3,500mAhとなっているが、充電に利用できるのは59%。つまり、およそ2,060mAhが実充電量となる。およそ40%がバッテリー内部でロスしてしまうが、標準的なロス率といえるだろう。
計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは次のとおり。Android系の場合、カッコ内が内蔵バッテリー容量を示している。
項目 | 詳細 |
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バッテリー表示容量 | 3,500mAh |
連続利用時の実用量 | 2,062mAh(59%) |
連続実用量1,000mAh あたりの価格 | 1,746円 |
充電回数(理論値) | Android(1,300mAh):1.8回 Android(1,500mAh):1.6回 Android(1,800mAh):1.3回 Android(2,000mAh):1.2回 Android(2,200mAh):1.1回 iPhone4S(1,432mAh):1.7回 iPhone5(1,434mAh):1.7回 iPad2(6,580mAh):0.4回 ソニー PSP(1,200mAh):2.0回 任天堂 3DS(1,300mAh):1.8回 |
4時間でフルチャージ&小型USB ACアダプタが超便利!
嬉しかったのが、同梱のUSB-ACアダプタが、小さくて出力も高いという点だ。大きさはコンセントに差す三ツ又ソケットより少し大きい程度で、USBコネクタから2.1A出力までできる。これならモバイルバッテリーを充電していないときでも、スマートフォンやiPad(第3世代含め)が充電可能だ。
多くのACアダプタは、マニュアルで「本製品の充電以外に利用禁止」とされているが、このUSB ACアダプタは「モバイルバッテリーとUSB ACアダプタを併用すると2台同時充電が可能」としており、モバイルバッテリー以外への使用も認めている。
モバイルバッテリーの充電時間は、カタログスペックどおりのぴったり4時間。会社や学校でも充電できるなら、1日2回充電して午前と午後にも利用できるだろう。
項目 | 詳細 |
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本体充電用コネクタ | Micro USB |
添付充電器(仕様) | 2.1A出力USB Acアダプタ (ワールドワイド仕様) |
充電時間(カタログ値) | 4時間 |
充電時間(実測) | 4時間00分 |
繰り返し利用回数 | 500回 |
容量1,800~2,000mAhのスマートフォンにピッタリ。アダプター込みがお得
シンプルで薄型デザインなので、老若男女を問わず、またフォーマルからカジュアルまでどんなシーンにも馴染むというのが最大の特徴だ。中でもとくにオススメするのは、スマートフォンの内蔵バッテリー容量が1,800mAh~2,200mAhという人。ちょうど1回フル充電できるので、かなり便利に使えるだろう。
なお、以下の5つ星評価においては、USB-ACアダプタ込みの価格となっているため、「単位容量あたりの安さ」の評価が低めになってしまった。しかし使い勝手のいいUSB ACアダプターに、プラス3,500mAhのモバイルバッテリーで、実売価格が3千円後半というのは、むしろお買い得だろう。
メーカー・品名 | ソニー「CP-F1LSAVP」 |
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ロスの少なさ | ★★★☆☆(3) |
持ち歩きやすさ | ★★★★☆(4) |
単位容量の安さ | ★★☆☆☆(2) |
充電の早さ | ★★☆☆☆(2) |
使い勝手のよさ | ★★★☆☆(3) |