LED電球、どれを買う?

光が広がるE17小型LED電球はこれを買うべし!
担当ライターが選んだお勧めランキング

 白熱電球に交換できるLED電球が2009年に誕生して、今年で4年目を迎える。明るさや光の拡散性など、明かりの質が高い高価な製品や、手頃な価格で買える格安品も揃っており、既に取り替えた方も多いだろう。

 そんな中、この1年で新たにLED電球のラインナップに加わったジャンルがある。それが“光が広がる小型LED電球”。小型電球(ミニクリプトン電球)に置き換えられ、かつ光が広がる、E17口金の全般配光タイプのLED電球だ。

 光が広がる小型LED電球は、手のひらに収まるほど小さいうえ、光が白熱電球のように広範囲に広がる点が特徴。LEDの光は直線的なため、それを広げるには反射板やレンズを電球内に搭載する必要があるが、それがこの小さな電球の中に入っている。E26口金タイプ以上に精密機械なのだ。

 しかし、まだ新しい製品であることもあって、価格は高め。E17口金のLED電球では、千円未満で買える製品もある中で、約3千円という実売価格はなかなか手を出しにくい。そこで今回は、家電Watchのレビューコーナーで紹介した、E17口金小型電球形の「全般配光タイプ」について、「これを買うべし!」というお勧め商品を、ランキング形式でまとめてみたい。

評価のポイントは「明るさ」「大きさ」「演色性」

 評価するポイントは、(a)「明るさ」(光の広がりも含む)、(b)「大きさ」、(c)「色の再現度(演色性)」だ。まずは、この3つの評価を合わせた「総合評価No.1」のLED電球を選出し、次に各ジャンル毎のベストを選出する。

 評価ポイントに「大きさ」が入っているのは、E17口金のLED電球は、ミニクリプトン電球よりも大きいため、器具によっては取り付けられないものもあるからだ。特にダウンライトの場合、大きいと取り付けられない場合がある。そのため、ミニクリプトン電球サイズに近いものほど高く評価した。

 対象となる製品は、2012年以降に当レビューで取り上げた、E17口金の小型LED電球で、配光角度が180度以上の6機種。レビューしていない機種は、選考の対象外としている。いずれも密閉型器具に対応している。

対象となるのは上の6製品
【対象となる小型LED電球(エントリーナンバーは掲載順)】
エントリー
ナンバー
メーカー名製品名全光束現在の販売価格
(yodobashi.com)
記事リンク
(1)
日立小形電球形 広配光タイプ
LDA7L-G-E17/S
510lm3,980円レビュー記事
(2)
パナソニックEVERLEDS 小型電球形 全方向タイプ
LDA5LGE17W
380lm2,480円レビュー記事
(3)
東芝E-CORE ミニクリプトン形
光が広がるタイプ LDA6L-G-E17/S
380lm2,800円レビュー記事
(4)
三菱PARATHOM 小型電球形
全方向タイプ LDA6L-G-E17
440lm3,280円レビュー記事
(5)
NECLIFELED'S 小型電球形
LDA6L-G-E17/S
500lm2,980円レビュー記事
(6)
東芝E-CORE ミニクリプトン形
光が広がるタイプ LDA5L-G-E17/S
360lm2,980円レビュー記事

 なお、今回取り上げる製品は、日本照明工業会(旧・日本電球工業会)が規定する小型電球25W形相当(230lm以上)と、小型電球40W形相当(440lm以上)の製品が混在している。本来ならルールに則って分けたいところだが、なにぶん数が少ないことと、実使用の明るさはいずれも40W形小型電球と取り替えても遜色がなかったため、すべてひと括りで紹介する。

 また、当レビューでは「小型白熱電球と交換すること」をテーマにしているため、光色は電球色のみに限定している。また、価格は変動するため、評価要素に加えなかった。以上の点は、どうかご了承いただきたい。

取り替えて違和感がもっとも少ない東芝「E-CORE LDA6L-G-E17/S」が一番お勧め!

総合評価1位には、(3)東芝「E-CORE LDA6L-G-E17/S」を選出した

 総合評価No.1、つまり「これを買っておけば間違いない」というE17口金の光が広がるLED電球には、(3)東芝ライテックの「E-CORE ミニクリプトン形 光が広がるタイプ LDA6L-G-E17/S」を選んだ。

 最大の評価ポイントは、明るさと光色だ。40W形ミニクリプトン電球から取り替えて、気づかないぐらい、見た目の印象が変わらない。配光角度は全般配光タイプ6機種中の中で下位の約180度だが、小型ダウンライトに横向きに取り付けても、しっかり明るいのが良い。

 サイズについては、ミニクリプトン電球よりも9mm背が高く、グローブ(カバー)が丸ではなく台形な点は気になるが、それでも小さめのダウンライト(75×80mm[開口部の幅×深さ])にそのまま取り付けられた。電球が丸見えにならない限り、実使用では気にならなかった。

こちらがミニクリプトン電球の光
東芝「E-CORE LDA6L-G-E17/S」。非常に明るく、見た目の印象はさほど変わらない
若干背が高いが、小さめのダウンライト(75×80mm[開口部の幅×深さ])にもそのまま取り付けられた

 「明るさ」「大きさ」「色」の3点において、どれを取ってもミニクリプトン電球と交換して遜色がないLED電球だ。家庭のあらゆる場面に取り替えても、従来のミニクリプトン電球との違和感は感じられないだろう。

明るさを最優先するなら日立「LDA7L-G-E17/S」

明るさで選ぶなら、(1)日立アプライアンスの「LDA7L-G-E17/S」

 明るさを最優先する場面では、6機種の中でダントツで明るかった(1)日立アプライアンスの「小形電球形 広配光タイプ LDA7L-G-E17/S (510 lm)」を推薦する。55cm直下の明るさは、他のLED電球が約390~440lxだったのに対して、これは490lxともっとも明るい。しかもコンパクトで、小さめのダウンライトに、そのまま取り付けられるほどだ。

 ただし、ダウンライトに横向きに取り付けると、配光角度が約180度のためか、直下ほどの明るさが引き出せない点、光色が白熱電球とは異なり白っぽい点が気になった。逆に、浴室やトイレ、洗面所などの水周りには、暖かみがありながら、暑苦しくならない光色が活きる。明るさと、清潔感や清々しさを求める場所にはとても向いている。

55cm直下の明るさは490lxと最も明るかった
光色がやや白っぽいので、水回り空間に向いている

 次点として、(5)NECライティングの「LIFELED'S 小型電球形 LDA6L-G-E17/S (500 lm)」を挙げたい。直下照度は437lxとしっかり明るく、配光角度は白熱電球に近い290度で、器具が持つ雰囲気は十分に引き出せる。また、40W形小型電球を超える明るさも実感できる。背が電球よりも13mmほど高いため、口径が小さなダウンライトにはそのまま取り付けられない点はマイナスだが、電球らしい真ん丸なグローブのデザインは、器具によってはむしろ合うかもしれない。

明るさの次点には、(5)NECライティングの「LIFELED'S 小型電球形 LDA6L-G-E17/S (500 lm)」を選んだ
丸いグローブが電球らしい

サイズ重視なら小型電球と同サイズの東芝「E-CORE LDA5L-G-E17/S」

サイズ重視なら(6)東芝ライテック「E-CORE LDA5L-G-E17/S」

 サイズで選ぶなら、電球の高さも直径もミニクリプトン電球と全く同じだった(6) 東芝ライテック「E-CORE ミニクリプトン形 光が広がるタイプ LDA5L-G-E17/S」だ。現在、ミニクリプトン電球を取り付けているダウンライトに、そのまますんなりと取り替えられるだろう。

 光の広がりも文句なし。コンパクトなのに、配光角度は約300度で、口金が横向きのダウンライトでもしっかり光が広がる。光色はミニクリプトン電球よりも淡いオレンジ色だが、演色性は良く、特にくつろぎの明かりとしてお勧めだ。

サイズはミニクリプトン電球(左)と同じ。電球型蛍光灯(右)と比べればさらに小さい
ミニクリプトン電球を取り付けているダウンライトに、そのまますんなりと取り替えられる
くつろぎの明かりに向いている

 惜しかったのは、(4)三菱電気照明の「PARATHOM 小型電球形 全方向タイプ LDA6L-G-E17」。実はこちらも、大きさはミニクリプトン電球とまったく同じ。だが、口金付近の径が6mmも太いため、次点とした。LEDを立体的に配し、光源部に食い込むような放熱部のデザインはが異彩を放つが、電球が隠れてしまえば独特なデザインは全く気にならない。配光角約300度の広がる光は、スタンドの器具全体をふんわりと輝かせたり、インテリアライトの表情を特に良く引き出す。

サイズで次点は、(4)三菱電機照明の「PARATHOM 小型電球形 全方向タイプ LDA6L-G-E17 (440 lm)」
独特のデザインだが、こちらもサイズはミニクリプトン電球と同サイズ
光の配光角は約300度と、とても広がる

食べ物の色もバッチリ。演色性のNo.1も東芝「E-CORE LDA6L-G-E17/S」

 ミニクリプトン電球と交換して、もっとも演色性に違和感がなかったのが、総合評価でもNo.1となった、(3)東芝ライテック「E-CORE ミニクリプトン形 光が広がるタイプ LDA6L-G-E17/S」だ。

 演色性は主に食事のシーンを照らした結果から評価したが、LDA6L-G-E17/Sは、光色、色の再現性ともミニクリプトン電球にもっとも近く、色のくすみはほとんど感じられなかった。LED電球にありがちな、黄色っぽくなったり、青白っぽくなったりするようなクセも少なく、全体的な色のバランスが優れている印象だった。

色で選ぶなら、総合1位の(3)東芝ライテック「E-CORE ミニクリプトン形 光が広がるタイプ LDA6L-G-E17/S」
こちらはミニクリプトン電球の食事のシーン
こちらが(3)東芝ライテック「E-CORE ミニクリプトン形 光が広がるタイプ LDA6L-G-E17/S」。色のくすみがほとんど感じられなかった

場面別にはこのLED電球がお勧め。煌めく器具ならクリアLED電球も

 以上が、家電Watchでレビューした光が広がる小型LED電球における、お勧めの製品だ。冒頭にも述べているが、今回の評価の対象は6製品と少なく、明るさ(全光束)がバラバラなのものを一括りにしたため、明るさが低いものはどうしても評価が低くなってしまった。だからと言って、使えないものはただの1つも無かったことは、強く申しておきたい。

 ここで補足する意味でも、今回エントリーした全6製品のLED電球がどの場面に向いているか、シーン別に写真で紹介しよう。なお、左からおすすめ順となる。

・玄関や廊下で、親しみを演出するなら……

(3)東芝「LDA6L-G-E17/S」
(4)三菱「LDA6L-G-E17」
(5)NEC「LDA6L-G-E17/S」

・トイレや浴室など水周りで、清潔感を演出する暑苦しくない光色なのは……

(1)日立「LDA7L-G-E17/S」
(5)NEC「LDA6L-G-E17/S」
(2)パナソニック「LDA5LGE17W」

・くつろぎや落ち着きを演出、リビングルームの全体照明や多灯照明なら……

(6)東芝「LDA5L-G-E17/S」非透過タイプのシェードを使用
(3)東芝「LDA6L-G-E17/S」非透過タイプのシェードを使用
(4)三菱「LDA6L-G-E17」透過タイプのシェードを使用

・勉強や仕事向け、直下が明るく色温度が高めなのは……

(1)日立「LDA7L-G-E17/S」
(5)NEC「LDA6L-G-E17/S」

・リラックス時や読書など、直下が適度に明るく、やさしい雰囲気を演出するなら……

(2)パナソニック「LDA5LGE17W」
(6)東芝「LDA5L-G-E17/S」
(3)東芝「LDA6L-G-E17/S」

・眩しさを抑えたインテリアライト向けの電球は……

(6)東芝「LDA5L-G-E17/S」
(4)三菱「LDA6L-G-E17」
(2)パナソニック「LDA5LGE17W」
クリアタイプのミニクリプトン電球との交換には、パナソニックの「EVERLEDS クリア電球タイプ 小型電球形LED電球 LDA5L-E17/C/W」を使いたい

 最後に、今回はエントリーに加えなかったが、同じく口金がE17で、電球のカバーが透明のパナソニックの「EVERLEDS クリア電球タイプ 小型電球形LED電球 LDA5L-E17/C/W」(パナソニック)もここで紹介しておきたい。クリアタイプの小型電球を再現した、煌くような輝きは、ここで紹介した6製品では真似できない。きらめき感を活かす透明なガラス製の器具や、表情豊かな影を織り成す器具なら、こちらがお勧めだ。 [レビュー記事]

 このランキングと、過去に取り上げた各レビューを併せて見ていただいて、購入前の迷いや不安を払拭していただければこの上ない幸せだ。

藤原 大蔵