LED電球、どれを買う?

東芝「E-CORE ミニクリプトン形 5.2W LDA5L-G-E17/S」

~配光角300度で小型電球と同サイズ。くつろぎの空間に合うハイスペック電球

サイズはミニクリプトン電球と同じ。さらに広がる光に

東芝ライテック「E-CORE(イー・コア) LED電球 ミニクリプトン形 5.2W 光が広がるタイプ LDA5L-G-E17/S」。配光角度は300度。明るさを示す全光束は360lmで、日本電球工業会の基準で、小型電球25W形相当となる

 E17口金のミニクリプトン電球は、手のひらに収まるほど小さい。しかも、白熱電球ゆえに光は300度以上もたっぷり広がる。LED電球に交換する際は、明るさはもちろん、「電球の大きさ」と「配光性能」も、選ぶ上の重要なチェックポイントになる。

 今回は、ミニクリプトン電球とまったく同じサイズで約300度の配光性を誇る、東芝 「E-CORE (イー・コア) LED電球 ミニクリプトン形 5.2W 光が広がるタイプ LDA5L-G-E17/S」を紹介しよう。

 本製品は大きな特徴が2つある。1つは約300度の白熱電球並みの配光性能に、もう1つはミニクリプトン電球と同じサイズという点だ。以前紹介した東芝のE17口金のLED電球「LDA6L-G-E17/S」よりも、さらに光が広がり(約120度アップ)、さらにコンパクト(背の高さは10mmダウン)になった。

 約300度の配光性能は、電球内部に設えられた「導光レンズ」と「波紋形プリズムカバー」の2つの光拡散技術から成る。導光レンズは、平面(2次元)のLEDの光を、立体的な光に変換する。さらに波紋形プリズムカバーでは、カバーに刻まれたギザギザの模様によって、光を白熱電球並みに拡散させている。これらの機能を搭載しながら、サイズはミニクリプトン電球と同じ高さと直径に収まっている。

 明るさを表す数値「全光束」は360lm。日本電球工業会のガイドラインで、「小型電球25W形相当(230lm以上)」となる。本製品は、断熱施工器具に対応し、密閉器具(防湿・防雨形)にも対応しているので、器具及び取り付け場所を選ばない特徴もある。

波紋形プリズムカバーと、導光レンズを組み合わせることで、約300度の配光角度を作り出す(東芝ライテックHPより抜粋)
光を拡散する波紋形プリズムの様子。内部のLEDやレンズは、外側からはほぼ見えない(写真左)。点灯した様子(右)は、白熱電球のように、光がカバー中央から輝く
ミニクリプトン電球(左)とイー・コア LDA5L-G-E17/S(右)を並べた画像。配光角度はミニクリプトン電球に近い300度。口金付近にもたっぷり光が届いている。光が広がる全体の様子はミニクリプトン電球にとても近い
メーカー名東芝ライテック
シリーズ名・品番E-CORE (イー・コア) LDA5L-G-E17/S
全光束360lm
定格消費電力5.2W
口金タイプE17
光色電球色
小型電球と比較した光量25W形相当 (ランプ単体)
定格寿命40,000時間
調光器対応-
密閉器具対応
防湿・防雨型器具対応
断熱材施工器具
配光角度約300度
実売価格2,980円 (yodobashi.com)

※ミニクリプトン電球はパナソニックの「LDS100V36WWK」(250円で購入)を使用
※比較用の電球形蛍光灯は、NECライティング「コスモボール・ミニ」を使用
※E26口金の照明器具では、E17口金の変換アダプタを使用

【基本スペック編】

サイズ比較

 実測サイズは35×67mm(直径×高さ)で、ミニクリプトン電球(E17口金の小型電球)と全く同じだった。カバーは楕円球に近く、内側に刻まれたギザギザ部分「波紋形プリズム」が、ミニクリプトン電球の様相と異なる。白色の放熱部は電球を意識したくびれがあり、E17口金の全般配光タイプのLED電球の中で特に小さくまとまっている。口金付近もくびれており、直径は18~22mmと、最大部でもミニクリプトン電球より3mm太い程度に収めている。

 重量は実測で50gだった。ミニクリプトン電球の3.5倍強の重さだが、小型電球形LEDの中ではごく一般的な範囲。使用中、器具が傾くような事は起こらなかったので、器具への負荷はさほど心配しなくてよいだろう。

高さはミニクリプトン電球と全く同じ67mmだ。くびれもあり、電球のイメージに近い。口金付近の直径は最大でも3mm太い程度。重量は50gで、小型LED電球全体の中では一般的
直径は35mm(中央)で、こちらもミニクリプトン電球と同じ。波紋形プリズムカバーはポリカーボネート樹脂で、内部はほとんど透けて見えない

器具に取り付けたようす

 小型スタンドタイプの器具への収まり具合は、ミニクリプトン電球と大きさが同じだけに、とても良い。カバーは少し平たく、波紋形プリズムのギザギザ部分が浮き出るが、器具へ取り付けてしまえばたいして気にならない。放熱部も、わずかに覗く程度だ。完全に透けて見える器具でないかぎり、見た目の印象は大きく変わらないだろう。

【ミニクリプトン電球:40W】
電球の球体部が見える角度から撮影した
【小型電球形蛍光灯】
らせん状の蛍光管がかなり目立つが、器具内には収まっている
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
カバーの見た目の違いはあるが、ミニクリプトン電球と同じように器具内に収まっている。放熱部はほとんど気にならない

 また、電球をほぼ横向きに取り付ける、小さめのダウンライト(75×80mm[開口部の幅×深さ]にも、余裕で収まった。E17口金の全般配光形のLED電球でも、ミニクリプトン電球と同じサイズなので、アダプタを別途用意する必要はない。

 ダウンライトなので電球が丸見えになるが、天井付近の器具ならば、見た目の違いはほとんど気にならない。姿は一般的な小型LED電球と大きく変わらない。

【ミニクリプトン電球:40W】
小型のダウンライト(開口部の直径は75mm、深さは80mm)にミニクリプトン電球を取り付けた様子。電球はほとんど横向きになる
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
ミニクリプトン電球と同じように、余裕で取り付けられた

光の広がりかたと配光性

 スペックは300度と広配光だけに、約320度のミニクリプトン電球にとても近い。光が床面へ届く様子は、ミニクリプトン電球並みに力強い。見比べても、ほとんど違いがわからないほどだ。

【ミニクリプトン電球】
ソケットぎりぎりまで明るい。電球を中心に床面に近いところから光が広がっている
【小型電球形蛍光灯】
ソケット付近にもかなり光が届いている。しかし遠くまでは光が届かない印象だ
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
光源部を中心に、床面も含み四方八方に光が拡散している。ミニクリプトン電球の光の広がりと違いがほとんどわからないほどだ

 電気スタンド型の器具との相性はとても良い。クリアタイプの電球のような、コントラストが強めの光が、上下方向どちらにもきっちりと力強く届いている。シャープな陰影はミニクリプトン電球の表情とは若干異なるが、シェードはムラなく輝き、器具本来の印象を十分に引き出している。インテリア照明、読書灯として、ミニクリプトン電球と同じように活用できるだろう。

【ミニクリプトン電球】
シェードは中心からまんべんなく光り、シェードの上下からほぼ同じ明るさの光が漏れる
【小型電球形蛍光灯】
ミニクリプトン電球と遜色なく、シェードのほぼ中心からまんべんなく光る。シェードの上下からもほぼ同じ明るさの光が漏れる
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
光は上方へも下方へも同じような強さでしっかり届く。器具のほぼ中心から、ムラ無く輝き、ミニクリプトン電球と変わらない印象だ。陰影は強めに表れる

 小型のペンダント型の器具にも取り付けた。光色の違いはあるが、シェードの輝き方はミニクリプトン電球とほぼ同じで、取り替えたかわからないほど印象が近い。シェードを通して、暖かみのあるやさしい光が放たれる。

【ミニクリプトン電球】
乳白ガラス製のペンダントの上方に光が偏る
【小型電球形蛍光灯】
ミニクリプトンと同様に、笠の上の方に明るさが偏る
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
光色の違いがあるぐらいで、輝きはミニクリプトン電球とほとんど同じだ

明るさ(55cm直下の照度)

 直下照度は418lxだった(点灯15分後)。スペック上では、日本電球工業会の基準で「小型電球25W形相当の明るさ」だが、測定結果は直下467lxの40W形ミニクリプトン電球に近く、並べて比較しなければ気づかないほど明るい。40W形ミニクリプトン電球の取り替えても問題なさそうだ。

 なお点灯中は、電球からジーという雑音がすることもなく、ラジオにノイズが乗ることもなかった。

【ミニクリプトン電球:40W 467lx】
光源を550mm上方にセットし、直下照度を計測した
【電球形蛍光灯 328lx】
【E-CORE E17 LDA5LGE17S:418lx(点灯15分後)】
直下の値は、40W形ミニクリプトン電球よりも少し劣る程度で明るい。なお、点灯直後は436lxだった

 ミニクリプトン電球と同サイズなので、小型器具にあっさりと収まった。波紋形プリズムカバー以外は、配光角度の狭い一般的な小型LED電球と見た目はたいして変わらないのに、光は広がり、しかも明るい。40W形クラスの明るさがあるので、全体照明に十分利用できそうだ。

【実使用編】

 ここからは実際の生活シーンに取り付けて、よりリアルな使用での実力を探っていく。密閉器具にも対応しているので、浴室や密閉型のインテリアライトにも使用した。

 本製品は先に紹介したとおり、横向きのダウンライトにすんなり収まったが、E17口金の電球形蛍光灯とも比較基準を揃えるために、斜め取り付け器具用の可変ソケットを利用した様子を中心に撮影している。もちろん、ソケット無しバージョンも用意している。

小型電球形蛍光灯と比較するため、ダウンライトには斜め付けダウンライト用可変式ソケット「RITEX E17LED電球専用 可変式ソケット DS17-10」を取り付けて撮影している
可変ソケットを取り付けた電球の様子。左からミニクリプトン、小型電球形蛍光灯、東芝E-CORE LDA5LGE17S

玄関

 玄関で40W形ミニクリプトン電球を使っているならば、取り替えても明るさの不満は感じないだろう。光色の違いがあるぐらいで、床や壁へ光はしっかり広がり、同じような明るさになる。オレンジ色に近い光だが、自然な色合いで暖かみがあり、より落ち着いた雰囲気が演出できる。

 電球を横向きに取り付けても、拡散性、明るさは、40W形ミニクリプトン電球に比肩している。取り替えて全く問題ないだろう。

【ミニクリプトン電球:40W】
玄関としては少し抑え目だが、まだまだ明るい
【小型電球形蛍光灯】
40W形のミニクリプトン電球とほぼ同じ明るさが感じられるが演色性はイマイチ
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
ミニクリプトン電球とほぼ変わらない明るさだ。光色はより暖かみがあり、落ち着いた雰囲気が演出できた。直下の明るさ数値の差はほとんど感じられない
可変ソケットを使用せず、ダウンライトに電球を直接取り付けた様子。器具に直接取り付けてもイーコア(右)はミニクリプトン電球に負けないぐらい明るい。なお、小型電球形蛍光灯は横向きには取り付けられなかった

浴室

 浴室の使用感も良い。密閉型の器具に取り付けた場合、全体的にわずかながら暗くなる印象はあるが、光は浴室全体に行き渡っている。ミニクリプトン電球と比較しなければ、さほど気にならない程度の差と言えるだろう。また、オレンジ色の光色も良い。夜間にゆっくりとお風呂を楽しむのに向いている、くつろぎの色だ。浴室用のLED電球としても実力を発揮するだろう。

【ミニクリプトン電球:40W】
煌々とした明るさにはならないが、十分に明るい
【小型電球形蛍光灯】
蛍光灯は器具に閉じ込めると明るさが落ちる印象だ
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
器具に覆われるためか若干暗くなる印象だが、光は浴室の隅々まで届き、まだまだ明るい。暖かみのある浴室は長風呂にもよさそうだ

※浴室で使用する場合は、器具が防滴構造であることが条件となります

トイレ

 トイレにはまあまあだった。明るさは40W形ミニクリプトン電球と交換して少し暗くなる程度だが、光色と影の強さからか、清々しさが少々抑えられる印象になった。光の広がりや明るさも問題なく、横向きにとりつけても、印象は変わらなかった。しかし、さほど長い時間を過ごす場所ではないのに、ハイスペックな本製品を使う必要性はあまり感じられない。

 なお、トイレは点滅頻度が高いため、点滅回数が寿命に影響する電球形蛍光灯の写真は割愛する。

【ミニクリプトン電球:40W】
狭い空間のトイレならば、40W形で十分な明るさを感じる
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
明るさの違いはさほど変わらない。ただし、光色が狭い空間には暑苦しいかもしれない
可変ソケットを使用せず、ダウンライトに電球を直接取り付けた様子。横向きに取り付けても明るさはほとんど変わらない印象だ(右)

テーブルランプ

 テーブルランプの取り替えには申し分ない。40W形ミニクリプトン電球と遜色ない明るさと拡散性が実感できた。暖かみのある光色は落ち着きがあり、目に映る物の色合いも良好に映し出す。光色もどこかノスタルジックな雰囲気を醸し出しており、ゆったりとした読書の時間を優しく彩ってくれそうだ。ついでに言えば、器具が顔の近くにあっても熱が感じられず、快適だ。

【ミニクリプトン電球:40W】
十分に明るく、細かな文字もしっかり読める
【小型電球形蛍光灯】
蛍光灯も明るさは十分。ただし、色味はミニクリプトン電球と比べ全体的に劣る
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
ミニクリプトン電球の明るさと光の拡散の印象はほとんど変わらない。暖かみのある光色が、じっくりと腰を落ち着けた読書に向く。演色性も良好だ

リビングルーム

 ほぼ40W形と変わらない明るさが確認できたので、リビングルームの全体照明としても使用した。

 透過タイプの器具との相性は良い。床面はミニクリプトン電球とほとんど変わらない明るさで、器具全体が柔らかく均等に輝く。しかし、これは浴室の密閉器具でも言えたことだが、シェードを通した光はミニクリプトン電球よりも弱まるため、壁面が少し暗くなるのは難点。とはいえ、それがかえって落ち着いた雰囲気を醸し出すという見方もできるかもしれない。

【ミニクリプトン電球:40W×2 透過タイプのシェード】
光が部屋全体に行き渡り、くつろぎの空間に十分な明るさがある
【小型電球形蛍光灯×2 透過タイプのシェード】
ミニクリプトン電球のようには明るさが広がらず、明るさが一段抑えられた印象になってしまう。色被り(余計な色が加わること)も起こり全体的にくすんで見えてしまう
【E-CORE E17 LDA5LGE17S ×2 透過タイプのシェード】
床面はミニクリプトン電球とほとんど変わらない明るさだ。シェードを通してあまり光が届かないのか、壁面は若干暗くなる。落ち着きのある空間が演出できる

 むしろ、非透過タイプの器具の組み合わせに向いているようだ。床面への明るさはミニクリプトン電球とほぼ変わらず、天井へもしっかり光が届く。器具が持つ雰囲気を良く引き出し、天井の反射光は間接光となって部屋に全体に広がる。光と影のコントラストが際立つ、暖かで印象的な空間が演出できた。

【ミニクリプトン電球:40W×2 透過タイプのシェード】
光のコントラストが小気味良い。十分な明るさもあり、テレビ画面に照明が当たらず見やすい
【電球形蛍光灯×2 非透過タイプのシェード】
白熱電球のように上部へも光が広がるが、透過タイプと同様、色がいまひとつ
【E-CORE E17 LDA5LGE17S ×2 非透過タイプのシェード】
明るさも十分で、光と影のコントラストがとても電球らしい。器具が持つ雰囲気をより引き出している。暖かで一層くつろいだ雰囲気が演出できる
【E-CORE E17 LDA5LGE17S ×2 インテリアライト2台】
2つの違う器具の表情が楽しめる。多灯照明は光が部屋全体に柔らかく広がり、くつろぎ感や落ち着きのあるリビングルームが演出しやすい

 複数の局所照明を組み合わせた使い方も大いにお勧めだ。部屋の奥のスタンドはシャープな陰影を作り、手前の密閉器具は柔らかな光を放つ。器具それぞれの表情を引き出し、表情豊かな明かりの演出ができた。器具からある程度離れていれば、眩しさもさほど感じない。

リビングルーム(インテリア照明)

 密閉器具のインテリア照明にも適している。器具に光のムラは全く浮かばず、均一に輝く。ただし、器具が顔に近い場合は、明るさがかえって不快な眩しさに感じられるので、多少距離を置いて、部屋全体を照らす局所照明の1つとして利用するのがいいだろう。

【ミニクリプトン電球:40W】
40W形はかなり明るい。直視するには不快な眩しさを感じてしまう
【小型電球形蛍光灯】
明るさの印象はミニクリプトンよりも落ちるが、やはり眩しい
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
器具にムラは全く浮かばず、器具が持つ雰囲気を最大限に引き出している。直視には眩しいので、目に触れる距離を置いて活用するのが良いだろう

食事の風景

 食事のシーンにもとても良かった。光色はオレンジ色が強めだが、食べ物を色鮮やかに照らし出す。テーブルの上のそれぞれの色はほとんどくすまず、食事全体がおいしそうに映える。食器やランチョンマットの微妙な色合いも再現されていた。テーブルと器具の距離は80cmだったが、1灯で十分に明るい。

 個人的な印象だが、淡いオレンジ色の光色に照らされる食卓を見て、「夕餉(ゆうげ)」という、懐かしい言葉を思い出した。

【ミニクリプトン電球:40W】
全体的においしそうに見える。しかし、モスグリーンのランチョンマットは茶色っぽく見えてしまっている
【小型電球形蛍光灯】
光色の良さに定評のあるNECの電球形蛍光灯だが、ミニクリプトン電球と並べると全体的に発色が悪く見えてしまう
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
光色は異なるが、目に見える物の色のくすみが感じられず、とても良い印象だった。食べ物はおいしそうに映え、微妙な色合いの違いもしっかり再現された。淡いオレンジ色の光色が、食卓をやさしく照らす

40W形ミニクリプトン電球と交換で、元が取れるのは【1年4カ月】

 カタログ上の消費電力は5.2Wだが、実測では4Wだった。実使用で40W形ミニクリプトン電球に近い明るさで、消費電力は1/9近くも大幅に節約できる。初期費用はかかるが、約1年4カ月使っているうちに回収でき、さらには10年以上使い続けられる。

 電球形蛍光灯からの交換も現実的だろう。3個目の蛍光灯に取り替える5年7カ月でランニングコストが逆転する試算となるため、電球の交換の手間も省かれる。サイズ、配光性、明るさ、演色性において確実に蛍光灯よりも優れ、点灯回数による寿命への影響も受けず、点灯直後から明るい。取り替えれば、電気代以上のメリットを実感するだろう。

【ミニクリプトン電球:40W】
消費電力35W。消費電力1Wあたりの発光効率は14lm/Wになる
【小型電球形蛍光灯】
消費電力7W。発光効率は46lm/W
【E-CORE E17 LDA5LGE17S】
消費電力は4W。公表されている全光束値と消費電力で換算すると、発光効率は69.2lm/Wと高い
【従来の光源と比較した“いつになったら元が取れるか”試算】
光源実測
消費
電力
1カ月3カ月半年1年1年
4カ月
2年4年5年
7カ月
8年
E-CORE E17
LDA5LGE17S
5W3,007円3,001円3,108円3,236円3,321円3,491円4,002円4,407円5,024円
ミニクリプトン40形
LDS100V36WWK
35W436円807円1,363円2,727円3,468円5,203円10,406円14,681円20,812円
電球型蛍光灯
EFD10EL/7-E17-C2
7W817円890円999円1,218円1,364円1,656円3,312円4,786円5,844円

※表中の金額は、電球代と電気代をプラスした「維持費」※1日の使用時間は8時間と仮定
※ミニクリプトン電球は8カ月ごと、電球型蛍光灯は2年9カ月ごとに 電球代を加算する (切れた電球代の購入費として)
※電気代は1kWh=22円で計算

以前紹介した東芝の「DA6L-G-E17/S」よりも、くつろぎのシーンに向いている

本製品(左)と、以前紹介した東芝のE17口金LED電球「LDA6L-G-E17/S」(右)の違い。くつろぎ感を高める淡いオレンジ色の光色と表情豊かな陰影が、リビングルームなど、ゆったりと時を過ごす空間によりマッチする

 本製品の特徴は、ミニクリプトン電球サイズのままで、40W形クラスの明るさに、白熱電球並みの配光性が揃っている点だ。小型器具にもすんなりと取り付けられ、器具が持つ表情も遜色なく引き出し、演色性も高い。本製品は40W形ミニクリプトン電球からの取り替えにも勧められる、優れた小型LED電球だった。

 ここで気になるのは、以前紹介した、同じく東芝製のE17口金のLED電球「LDA6L-G-E17/S」と、どちらを選ぶのが良いか、という点だ。LDA6L-G-E17/Sは配光角度こそ180度だが、小型ダウンライトにそのまま取り付けられるほどコンパクトで、明るさは本製品とほぼ同じ。数多くのシーンにも使いやすく、消費電力もほぼ同じだった。実売価格の差は現時点で200円程度に過ぎない(2013年4月18日現在。価格はyodobashi.com)。“新しい方を選べば良い”というのは短絡的だ。

 どちらを選ぶか考えた時、2つの製品でもっとも違う点に着目したい。それは「光色」だ。「LDA6L-G-E17/S」はミニクリプトン電球にとても近い光色で、全般的な明かりに向く。一方で本製品は、より暖かみのある、淡いオレンジ色の光色が特徴的だ。オレンジ色は一般的に、電球色よりもくつろいだ雰囲気が高まる光色と言われている。

 そこで本製品のお勧めの使用シーンは、ゆったりと過ごす、くつろぎや癒しのシーンに使いたい。落ち着いた時間を過ごすリビングルーム、長時間の読書の明かりに特にお勧めだ。たっぷりと広がる光は、目に触れる器具の表情も存分に引きだしてくれるだろう。演色性も良いので、静かな食事のシーンや浴室の明かりにも向いている。

 より落ち着いた雰囲気を演出するLED電球として、大いにお勧めしたい。

【東芝「E-CORE 光が広がるタイプ LDA5L-G-E17/S」はこんなLED電球】
・ミニクリプトン電球に匹敵する配光角300度で、しかも同サイズ。明るいので40W形との交換にも
・暖かで落ち着きのある淡いオレンジ色の電球色は、くつろぎのシーンに似合う
・断熱施工器具、防湿形&防湿防雨形の照明器具にも対応
・40W形ミニクリプトン電球と交換した場合、1年4カ月で電球代が回収できる(1日8時間使用)

藤原 大蔵