家電製品ミニレビュー
5分でパリパリ! 400℃で焼き上げるピザが美味しい「グルメオーブン」
by 石井 和美(2016/5/10 07:00)
小学6年生になった娘はカリッとした薄いピザが大好きだ。しかし、家で作っても、いまひとつパリパリ感がないので喜ばない。結局、行きつけのイタリアンで食べているが、食べ盛りになってきたので、お財布的に厳しくなってきた。
家でも美味しいピザを作ることができれば、わざわざ外に食べに行く必要もなくなるだろうと思い、話題になっているビタントニオの「グルメオーブン VGO-55」を試してみることにした。“400℃でパリッと焼き上げる”というが、本当にできるのだろうか。
メーカー名 | ビタントニオ |
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製品名 | グルメオーブン VGO-55 |
実売価格 | 18,230円(Amazon) |
グルメオーブンは、上下ヒーターを搭載した円形のオーブンだ。本体サイズは351×361×208mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約4.8kg(ピザプレート含む)。直径30cmまでのピザを焼くことができる。付属品はピザプレート、ピザパドル、ピザカッター。このほか、パエリアやローストビーフ作りに適したディッシュプレートも付いている。
ピザを焼くときは、ピザプレートを使用する。蓄熱性に優れた石材プレートは最高400℃まで温度が上がる。庫内温度も下がりにくく、本格的なピザ窯と同じようにカリッとクリスピーな食感に仕上がるという。
400℃まで達する石材プレートを使って、短時間で焼き上げる
事前にピザ生地を準備しておく。ふんわりとしたナポリ風のピザ生地と、カリッとしたローマ風のピザ生地の作り方が、レシピ集に紹介されていた。
手でこねて作ることもできるが、ホームベーカリーを使用して作った。生地は約10分のコネ、1時間の発酵、15分のねかし時間があるので、1時間半ほどかかる。
ピザを作るときは、先にピザプレートをセットして予熱する必要がある。「温度調節ダイヤル」で160~400℃の幅広い温度調節が可能で、ピザを焼くときは最大の「4」にして、約15分間予熱しておく。説明書によると、この予熱でピザプレートの温度が400℃に達するという。
ヒーターは上下に搭載されており、上ヒーターとピザの距離が近く、近距離で加熱できる。予熱終了後、成形してトッピングしたピザ生地をピザプレートにピザパドルを使って置く。このとき、熱気が立ち上がるので、注意する。
あとはフタをして、タイマーのつまみを回して5分ほど加熱する。加熱が終了すると「チーン」という音がするので、ミトンを使用して本体を開けて、食材を取り出す。
小窓があるのでのぞくことができるのだが、あっという間にチーズが溶け、焦げ目がついていく。ここまで一気に温度を上げるのは、家庭用オーブンではなかなか難しい。石材のピザストーンをしっかり予熱することで、石窯のような効果が実感できた。
ナポリ風のピザは生地がフワフワだ。ローマ風の生地は、サクサクなクリスピー生地で、娘が大喜び。好きな具材をトッピングするのも楽しい。
レシピ集にあった、サルシッチャとマッシュルームのピザは、豚挽肉を使ってソーセージを作り、生のまま乗せて一緒に焼いた。本物のイタリアンで食べるような本格ピザで、男性にも喜ばれそうなスパイシーな味だった。
市販の冷凍ピザ生地を伸ばして作ったが、これも美味しかった。冷凍ピザも、短時間でサクサクに焼ける。
片付けは簡単だ。ピザプレートは、固く絞った濡れ布巾で表面をサッと拭くだけで汚れが簡単に落ちる。
ディッシュプレートで作るパエリアは本格的なパラパラの仕上がりに!
また、付属のディッシュプレート(直径24cm)を使用することで、パエリアや蛸飯などのお米料理、丸ごと一匹の魚料理、ローストビーフなどの肉料理からデザートまで、多彩なメニューに対応する。しっかり予熱してから使うのがポイントだ。
火加減の調整が難しいパエリアに挑戦した。先にディッシュプレートでエビやニンニクなどを炒めて取り出し、研いでザルに上げておいた米やサフラン水などを入れてアルミホイルを覆い被せてダイヤル「3」で15分ほど炊く。
ごはんには焦げ目がつき、パラパラで本格的な仕上がりだ。短時間でできるのも嬉しい。
ローストビーフも短時間で絶品!
ローストビーフは、牛モモ肉を使用する。食材とヒーターの間は狭いので、薄い塊肉を使った。先に30分ほど塩胡椒、にんにく、赤ワインで漬け置く。予熱しておいたディッシュプレートに表裏で5分ずつ焼く。我が家では子供がいるので2分ほど長めに加熱したが、火力がかなり強いので火が通り過ぎてしまった。
10分ほど加熱するだけで、本格的なローストビーフができるのはありがたい。こちらのレシピにあるソースのレシピも絶妙で、大好評。肉があまり好きではない息子も、「美味しい!」と完食していた。
本体はかなり熱くなるので、子供には注意
肉料理などをすると、本体内側に油が飛ぶ。肉料理や餃子などの油が飛びやすい食材は、アルミホイルを覆い被せて調理したほうが、後々お手入れが楽になる。ローストビーフのときは覆い被せなかったのだが、上フタに油が飛び散ってしまった。
使用中、本体の赤い部分はかなり高温になり、調理中は熱い蒸気が立ち上がる。我が家でも落ち着きのない小3の息子がウロウロしているため、気になって近付いていてしまう調理中は近寄るたびにヒヤッした。子供の手が届かないところに置くか、親が気をつける必要がある。
コードの長さは1mしかなく、テーブル等で使うには短すぎる。もう少し長くしてほしかった。
置き場所を確保できるなら、ぜひ試して欲しい逸品
グルメオーブンでピザを焼くのは本当に簡単だ。面倒なのは、生地を作って成形する段階だが、ホームベーカリーがあれば、そちらを利用するのがオススメ。「こね」コースを使ってしまえば、簡単にできる。
また、本製品には関係ないが、私のように不器用な人間には、丸く成形するのが大変だった。成形した後は、トッピングは焼き上がる直線にやったほうがうまくいく。水分が出てきて生地がやわらかくなってしまい、ピザパドルのくっついてしまうことがあった。
ポイントは、生地を作り、お好みのトッピングをしたら、すぐ焼くこと。最高に美味しいピザを食べたいときは、モタモタしないことが重要だ。
高いブルーチーズやチェダーチーズ、アンチョビなどをたっぷり使っても、1枚せいぜい200円~300円程度。シンプルなトマトとバジルのピザなら100円台でできる。これからもっと食べるようになる子供達の食費を考えると、すぐにモトがとれそうな気がする。おやつにもぴったりだ。
グルメオーブンで焼いたピザを食べてしまうと、トースターやオーブンで焼いたピザでは物足りない。白物家電に関して目が肥えてきた家族からも「これは買うべき!」と太鼓判を押された。ピザ好きにはたまらない逸品だ。
35cmほど奥行きと幅があるのでコンパクトとは言えないが、立ててしまえる。ピザを食べる頻度が高く、保管場所を確保できる方に、ぜひおすすめしたい製品だ。