家電製品ミニレビュー

スムージーやハンバーグを手軽に作れるハンドブレンダー

パナソニック「ハンドブレンダー MX-S300」。ブレンダーアタッチメントを装着したところ

 今回は、パナソニックの調理器具「ハンドブレンダー MX-S300」(以下、MX-S300)を紹介しよう。コレ1台で「つぶす」「混ぜる」「刻む」「泡立てる」の4通りの調理をこなせるハンドブレンダーだ。

メーカー名パナソニック
製品名ハンドブレンダー MX-S300
購入場所Amazon.co.jp
購入価格7,854円

 MX-S300の特徴は、ブレンダーアタッチメントに、ストレートブレード2枚とサブブレード2枚を備える独自の「4枚刃ブレンダーカッター」が搭載されていること。サブブレードで食材をまんべんなく混ぜながら、ストレートブレードで細かく刻む。また、カッターを覆うフードには切り欠きがあり、食材の飛び散りを抑えるという。

 安全面では、誤って電源が入らないよう、電源スイッチにはスライドさせながら押す「2アクションスイッチ」機能を採用している。スイッチをスライドさせたり、押すだけでは電源は入らない。また、電源スイッチが動かなくなるチャイルドロック機能も付いている。子供がいる家庭でも安心だ。

曲がっている短い刃がサブブレード。このブレードで食材を混ぜつつ、ストレートブレードで細かく刻む
フードの切り欠きが食材の飛び散りを防ぐ
スライドさせながら押す「2アクションスイッチ」機能で、誤操作を防ぐ
チャイルドロックをONにすると、電源スイッチが動かなくなる
ブレードの回転速度は調整できる。丸印の大きい方(左)につまみを動かすと高速、逆に動かすと低速になる
同梱物一式。左奥からブレンダーアタッチメント、本体、泡立て器アタッチメント、チョッパーアタッチメント、専用カップ、ブラシ

4枚刃ブレンダーカッターで食材を効率よく撹拌

 さて、早速MX-S300を使ってみよう。今回は、すべて取扱説明書で紹介されているメニューを作った。

 まずは、MX-S300の特徴である、4枚刃ブレンダーカッターを活かせるメニュー作りから。なお、ブレンダーアタッチメントを装着した状態での定格時間は1分だ。

 今回は、「ブルーベリーヨーグルト」と「ほうれんそうごまあえペースト」の2つのメニューを作った。いずれも高速回転で調理する。

・ブルーベリーヨーグルト
 初めに作ったのはブルーベリーヨーグルト。ブルーベリーやはちみつなど必要な材料が少なく、MX-S300の使い方を覚えるのに、ちょうど良いと思ったからだ。

 作り方はとても簡単。専用カップにブルーベリー、ヨーグルト、はちみつ、牛乳を入れて、ブレンダーアタッチメントで様子を見ながら撹拌するだけだ。サブブレードが食材を混ぜてくれるので、30~40秒ほど間欠運転させただけで簡単に作れる。

必要な材料を専用カップに入れてブレンダーアタッチメントで撹拌する
材料を用意するところから数えて、約5分でブルーベリーヨーグルトが完成

・ほうれんそうごまあえペースト
 次は、ほうれんそうごまあえペーストに挑戦した。必要な材料はほうれん草、いり黒ごま、だし汁の3種類のみ。鍋でほうれん草をゆでて、ゆで汁をしっかり切り、そこにいり黒ごまとだし汁を入れてブレンダーアタッチメントで様子を見ながら撹拌する。

 使う材料が少ないから簡単にできるだろうと思っていたが、水分が大さじ4杯分のだし汁のみなので、撹拌するのに少し手こずった。撹拌することに夢中になり、定格時間の1分を超えそうで少し焦ったが、鍋を傾けて食材を1カ所に集めることで、スムーズに進められた。

ゆでたほうれん草やいり黒ごまなどの材料を鍋に入れて撹拌する
ほうれんそうごまあえペーストに、クリームチーズをのせたクラッカーを添えてみた

 以上、2つのメニューを作ってみたが、最初は、本体の電源スイッチをスライドさせながら押すのがうまくできなかった。だが、電源スイッチをスライドさせるとき、力を入れすぎないことに気づいてからは、スムーズに電源をONにできるようになった。

 ブルーベリーヨーグルトもほうれんそうごまあえペーストも、ブレンダーアタッチメントを普通に使うことができれば、あっと言う間に調理が終わる。フードの切り欠きのおかげか、どちらも撹拌中に食材が飛び散ることはなかった。専用カップや鍋に直接入れて撹拌できるのも、別に器を用意しなくて済むので、手入れの手間が省けてとても助かる。

あっと言う間に食材をみじん切り!

 続いて、チョッパーアタッチメントを使ってあらびきハンバーグを作った。チョッパーアタッチメントには、肉や野菜などの食材を最大200gまで、水分は50mlまで入れられる。定格時間は、ブレンダーアタッチメントと同じく1分だ。

・あらびきハンバーグ
 牛の塊肉や玉葱など、ハンバーグの種を作るために必要な材料を下処理後、チョッパーアタッチメントに入れて撹拌する。回転スピードは高速で、材料の混ざり具合を確認しながら間欠運転させる。あらびきハンバーグなので、牛肉を撹拌しすぎないように注意したい。種ができたら、成型して焼くだけだ。

 玉葱と食パンと牛の塊肉などを入れて撹拌したが、やはり玉葱のみじん切りで涙が出ないのが最大のメリット。これを包丁でやると、細かく切るほど涙が大量に出る。ついつい包丁を持った手で涙を拭ってしまう事もあり危険だ。

ハンバーグの種を作るために必要な材料をチョッパーアタッチメントに入れ、高速で間欠運転させる
ふっくらとジューシーに焼き上がったハンバーグができた

 チョッパーアタッチメントのメリットは、必要な食材をすべて投入して一気にみじん切りできること。玉葱や煮干しなどやわらかい食材だけなら、4~5回間欠運転させれば細かく刻める。実際に、自力で同じ事をやろうとすると、間違いなく3倍以上の時間がかかる。チョッパーアタッチメントの便利さを痛感した。

角のたったメレンゲも!

 最後は、泡立て器アタッチメントを使ってメレンゲ作りに挑戦した。定格時間は2分だ。

・メレンゲ
 ステンレス製のボウルに卵白を入れて、泡立て器アタッチメントで撹拌する。回転スピードは高速で、泡立て中に適量の砂糖を少しずつ加えながら、メレンゲが固くなるまで撹拌する。

 2分以内に固いメレンゲができるかどうか正直不安だったが、思い切って一気に混ぜてみたところ、約1分半で角のたったメレンゲが完成し、ホッとした。

 出来上がったメレンゲは、オーブンで焼いてクッキーにすることにした。天板にクッキングシートなどを敷いて、スプーンや絞り袋を使って小分けにする。あとは温度を110℃に設定し、45分~50分焼くだけだ。メレンゲは時間が経つとしぼんでしまうので、手早く小分けにしたい。

 固いメレンゲを作る際には、高速で撹拌するので材料が飛び散らないよう深めのボウルを使うことと、泡立て器アタッチメントとボウルの水分をよく切っておくことが重要だ。

深めのボウルで泡立てる
角がたつまでメレンゲを固くする
オーブンで焼いてメレンゲクッキーの完成

 今回は、電源を押したままの状態で1分半ほど調理し続けたため、ちょっと手が疲れた。もちろん、定格時間ギリギリまで一気にやる必要はなく、途中で何度か手を休ませながら泡立てても角のたったメレンゲができる。とにかく、ボウルとMX-S300をたまに動かすだけでいいので、自力で泡立てるよりも断然楽だ。

毎日の調理を時短できるキッチンツール

 気になる使用後のお手入れだが、ブレンダーアタッチメント、専用カップ、泡立て器、チョッパーボウルの4つは食器洗い乾燥機が使えるので手間を省ける。食洗機がない場合、本体と泡立て器アダプター以外のすべてのパーツは台所用洗剤をつけたスポンジで洗う。

 自分で洗う場合は、ブレンダーアタッチメントのカッター部やチョッパーカッターの刃に気をつけて欲しい。刃先が鋭く、スポンジだと怪我をする可能性があるので、付属のブラシなどでこすったほうが良い。

 また、ブラシでの手入れを最小限で済ませるために、水を入れた専用カップなどに台所用洗剤をたらし、ブレンダーアタッチメントを入れて様子を見ながら運転させると、大抵の汚れは落とせる。

 アタッチメントの数が多いので、収納に必要なスペースも気になるところ。我が家では、専用カップにブラシや泡立て器を入れたり、泡立て器アダプターを本体につけるなど、一工夫することでキッチン後ろの戸棚にしまえた。

 MX-S300のメリットは、自力でやるとものすごく手間がかかることを、自動で、かつ1~2分でこなしてくれることだ。毎日の調理にかける時間を短縮したいという人は、ぜひ試してみて欲しいキッチンツールだ。

中野 信二