家電製品ミニレビュー
ダイソン初の加湿器「Hygienic Mist」自宅で使ってみた!
by 阿部 夏子(2015/1/19 07:00)
今回紹介するのは、ダイソンが昨年11月に発売した超音波式加湿器「Dyson Hygienic Mist (ダイソン ハイジェニック ミスト) 加湿器 AM10」(以下、ハイジェニック ミスト)だ。ダイソン初の加湿器は、「エアーマルチプライアー」と同じ、羽を使わずに送風する技術を搭載しており、“らしさ”満点の一台。実際の使い勝手はどうだろう。自宅で使ってみた。
メーカー名 | ダイソン |
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製品名 | Dyson Hygienic Mist (ダイソン ハイジェニック ミスト) 加湿器 AM10 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 49,785円 |
水を99.9%除菌する加湿器
この製品の一番の特徴はなんといっても内部の除菌機構だ。加湿方式は、水を振動させてミスト状にする超音波方式を採用。だが、この方式は、水を加熱するスチーム式などと比べてバクテリアが発生しやすいという問題があった。そこで、同社ではUV-Cライトを内部に搭載。水にUV-Cライトを当てることで水に含まれるバクテリアを99.9%除菌するという。水を照射する時間は約3分間。そのため、ハイジェニック ミストでは電源を入れてから、実際にミストが出てくるまでに3分間かかる。
本体は、ミストを出す上部円形パーツと、タンク、ベースから成る。見た目は、ダイソンのエアーマルチプライアーより一回り大きいイメージ。水タンクは透明で、水の量は外から一目で確認できる。加湿器の水タンクがここまで露出しているのは、珍しい。最近だとカドーの加湿器の水タンクも透明で、露出しているが、共通しているのは、いずれも超音波式で、除菌機構を搭載しているということ。逆にいうと、除菌機構がないと、タンクを透明にするのは難しいと言えるかもしれない。
水タンクを外すときは、円形パーツを取り外してから、取っ手を持って取り外す。タンクの容量は3Lで、1時間あたりの加湿量は約300ml。これは、ダイソンの加湿器に限ったことではないが、水タンクを着脱の際、どうしても本体周囲に水をこぼしてしまう。その都度、拭かなければならないのは少々面倒だ。
本体の操作は、基本的に全て付属のリモコンで行なう。湿度を30~70%まで設定できるほか、自動で運転を制御するオートモードも備える。リモコンは、磁石が内蔵されており、本体上部に収納できる。このあたりの仕様はエアーマルチプライアーと同じだ。
静かで快適。見た目もGOOD
実際に自宅で使ってみた。前述した通り、運転をスタートしてから加湿がスタートするまで約3分間時間がかかる。慣れないうちは少しもどかしく感じるが、すぐに慣れる。
3分経つと、円形パーツから白いミストがふわふわと出てくる。運転音は静かで、テレビや会話の邪魔をするようなことはない。水タンクが下でどっしりとしていることもあって、本体は安定感があって、犬がぶつかったり、足があたったりしても倒れることはない。特徴的なデザインではあるが、透明な水タンクが清潔感を演出しているようで、すっきりとクリーンなイメージだ。
加湿能力についてはちょっと物足りない感じも。適用床面積は木造5畳、洋室で8畳程度と小さめ。でもこの価格で、このデザインだったらリビングで使いたいよなーと思い、約18畳程度のLDKで使ってみた。
適用床面積オーバーのスペースで使ったので、当然と言えば当然かもしれないが、1日オート運転で連続運転したが、湿度は28%程度にしかならなかった。ただ、この日は加湿する前の湿度計の表示が「LL」つまり、湿度が低すぎて表示不可の状態だったので、その点は留意する必要があるかもしれない。雨が1日降っていた日は、加湿器をつける前の湿度22%、つけてから4時間後には36%になっていた。
一方、8畳程度の寝室で使ったところ、湿度は38%前後をキープ。それでもスチーム加湿器などと比べると、加湿量は少なめ。オート運転でつけっぱなしにしていても、窓が結露したりしたことは一度もないので、加湿しすぎないように、プログラムされているのかもしれない。
ちなみに、リビングで水タンクを一杯にしてオート運転にしていた場合、約12時間ほど連続運転できた。休日など、朝スイッチをオンにすると、夜まで持つ。給水の手間が少なく、夜間なども連続して使えるのは嬉しい。なお、スペック上では最大18時間の連続運転が可能となっている。15分から9時間まで設定できるスリープタイマーも搭載されているので、就寝中なども便利に使える。
風が直接あたると寒さを感じる
使っていて気になったのは、風が冷たく感じること。本体正面に座ったりすると、3mほど距離があっても、風が身体にあたって寒い。扇風機のようなパワフルな風ではないものの、風を起こしているのは確か。風量は1~10まで調節できるが、1にしても直接風が当たる場所に置くと寒く感じた。
風が身体にあたらないないように、本体の置き場所を工夫する必要がある。我が家の場合、最初は本体を床に直接置いていたが、寒さを感じたのでテーブルの上に置くようにした。すると足下に風がくることなく、快適に過ごすことができた。スペースがあるのなら、少し高めの場所に置くのがいいかもしれない。
なお、ハイジェニック ミストは加湿なしの送風運転にも対応している。夏場は扇風機としても使えるというわけだ。しかし、首振り運転は搭載していないので、扇風機としての機能は頼りない。
お手入れは必要です!
加湿器を使う上で必ず行なわなければならないのが、メンテナンス。独自の除菌機構を搭載しているハイジェニック ミストとて、例外ではない。週に1回はタンクの水を空にして、表面全体を拭き、円形パーツも拭き掃除する。またベース部分のトレイの水も一度捨てて、外側を拭き掃除する。その際、糸くずが出ないマイクロファイバー布巾を使うように推奨されている。
月に一度はもっと大がかりな手入れも必要になる。クエン酸30gを水道水1Lに溶かしたクエン酸溶液を使って、円形パーツの枠を外した拭き掃除を行なうほか、水タンク、水タンクの部品、トレイをそれぞれクエン酸溶液に約15分ほどつけ置きするのだ。水を扱う製品だけに、お手入れが必須なのは当然だが、水タンクの部品が取り外しにくかったのが気になった。つまみや固定タブを使ってタンクから取り外すのだが、いずれも固く、かなり力を入れないと取れなかった。
日本メーカーの加湿器も当然、手入れは必須だが、部品などは簡単に取り外せるようになっている。この辺りは今後、改善してほしいところだ。
逆に便利だったのは、フィルター掃除がないということ。気化式やハイブリッド式加湿器の場合、加湿フィルターの手入れが必ず必要となるが、ハイジェニック ミストではフィルターがない。常に濡れている状態のフィルターがないというのは、衛生的に考えても良い。
寝室で使う加湿器としてもオススメ
独自の機構や奇抜な見た目とは違い、運転音も静かでしっかり使える加湿器だなという印象。小さいお子さんなどがいらして、室内の空気環境に気を使っているという人はもちろん、加湿しすぎることがないので、就寝中に使う加湿器としてもオススメだ。