家電製品ミニレビュー

±0「Stand Fan」

~機能や使い勝手をしっかり備えるデザイン系扇風機
by 阿部 夏子
±0「Stand Fan」

 節電対策の一環として、扇風機に注目が集まっている。家電量販店にいくと、例年以上に豊富なラインナップが揃い、どれを選んでいいかわからないと言う人も多いだろう。そんな中から今回紹介するのは、いわゆる「デザイン系」の製品。±0(プラスイマイナスゼロ)の「Stand Fan」だ。

 扇風機は出しっぱなしにして使うということもあって、少し前からデザイン面での訴求も高まっている。たとえば、ダイソンのエアーマルチプライアーや、バルミューダのGreen Fanなど。いずれも2万円を超す高級機種で、デザインだけでなく「風の質」にもこだわっているのが特徴だ。

 ±0の「Stand Fan」はそう言った製品と比べると、ぐっとベーシックな印象。価格も7,980円と、国内の家電メーカーと変わらない設定だ。


メーカー±0
製品名Stand Fan
希望小売価格7,980円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格7,980円


 本体形状は、扇風機と言われると誰もが思い浮かべるごく一般的なもの。それだけに、組み立てや操作で迷うようなことは全くない。部品を見て、おそらくこうやって使うんだろうな――という想像がそのまま当てはまるようなイメージだ。写真を撮りながらでも、約5分ほどあれば組み立てられる。
製品パッケージ組み立て前の状態本体ベース部分のナットなどを取り外して、スタンドに固定していく
組み立てた状態羽根を取り付ける前のモーター部分組み立て後の製品本体
本体側面本体背面羽根部分
 ±0というと、プロダクトデザイナーの深澤直人氏が率いるブランドだが、ラインナップのほとんどの製品がシンプルでベーシックなもの。加湿器など一部に例外はあるものの、製品のもともとの機能や形を忠実に表現している。Stand Fanも、例外ではない。首振り機能や風量調節昨日、高さや角度を変えられるなど、扇風機の基本ともいえる機能は全て搭載しており、デザイナーズブランドとしては意外とも思えるほど、良い意味で「普通」だ。

 その一方、普通の扇風機にはないデザイン性の高さもしっかり感じられる。たとえば、本体には角ばったところがないということ。台座とポール部分のつなぎ目も滑らかで、操作ボタンも全てが曲線で構成されている。

 また、ちょっとわかりにくいが、ポールがスタンドの中央部分に備えられている。実はこれ、普通のように思えて普通ではないのだ。扇風機はモーター部分が本体上部に備えられているが、バランスをとるため、ほとんどの扇風機ではポールがスタンドの後方部分に備えられていることが多い。それがStand Fanでは、ちょうど中央部分にある。

 ぱっと見た時の印象は、それほど特別な感じはしないのだが、部屋に置いてみると、収まりが良いというか、独特の柔らかさが感じられるデザインになっている。

 また、本体のカラーも気に入っている。まるでカフェオレのような薄いベージュで、部屋のインテリアととても馴染みやすい。
本体カラーは白っぽいベージュで、部屋に馴染みやすい本体ベース部分。つなぎ目がなく滑らかな曲線で構成されているブランドロゴは控えめに配置されている
風量を強にして部屋干しの衣類を乾かすのに利用している

 本体の機能は、前述した通りかなり充実している。左右約70度の首振り機能に、2/4/6時間のタイマー機能、1/2/4時間のSLEEPタイマー、さらに5段階の風量調節機能まで備える。SLEEPタイマーとは、設定された風量とタイマー時間によって自動的に風量が変化し、時間がくると自動で運転が停止するというもの。風が徐々に弱くなっていくので、体が冷えすぎることなく、眠ることができる。

 これらの機能は、いずれも付属のリモコンで操作できる。ベッドの中からとか、テレビを見ながら操作できるのはやはり便利だ。風量は、微風から強まで5段階。風の強さに変化を付ける「リズム風」も搭載している。風量最大に設定すると、かなり風が強いので、部屋干しの洗濯物を乾かす時などに重宝している。

本体を一番低くした状態。高さは720mm。高さは伸縮パイプ裏の高さ調節ボタンを押して簡単に変えられる一番高くした状態。高さは905mm風向きを調整する上下の角度は上向き約24度、下向き約9℃まで調節できる
本体操作部分操作すると、ランプが赤く点灯する付属のリモコン

 デザイン家電というと、デザイン第一、操作や機能は二の次という製品も少なくないが、Stand Fanに限ってはそんなことは全くない。いわゆるインポートやデザイナーズの家電製品が好きという人にはちょっと物足りないかも――と思えるほど、良くできた「普通」の製品だ。SLEEPタイマーや、ごく弱い風を送る「微風」や「リズム風」など、最近の扇風機のトレンドもしっかり抑えているのは頼もしい。家電メーカーの製品から買い換えても違和感なく使うことができる。

 今回紹介したベージュのほかに、ホワイトやブラウンなどの本体カラー、サイズの異なるテーブルファンやコンパクトファンなどもあるので、部屋の雰囲気やサイズに合わせて選んでみてはいかがだろう。





2011年6月8日 00:00