家電製品ミニレビュー
三洋「加湿セラミックファンヒーター RSF-VW13D」
■加湿も暖房もおまかせ
三洋電機の加湿セラミックファンヒーター「RSF-VW13D」 |
例年になく厳しい気候となった今年の冬。昨年までなら、ホットカーペットや床暖房、エアコンなど単一の暖房器具で乗り切ることもできたが、今年はそうはいかず、複数の暖房器具を組み合わせて使っている人も多いのではないだろうか?
そんな併用派にぜひおすすめしたいのが、今回紹介する三洋電機の「加湿セラミックファンヒーター RSF-VW13D」だ。
メーカー | 三洋 |
製品名 | 加湿セラミックファンヒーター RSF-VW13D |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 22,050円 |
ホットカーペットや床暖房の補助として手軽に使えるセラミックファンヒーターながら、同社独自のウイルスウォッシャー機能を備えた加湿機能も搭載しており、きれいな空気や水で加湿できるようになっている。肌のカサつき、カゼやインフルエンザ、さらにこれから本格化する花粉などが気になる季節に、まさにうってつけの製品だ。
価格も実売で14,000円前後となっているので、メインの暖房器具としてはもちろんのこと、今の環境にプラスする暖房、加湿機としても手軽だ。その実力をチェックしてみよう。
正面 | 側面 | 背面 |
■さわやかな空気で暖まる
三洋のRSF-VW13Dの特長は、暖房も、加湿も、どちらも本格的な機能を1台で備えている点にある。
加湿セラミックファンヒーターと言っても、一昔前の製品にはオマケ程度の加湿機能しか搭載されていないこともあったが、本製品の加湿能力は520mL/hと、木造8.5畳/プレハブ14畳クラスの加湿性能を備えており、温風+加湿だけでなく、加湿のみでも十分に使える性能を備えている。
以下のグラフは、6畳の部屋(プレハブ)でRSF-VW13Dを稼働させたときの温度と湿度の変化だ。暖房も結構パワフルで、標準の「エコ自動」モードで稼働させても、10分ほどで部屋が暖まり始め、1時間も稼働させれば十分すぎるほどの温度と湿度になる。本製品とホットカーペットを組み合わせれば、厳しい寒さも十分にしのげるだろう。
時間経過 | 7:23 AM | 7:38 AM | 7:47 AM | 8:02 AM | 8:14 AM | 8:34 AM |
温度(℃) | 15.2 | 16.2 | 17.3 | 18.5 | 19.2 | 20.3 |
湿度(%) | 38 | 40 | 48 | 48 | 49 | 48 |
加湿された空気は本体上部の上向きの排気口から吹き出すようになっており、前面下の温風とは別に出るようになっている。これによって、暖かい空気は足下に、うるおった空気は顔近辺の上の方へと広がるようになっており、効率よく部屋を加湿、温めることができる。
加湿した空気は上部から | 温風は下から出る |
実際、使ってみると、暖まり方が非常に心地良い。セラミックヒーターに限らず、温風を吹き出すタイプの暖房器具の場合、暖かい空気が直接肌に触れるとあまり好ましくない感覚を受けたり、暖かい空気が顔近辺にたまることで「ぼー」っとしてくることがあるが、RSF-VW13Dの場合、そういった感覚がほとんどない。
長時間稼働させていても、部屋全体がほんのり暖かく包まれる感覚で、しっかりとうるおった空気の恩恵か、顔近辺に漂う空気もとてもさわやかな印象だ。
本製品には、三洋ならではのウイルスウォッシャー機能が搭載されており、電解水を含んだフィルターで吸い込んだ空気を除菌したり、加湿空気自体を除菌するっことができるようになっているが、独特の「さわやか」な空気の感じには、この点も影響しているのかもしれない。
実際、稼働中も加湿器独特の湿っぽいニオイがまったくしない。もちろん、製品が新しいからという理由もあるが、長期間使うと加湿器はどうしてもニオイが気になるようになるので、この点をウイルスウォッシャー機能で押さえられるメリットは大きい。
パワーウォッシュモードを使うと一時的に電解水の生成スピードを上げて吸い込んだ空気を除菌できる |
また、ウイルスウォッシャー機能を活かし、一定時間、電解水の生成スピードを上げて、吸い込んだ空気を除菌しながら運転する「パワーウォッシュモード」も用意されている。食事後の部屋のニオイなどが気になる場合などにも活用できそうだ。
■地味だが効果は絶大な4Lタンク
4Lの大容量タンク。連続で7.7時間の加湿に対応。一般的な使い方なら2日は保つ |
使っていて便利だったのが、タンクの容量が4Lと大きいことだ。
加湿専用機であれば4Lタンクというのも珍しくないが、暖房機にプラスされた加湿機能の場合、2L前後とタンク容量が小さい場合がある。この場合、水の追加が頻繁に発生し、1日のうちに数回水を足さなければならないこともある。
しかし、4Lあると、1日は余裕で、使い方によっては2~3日は水を追加しなくても使える場合がある。実際、筆者は6畳の仕事部屋で1日あたり、のべ4時間ほど稼働させながら使っているが、2日に1度ほど水を足すだけで済んでいる。
水の追加が面倒で、ついつい暖房のみで稼働させて、肌がカサカサになってしまうようなことも、本製品ならほとんどないだろう。
なお、前述したように加湿のみでの運転も可能になっているが、この場合、ヒーターを使わずに加湿することができるため、電力の使用量を抑えることができる。
本製品はパワフルな半面、消費電力が若干高いようで、エコ自動(暖房)+おまかせ(加湿)で消費電力は1,200W強(動作開始直後は1,500Wを一時的に越えることもある)。暖房を弱にすることで700W前後に抑えることができるが、加湿のみの場合は最小40W前後まで電力が抑えられる。
暖房に関しては弱でも十分パワフルな印象があるので、モードを切替えながら、うまく使うと、より効率的に使えそうだ。
■お手入れも手間いらずで長く使える
お手入れに関しては、内部の加湿フィルターは1日8時間利用で18カ月(3シーズン)使える仕様になっており、さほどお手入れの手間はかからない。シーズンオフなどには、しまう前にフィルター乾燥運転をしておくことでカビの発生なども防止できるようになっている。
内部の加湿フィルターは18カ月の利用が可能 | 日常的なお手入れは背面の2週間に1度フィルターをきれいにする程度 |
日常的なお手入れとしては、背面のエアフィルターがあるが、これも2週間に1回程度ほこりを取れば済むくらいだ。そもそも、ウイルスウォッシャー機能によって、加湿フィルターや水のニオイなどを押さえられるので、手間なく、長期間使う事ができそうだ。
狭い部屋であれば十分にメインの暖房器具としても使えるが、本格的な加湿機能もあるので、他の暖房と組み合わせて利用するのに最適だ。この冬を乗り切る1台としておすすめできる製品だ。
2011年1月25日 00:00