家電製品ミニレビュー

家族全員スマホ持ちならiPhone対応の体重体組成計「カラダスキャン」がオススメ

オムロン「HBF-253W カラダスキャン」

 よほど真剣にダイエットに取り組んでいるのでもなければ、体重や体脂肪率を日々チェックして記録するのは面倒でやらないだろう。今回は、測定値をWi-Fi経由でサーバーに転送し、スマホで確認できる体重体組成計、オムロン「HBF-253W カラダスキャン」を試してみることにした。

メーカー名オムロンヘルスケア
製品名HBF-253W カラダスキャン
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格20,600円

 従来機種「HBF-252F」では、おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォンや携帯電話などをかざすだけで、体重などのデータが転送され、アプリで管理できた。この新製品「HBF-253W」ではWi-Fiによるデータ転送機能を採用することで、おサイフケータイ機能のないスマートフォンやパソコンでも利用できるようになった。スマホアプリ「からだグラフ」はiPhoneにも対応。また、本体に直接スマートフォンをタッチさせる必要もなく、離れた場所からも確認が可能だ。

利用の前提はWi-Fiとスマホがあること

手前側面には、データの手動送信、操作を元に戻すときに使う「WPS・更新」ボタンと、電源オフボタンが備わる。電源オンや選択は、本体上面のタッチボタンを使用する

 「HBF-253W」の使用は、Wi-Fi環境のあることが前提。Wi-Fiの通信設定、ユーザー設定は、スマートフォンかパソコンから行なう。測定したデータは、Wi-Fiを経由してデータベースサーバーに記録され、スマホやパソコンからもWi-Fiを通じて同期する。

 個人データの登録は最大4人分。家族それぞれのスマホでのみデータの履歴を参照できるので、家族といえども体重などの個人情報は守られる。ユーザーはイニシャル(アルファベット3文字)で表示され、自動認識機能によって乗るだけで認識する。ただし、体型や体重が似ている人がいる場合は、誤認識も起こりうる。違うユーザー名が表示される場合は、本体上部のタッチボタンでユーザーを手動で選択して測定し直す。実際は足で操作するだろうから、手動ではなく足動による選択か……。

 スマホを持っておらず、個人データが登録できない人も、ゲスト機能によって測定は可能だ。ただし、その都度、生年月日や性別、身長を入力する必要があり、測定結果も保存されない。まさにゲスト用で、家族の一員が毎日使うには向かない。

 「体脂肪率などのデータはどうでも良く、体重だけを知りたいんだ!」という場合(小学生などの子どもは、まさにそうだと思うが)は、本体で「体重(ハカリのアイコン)」を選択すれば、体重のみ測定することができる(記録はされない)。このあたりは、昔ながらのシンプルな体重計に比べると面倒なところで、スマホを持っていない子どもや高齢者にはあまり歓迎はされないだろう。両親などへのプレゼントとしては考慮する必要がある。

設定は専用アプリ「からだグラフ」をダウンロードするところから始める。スタートアップガイドには、アプリダウンロードのQRコードも印刷されている
画面の指示に従い、付属の専用ケーブルでスマホのイヤホンジャックと本体裏、電池カバー内の端子を接続すると、機器登録が完了する
アプリを起動、ログインもしくは会員登録を行なう。会員登録は、パソコンサイト「ウェルネスリンク」(http://www.wellnesslink.jp/)からでも可能
ログイン後、機器(HBF-253W)の登録を行なう。地域の選択、自分のユーザー名(3文字のイニシャル)を入力。Wi-Fiの設定も、アプリから行なう。ルーターがWPS機能に対応している場合は、WPSボタンでも設定が可能

測定内容は7種類。体重は50g単位まではかれる

 計測結果として表示されるのは、「体重」「体脂肪率」「内臓脂肪レベル」「骨格筋率」「体年齢」「基礎代謝」「BMI」の7種類。本体のディスプレイが、2秒ごとに切り替わる。

 この手の指標にはまったく無頓着だったので、(似たような読者の方へ向けて)簡単に用語と「HBF-253W」での表示について解説しておこう。

・体重
3~100kgまでは50g単位、100~135kgまでは100g単位で計測可能。

・体脂肪率
体重における脂肪の割合。体重60kgで体脂肪率20%なら、12kgの脂肪が身体に付いていることになる。パーセント表示の他、レベルを12段階で判定。

・内臓脂肪レベル
体脂肪のうち、内蔵まわりに付いている脂肪のレベルをオムロン独自の推定式によって算出。内臓脂肪は、糖尿病などの生活習慣病との関係が深い。

「体重」。夏バテぎみなのか、普段よりも3kgほど落ちている
「体脂肪率」。男性は10〜19.9%の範囲なら「標準」とされる。ギリギリ標準だ
「内臓脂肪レベル」。1〜30の範囲で表示。1〜9が「標準」、10〜14が「やや高い」、15〜30が「高い」

・骨格筋率
身体を動かすための筋肉「骨格筋」が体重のうちに占める割合。運動などによって骨格筋を増やすことで、太りにくい体質となる。

・体年齢
基礎代謝をもとにした身体の年齢(オムロン独自の指標)。対象年齢は18歳以上。18~80歳の範囲で表示される。

・基礎代謝
じっとしているときでも消費するエネルギー量。基礎代謝は10代後半をピークに減少。この数値が高いほど、太りにくい体質と言える。386~39,999kcalの範囲で計測。

・BMI
肥満度を判定する国際的な基準。体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められる。身長170cmで体重60kgなら、60÷1.7÷1.7=約20.7となる。数値が高いほど肥満とされ、理想的な数値は22とされている。

「骨格筋率」。男性の場合の標準は32.9〜35.7%。日ごろ運動はしないのだが「やや高い」レベルだった
「体年齢」。実年齢よりも10歳以上若く表示され有頂天
「基礎代謝」。筋肉は体を動かしていないときもエネルギーを消費している。筋肉が増えれば、基礎代謝も上がる
「BMI」は、普通レベルだった。理想が22らしいので、もう少し筋肉を付けて体重を増やしてもいいようだ

アプリへのデータ転送は自動

 測定後、何も操作しなければ30秒経つと自動的に電源が切れるが、その前にデータがWi-Fi経由でサーバーに転送される。スマホ側の電源がオフになっていたり、アプリを起動していなくても問題ない。基本的にデータはサーバーにあるため、スマホを機種変更してもデータは引き継げる。まだ使用から10日ほどしか経っていないが、データの取りこぼしなどは見られない。

 ただし、「HBF-253W」で測定・表示されるすべてのデータが転送されるわけではない。確認できるのは、体重、体脂肪率、骨格筋率の3種類。個人的には基礎代謝や内臓脂肪レベル、体年齢もグラフ化されるとおもしろいと思うのだが、あまり情報量が多くてもダイエットなどの指針がぶれてしまうのかもしれない。アプリではそれ以外に、オムロンの血圧計や歩数計、活動量計などのデータをグラフとして表示させることも可能だ。

体重の推移をグラフ表示。ここ10日間で体重は減少傾向、かつ体脂肪率は上昇、骨格筋率が減少していることがわかった
測定記録は、1日数回測定した場合でもすべて残される。その日の測定記録には50文字までのメモが書ける
試しに、5kgの米袋を持って測定。体重との差で、ジャスト5.00kgの結果が出た。直接乗せにくい物の重量を調べるのに便利な機能だ

 おもしろ機能として、「体重引き算機能」がある。これは、赤ちゃんやペットなどを抱いて測定し、自分自身の体重との差を表示してくれる機能だ。測定の順序は、自身の体重をはかってから赤ちゃんなどを抱いてはかっても、その逆でも構わない。

 乗るだけの高速測定(約4秒)、自動でデータが同期されるなど、最初の設定さえ済ませてしまえば、日々の記録がおまかせにできるのが最大のメリット。今は肥満が気にならなくても、今からデータを残しておけば将来の参考になるはず。家族全員がスマホ持ちの家庭には特にオススメできる。

小口 覺

Amazonで購入