家電製品ミニレビュー

東芝ライテック「E-CORE LEDH81126PW-LD」

~プルスイッチで操作できるLEDシーリングライト

有ると便利なプルスイッチ

東芝ライテック「E-CORE LEDH81126PW-LD」

 あなたは夜、自分の部屋に入って、どうやって灯りを点けますか?

 多分、一番多いのは部屋の壁にあるスイッチ(壁スイッチ)、次が照明器具から下がっているひも状のプルスイッチ、その次がリモコンではないかと思う。

 私の部屋の照明器具は、平べったく天井にくっついているシーリングライトなので、壁スイッチを使って灯りを点けている。ベッドに入って寝る前に灯りを落とすとき以外は、ほとんどリモコンは使わない。

 シーリングライトにする以前は、天井からコードで下がっている和風コードペンダントで、それから下がっているプルスイッチを使っていた。壁面のスイッチは入れっぱなしで、ほとんど操作したことはなかった。

 プルスイッチは、部屋の中央にヒモがぶら下がっているので、見栄えは良くないのだが、とても便利だ。点灯も消灯も、ぶら下がっているヒモを引っ張るだけで用が足りてしまう。いちいち壁までスイッチを押しに行ったり、リモコンを探したりする手間がいらない。

 しかし、最近の照明器具の主流であるシーリングライトでは、プルスイッチを装備している機種は少ない。たぶん、デザイン的に収まりが悪いからだろう。

 それでも、蛍光灯を使うシーリングライトでは、プルスイッチを備えた製品が2~3機種あったが、LEDシーリングライトではプルスイッチを備えた製品がこれまでなかったのだ。ようやく、今年5月になって登場したのが、東芝ライテックの「E-CORE LEDH81126PW-LD」という製品だ。

メーカー名東芝ライテック
製品名E-CORE LEDH81126PW-LD
希望小売価格24,150円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格13,280円

8畳間用で、限定付調光あり、調色なし

 プルスイッチが付いていることを除けば「LEDH81126PW」は、ごく普通のLEDシーリングライトだ。

 ざっと仕様を記しておこう。本体サイズは485×127mm(直径×高さ)、重量は2.2kg。

 消費電力は41W、器具光束は3,800lmで最大8畳間用だ。照明の明るさを変える調光機能はあるが、全光か70%調光の2段階に限られている。照明の光色を変える調色機能はなく、光色は昼白色のみで、色温度は5,000K。

 調色機能がないLEDシーリングライトは、エネルギー消費効率が高い。本機でも92.7ml/Wに達する。調色機能付きの製品だと60~70ml/W台のことが多いので、調色機能がない代わりに効率が良いことになる。

 なお、プルスイッチが特徴の本機だが、リモコンも付属している。リモコンはボタンが1つしかないシンプルなものだ。操作方法については、あとで説明しよう。

 設置できる要件は、部屋の壁スイッチがあり、天井に引っ掛けシーリングや埋め込みローゼットなどの配線器具が用意されていることだ。

本体が軽いので取り付けが簡単

 本体は軽いが、箱は大きめで、手持ちでぎりぎりぐらいだろう。

箱は大きめだ
本体の周囲をダンボールが囲んでいる
本体を取り出した状態。セードの直径は約50cm
左上にリモコン、右上に引っ掛けシーリングボディが見える。天井に引掛シーリングなどがある場合は、シーリングボディは使用しない
セードを外した状態。半円形の基板にLEDが配置されている
本体を取り外した状態。左上にあるのはシーリングに付けるアダプタ

 取り付けは、普通のLEDシーリングライトと、だいたい同じで、ごく簡単にできる。

取り付け方法は本体にも書かれている。ここだけ見れば、ひと通りはわかる
型番と簡単な仕様がシールで貼られている

 まず、プルスイッチを支えるアームがきちんと本体に固定されていることを確認しておこう。ちょうどクリップのようにたわめて、本体の溝にはめれば良い。普通のLEDシーリングライトと異なるのは、ここだけだ。

プルスイッチの引きヒモは邪魔にならないように、真ん中に置いてあった
プルスイッチの状態。本体の中央部からヒモが出て、三角形のアームを通ってからぶら下がる
引きヒモを支えるアームが動かないように固定する
ヒモの途中にはねじれにくいようにヨリモドシが付いている

 次に、天井の引掛シーリングに付属しているアダプタをはめて固定する。そして、シーリングライト本体を、アダプタに合わせて、天井に向けて持ち上げる。カチッカチッと2回音がすれば、固定された証拠だ。

 とくに本機は、本体が2kgちょっとと軽いので、天井に向けて持ち上げるのが楽だった。踏み台があれば、女性でも問題なく設置できるだろう。

部屋の天井に用意されていた引掛シーリング
まず、アダプタをシーリングに固定する
本体の中央部をアダプタに合わせ、カチッと音がするまで持ち上げる
アダプタから生えている電源コードを、本体のコネクタにはめる
これで本体の固定と電気的な接続ができた

 次に、アダプタから生えている、短い電源コードを、シーリングライト本体のコネクタに差し込む。これで電気的な接続もできた。切っておいた壁スイッチを入れ、プルスイッチを引っ張るとLEDが点灯する。

壁スイッチをONにしてプルスイッチを引き、LEDが点灯することを確認する
LEDは4重の輪の形で配置されている
2枚に分かれているLED基板の配線の様子
プルスイッチを1回引いて、70%の明るさに調光した状態
プルスイッチを、もう1回引くと、常夜灯が点灯する。これももちろんLEDだ
セードをはめて完成

 点灯が確認できたら、セードをはめて、取付は終了だ。セードは乳白色で、角にシルバーのラインが巻かれている。

プルスイッチでもリモコンでも同じ操作

 設置した状態で改めて見ると、部屋の中央にプルスイッチがぶら下がっており、いつも視界に入る。

 プルスイッチのヒモは約80cmほどあるので、天井からだと約90cmぐらいのところに、プルスイッチの端を示す丸い球が下がっている。普通の部屋だと目の位置か、ちょっと上ぐらいにプルスイッチがあるので、やはりちょっと気になる。慣れるのに2~3日かかった。

プルスイッチのヒモの端にはボールがついている。天井から約90cmぐらいの位置
プルスイッチのヒモはかなり長く、天井からぶら下がる
後ろのドアと比べると、紐の位置が分かる
プルスイッチは、アームで本体からちょっと飛び出しているので引っ掛かることはない

 では、このプルスイッチを使った操作についてに説明しよう。

 まず、壁スイッチをONにしておく。これで、プルスイッチを引くと、全光で点灯する。そこからプルスイッチを引くたびに、全光→70%調光→常夜灯→消灯→全光という順番で変わっていく。プルスイッチの動作音は、「ガチャ」という感じで、やや大きい音がする。

カメラの露出を変えて撮影してみた。全光状態
70%調光の状態
常夜灯点灯時

 この操作はプルスイッチだけでなく、リモコンでも同じだ。リモコンにはボタンが1つしかないので、プルスイッチを引っ張る動作の代わりに、ボタンを押すと、全光→70%調光→常夜灯→消灯→全光と変わっていく。

付属のリモコンは、ボタンが1つだけのシンプルなタイプだ。ボタンを押すと、プルスイッチと同じ動きをする
プルスイッチやリモコンの動作。全光→70%調光→常夜灯→消灯の順で推移する
リモコンはボタンが1つだけなので操作に迷わない

 設置したのは約7畳の洋間だったが、全光状態では、ちょっと明るすぎるほどだ。普段は、約70%調光の状態にしている。

 なお、壁スイッチでもプルスイッチやリモコンのような操作ができる。壁スイッチを1秒以内にカチッカチッと2回ON/OFFすると、全光→70%調光→常夜灯→消灯→全光の順に切り替えることができる。この機能は、東芝のLEDシーリングライトの特徴だ。

 むしろ壁スイッチが便利なのは、消灯時の明るさを覚えていることだ。部屋を出るときに、壁スイッチで消灯すると、消されたときの明るさを覚えていて、次に壁スイッチで点灯すると、消灯したときの状態で点灯する。つまり70%調光にしていた状態で、壁スイッチでOFFにすると、次に壁スイッチでONにしたときに70%調光の状態になっている。ちょっと、部屋を空けるときには便利な機能だ。

あると便利なプルスイッチ

 1週間ほど使っているが、プルスイッチがあると、リモコンを使わなくなる。

 寝る前に消灯するときも、ベッドから半身を起こして手を伸ばすと、プルスイッチに届くので、ヒモをひっぱって消灯するようになった。リモコンはベッドサイドに置かれたままだ。

 プルスイッチが良いのは、操作が直感的なことだ。とりあえず、このヒモをひっぱれば良いというのは、迷いが無くて良い。

 とくに、丸型蛍光灯を使った和風コードペンダントで、プルスイッチに慣れているお年寄りには、慣れた操作ができるというは大事だろう。

 また、光源が長寿命のLEDで、蛍光灯を交換する必要がないのもお年寄り向きだと思う。取扱説明書によれば、本機の交換の目安は約8年~10年とされている。保証期間も5年と長いので、とりあえず5年間は安心して使える。

 また、本機が明るすぎる場合には、6畳間用の「LEDH80126PW-LD」(希望小売価格:20,475円)という、3,200lmの機種も用意されているので、こちらを選ぶと良いだろう。明るさ以外の特徴はほとんど変わらない。

 節電も考えてLED照明にしてみたいけれど、操作方法が変わるのは面倒だという場合に、とてもおすすめしたい製品だ。

伊達 浩二