家電製品ミニレビュー

無印良品「LED磁器シェードペンダントライト・大」

~LED内蔵の磁器ペンダントライトは柔らかな光を放つ
by 藤原 大蔵
無印良品「LED磁器シェードペンダントライト・大」2.3WのハイパワーLED が2灯内蔵されたペンダントライトだ

 天井から長めのコードやワイヤーで吊り下げる照明器具といえば、ペンダントライトだ。食卓の上やリビングルームの明かりとしてポピュラーな照明器具だが、「照らす」という機能以外に「高いデザイン性」も同時に求められる。なぜなら、器具の性質上とても目に触れやすく、インテリアの雰囲気を大きく左右する照明器具だからだ。

 今回紹介する無印良品の「LED磁気シェードペンダントライト」は、高いデザイン性とLEDならではのコンパクトさを兼ね備えたペンダントライトだ。

 本製品の特徴は、一般的なLED電球がシェードに取り付けられているのではなく、「専用のLEDユニット」がシェードの奥深くにコンパクトに内蔵されている点だ。そのため、器具を顔の高さ近くに設置しても不快な眩しさが無く、器具自体の美しさと、LEDのコンパクトで長寿命という特徴が1つになっている。実際にいくつかのシーンで使用した様子を交えて、レポートしよう。



メーカー無印良品
製品名LED磁器シェードペンダントライト・大
ハイパワーLED 2.3W×2
販売価格7,900円
購入場所無印良品ネットストア
購入価格7,900円


LED内蔵のコンパクトなシェード。天井に引っ掛けシーリングがあれば取り付けは簡単

 天井に取り付ける前に、本製品の基本的な仕様を見てみよう。磁器製のシェードの大きさは176×160mm(直径×高さ)で、内側に35×27mm(同)のLEDユニットが固定されている。LEDユニットはかなりコンパクトで、ユニットの高さだけで言えば、ミニクリプトン電球(電球部の高さは45mm程度)よりも背の低い

 シェードの反対側には、天井の配線器具としてポピュラーな「引っ掛けシーリング」に取り付けるための「引っ掛けシーリングキャップ」が付いており、そこにLEDの電源部となる「基板ケース」が合体している。容積を取る電源部をシェードから切り離したことで、LEDユニットを小型にしたのだ。全体の重さは775gだ。

 コードの長さは約600mm。コードには、長さを調節する中間コードハンガーが付属し、取り付ける場所に応じて、調整できる。コードの長さを調整しなければ、器具全体の高さは約840mmになる。

箱から出したところ。磁器製のペンダントライトに、コード、配線器具、カバーが一つにまとまっている。写真左下の中間コードハンガーのみ取り外せるペンダントライトの内側を見たところ。LEDユニットが器具の内側に固定されている。LEDチップはプラスチックカバー内に2灯取り付けてある点灯した様子。LEDの光はカバーを通して器具全体に行き渡る

 取り付けはとても簡単だ。基板ケースのついた引っ掛けシーリングキャップを、天井の配線器具「引っ掛けシーリング」に差し込んで回せば固定される。次に、コードに初めから取り付けてある「シーリングカバー」を押し上げて、キャップ全体を覆えば取り付け終了。あとは細かいコードの長さ調整のみ。一瞬で終わってしまう作業だ。

天井にある引っ掛けシーリングに取り付ける、「引っ掛けシーリングキャップ」が付いている。キャップにはLEDの電源部である「基板ケース」がついており、LEDユニットと電源部が分離している取り付ける場所に応じてコードの長さを調節する。中間コードハンガーを使い、コードの長さを調整した様子。ハンガーの孔にコードを通すタイプだ
「シーリングカバー」を押し上げて基板ケースと引っ掛けシーリングキャップを覆えば、見た目もスッキリだ取り付けが終了した様子。コードの長さは約600mm。長さを調節しない場合、全体で840mmの高さになる

やさしいあかりを生み出すペンダントライトは、不快な眩しさを感じない

 点灯すると、電球色のLEDの光が磁器を通してやわらかく放たれる。器具を直視しても眩しさが全く感じられないやさしい光だ。また、シェード全体がムラ無く均一に輝き、シェードのフォルムの美しさをより一層引き立てる。

 さらに、器具を相当深く覗きこまない限り、光源が目に触れることが無いので、グレア(不快な眩しさ)が感じられずとても快適だ。LEDユニットはシェード上部にコンパクトに収まっているので、器具が目の高さに近くても、光源が見えにくいのが特徴的だ。

シェードは丸みをおびたややさしいフォルム。磁器製で質感が高く、消えていても美しい点灯した様子。LEDの光がシェード全体に行き渡り、ムラの無い輝きが楽しめるLEDユニットはシェード上部に収まっているので、相当覗き込まない限り直視できない。そのため器具が顔の近くにあっても不快な眩しさを感じない

 明るさは若干抑え目だった。コードの長さを調節しないで、食卓の真上に吊り下げたところ、器具とテーブルの距離は650mmだった。その真下の明るさを計測すると213lxで、食事には十分な明るさが得られた。多少明るさを抑えた落ち着いた食卓が演出できるだろう。光もテーブル全体に柔らかく拡散し、影の落ち方もとても穏やかだ。

我が家の食卓の真上に、コードの長さを調節しないで取り付けた様子。テーブルまでの距離は650mmだった。奥行き850mmのテーブル全体に光が拡散した距離650mmの直下の明るさは213lxだった。食事に十分な明るさだろう影の落ち方は穏やかだった。LEDでも電球のようなやわらかな印象が演出できるだろう


演色性も良好。食卓からリビング、玄関まで活用範囲は広い

 器具のデザイン、明るさ、見え方がわかったところで、次は演色性について話を移そう。

 このLEDペンダントの演色性は良い。明るさは抑え目ではあるが、食べ物はどれもおいしそうに見え、食器の材質による微妙な白色の違いもしっかり識別できた。白熱電球よりも赤みが抑えられた電球色の光は、照らされる物の色味もくすまず、自然な色合いが再現された。数ある照明器具の中で、ペンダントライトは食卓の明かりとしてもっともポピュラーゆえ、演色性が良いのは大変好ましい。

 また、ペンダントライトは食卓の上に吊り下げる事が多い器具だけに、器具を選ぶ時はテーブルの大きさとのバランスも重要だ。このペンダントライトは大ぶりではないので、2~4名用の小型テーブルにも合わせやすい。コードの長さを調節せずに吊り下げても、シェードに頭がぶつかる事もなく、バランスは良好だ。しかも、眩しい光源は見えないので、食卓の明かりとして快適な使い心地が味わえた。演色性が良ければ、食卓以外の明かりとしても活用できそうだ。

LEDの明かりでも演色性は申し分無いと言って良いだろう。食べ物全てがおいしそうに見え、食欲をそそる。色味もくすまず、自然な色合いが楽しめる食卓の上にもっとも使われ易いペンダントライトは、テーブルとの大きさのバランスに、演色性が重要視される。2~4名用の食卓を照らす明かりとして申し分ないだろう

 次に、リビングルームに吊り下げた。一灯では部屋全体に行き渡るだけの明るさが得られないが、むしろ間接光の組み合わせやすさを評価したい。テーブル上をペンダントのやさしい直接光で照らし、壁面を広がりのある間接照明で照らす。器具は敢えて目に触れやすい高さに吊り下げる事によって、シェードのやわらかな光とシルエットがより際立つ。性質の異なる複数の光を組み合わせる事によって奥行き間も生まれ、くつろぎの空間に相応しい、印象的なリビングルームが演出できた。

 また、圧迫感の少ないコンパクトなデザインなので、さほど広くない玄関の明かりとして活用するのも良いだろう。やさしく、あたたかみのある明かりは、たとえ明るさが抑えめでも、訪問者を迎え入れる親しみやすい雰囲気が演出できる。吊り下げる時、器具が頭に触れない程度にコードの長さを調節すると良いだろう。

明るさは抑え目のペンダントライトだが、複数の明かりと組み合わせれば、より印象的なくつろぎのリビングルームが演出できるだろうコードの長さを調節すれば、玄関の明かりとしても活用できる。眩い明るさにはならないが、器具の持つやさしい雰囲気が親しみのある玄関を演出する
消費電力は5Wだった。1年間毎日8時間点灯しても、電気代は321円と安い

 最後に、消費電力を計測した。LED磁器シェードペンダントライトの消費電力は5W。毎日8時間点灯しても、1日の電気代はたったの1円で、1年間でも321円にしかならない。また、固定されているLEDユニットの設計寿命は40,000時間なので、1日8時間の使用でも14年という長い間使い続けられる。

 今回試した無印良品のLED磁器シェードペンダントライトは、質感とともにぬくもりを感じさせる美しいフォルムで、洋室、和室を問わずにインテリアにマッチするデザイン。しかも、光源が目に触れにくい落ち着いた明かりなので、インテリアデザインを構成するアイテムとしても魅力的な照明器具だ。磁器を通した柔らかなあかりで、毎日の食卓やくつろぎの空間を、より一層印象的に演出してはいかがだろうか。







2011年10月26日 00:00