家電製品ミニレビュー

パナソニック「LEDデスクスタンド SQ-LD500-W」

~広配光、明るさ、高演色の3拍子が揃ったLEDデスクスタンド
by 藤原 大蔵
パナソニック「LEDデスクスタンド SQ-LD500-W ホワイト仕上げ」

 毎日の仕事や勉強に使うデスク環境を、快適に、そしてより集中しやすく整えるならば、最適な照明器具選びが重要なポイントとなる。

 今回紹介するLEDデスクスタンドは、そんな環境づくりに役立ちそうなデスクライトだ。特徴を一言で申すならば、「机いっぱいに光がたっぷり広がるデスクスタンド」。配光性能がとても高く、新聞の見開きを軽く超える範囲を、均一に照らしてくれるからだ。

 これまでいろいろなLEDデスクスタンドを紹介してきたが、これほどまでに配光範囲が広いLEDデスクスタンドは初めてといっていいほど。また調光もできるので、目的に合った明るさも簡単に調節できる。

 というわけで今回は、デスクに1つあるととても嬉しい、パナソニックの「LEDデスクスタンド SQ-LD500-W」を紹介しよう。


メーカーパナソニック
製品名LEDデスクスタンド SQ-LD500-W (ホワイト)
希望小売価格オープン価格
購入場所yodobashi.com
購入価格22,500円

 

組み立ては、道具要らず手間要らず

 本製品を紹介する前に、まずは本体を組み立てよう。ベースを置き、本体を差し込むだけで、あっという間に完成する。箱には本体とベースのほか、可動部を調節する六角レンチが入っている。保証書や取り扱い説明書と一緒に保管しておくと良いだろう。

 デスクスタンド全体のフォルムはシンプルで、洗練された印象だ。本体質量は2.2kg。カラーは今回使用したホワイト仕上げのほか、ブラック仕上げもある。

 使用する前に、各部のサイズを確認しておく。土台となるベース部の大きさは200×12mm(直径×厚み)で、据え置きタイプのデスクスタンドでは標準的な大きさ。アームを支える本体部の高さは約260mm。アームの下部に、点灯/調光を操作するロータリースイッチがある。

 アームの長さは約400mmで、緩やかなカーブを描いており、柔らかなフォルムを演出している。光源となるセード部分のサイズは約130×28mm(直径×厚み)で、コンパクトで角度調整の際に手に馴染みやすい大きさだ。

 ところで、このLEDデスクスタンドは”据え置き”タイプ。ベースと本体は単に差し込んであるだけなので、器具の移動の際には台座も一緒に運ぶ必要がある。

開梱した様子。左から、ライト本体部、ベース、アーム可動調節用・六角レンチ。電源プラグはACアダプターではなく一般的なものだ本体底にある穴をベースの突起に差し込むだけで、組み立ては終わり。あっという間に完成する完成した様子。全体のフォルムは凹凸が少なく、スッキリとして美しい


大型ディスプレイの邪魔にもならない十分な可動範囲

 点灯の前に、LEDデスクスタンドの可動範囲にも触れておこう。

 まずアームは、垂直方向に約50度の範囲で上下できる。机上と光源の距離を測ってみると、235~545mmの範囲でセードの高さが調節できる。これは、手元を集中して照らす位置から、PCの27インチ大型ディスプレイの邪魔にならない高さ(450mm前後)以上になる。

 次にセードは、アームと同じく上下に50度の範囲で上下する。アームを一番低い位置、もしくは高い位置に動かしても、いつでもセードが机と平行に保てるので、見た目のバランスも良い。

 そして本体は、ベースを軸として約60度の範囲で水平方向に可動する。実際に机の右端に置いて水平回転させると、光源部となるセードは机の奥から手前まで十分に届くことが確認できた。

 以上の3つの可動域を調節すれば、デスクワークに合った角度に設定できる。

ベースの径は200mm。表面はフラットで上に物も置けそうだ。スイッチはロータリー式。ON/OFFだけでなく、調光もできる本体部は太く手に馴染む太さ。アームはそれよりも細く緩やかなカーブを描いていており、柔らかで洗練された印象をかもし出す光源となるセード部。大きさは130×28mm(直径×厚み)で、手に馴染みやすい大きさ
アームは本体を軸として上下に可動する。その範囲は約50度。一番低くした時、テーブルまでのセードの距離は約235mmアームを持ち上げて一番高くしたところ。テーブルとセードの距離は545mm。大型ディスプレイの視界も妨げないだろうセードの可動範囲はアームと同じ50度。アームの傾きに準じて、セードを机上面と平行に保てる

 アームを稼動する時に気になった点が1つある。ベースの裏側には滑り止めが無いため、可動部が固いと、アームやセードの角度を変えるたびに、ベースが動 きやすいのだ。そんな時は、付属の六角レンチでアームとセードの調整ネジを少し緩めておくと良い。ネジを多少緩めても、止めたい位置でちゃんと止まるの で、使い勝手がより向上する。

本体はベースを軸として約60度の範囲で回転する実際の机の上に置いて回転させたところ。写真上:壁側に本体を回転させた。セードが壁にぶつかる手前で止まっている。写真下:本体をテーブル左端に回転させた。セードはみ出さずに机の上の範囲内に収まっているアームやセードの可動部が緩すぎたりきつすぎたりする場合、付属の六角レンチで調整する


LEDなのに光が広がる! 1,200mm幅の机の端まで光がしっかり届く

1,200mm幅の机の中央に本製品を置き、一番高い位置にセードを調節して点灯したところ。机の幅を超えて光がたっぷり広がっている

 前置きが長くなってしまったが、いよいよ点灯しよう。電源プラグをコンセントに差し込む。電源プラグは普通のプラグなので、ACアダプターのようにコンセント周りを邪魔しないものだ。机周りはいろいろな電気機器がある場合が多いので、コンセント周りが混雑しにくいのは良い。

 点灯は、ロータリースイッチを回すだけだ。右に回すと小気味良く「カチッ」と音が鳴って点灯する。そのまま回せば徐々に明るくなり、右に回しきった時が最大の明るさになる。スイッチを左に回せば減光し、電源が切れる。

 点灯して驚いたのは、なんと言ってもその配光性の良さだ。1,200mm幅の机の中央に置いて、アームをめいっぱい高い位置からテーブル面を照らすと、机の幅を超えて光がたっぷりと広がる。しかも、机の端までしっかり明るい。

 次に、ライトを机の左端に置き、セードと机が平行な状態を保つようにしながらアームの角度を調節し、光が届く範囲の変化を試した。アームが一番低い位置では光の直径は約600mm、最大の高さからなら、約1,500mmの円形に広がるのが確認できた。この置き方でも、机の右端の20cm近くまで光がしっかり届いていた。

同じテーブルの左端に置いたところ。
【上】セードを一番低い位置で点灯したところ。テーブルの奥行(600mm)と同じく、600mmの円形状に光が広がった。
【下】セードを一番高い位置で点灯。テーブルの左端から1m近くまで光がしっかり届いている
セードの位置と光広がりの違いを上から見た合成写真。
【左】セードを一番低い位置で点灯したところ。
【右】セードを一番高い位置で点灯したところ。310mmセードの高さが変わるだけで、これだけ光の広がりが変わる

 ライトを同じ位置のままにし、今度は新聞を広げて光が届く範囲を確認した。机の前に座ることを仮定し、セードの高さを光源が直接目に入らない40cmの高さに調節して点灯。すると、新聞の見開き全体(約815×550mm)まで、くまなく照らすことができた。

 最後に、机の上にPCワークの機材を設置し、A4サイズの雑誌を広げて実際のシーンを再現して照らしてみよう。高さ440mmのディスプレイにセードが被らない位置に来るように調節すると、光は机の上のほぼ全域にたっぷりと広がった。これほどまでに広範囲に、ほぼ均一に光が広がるなら、通常のPCワークの際に器具を細かく動かして調節する必要はなさそうだ。

セードの高さ400mmで、新聞の見開き全体が明るく照らされた。この高さだと、机の前に座って光源がほとんど目に入ってこないセードが一番低い位置でも、光は新聞の一面をしっかり照らしている
セードが一番高い位置なら、新聞の見開きよりもさらに広い面が照らされるセードの高さを500mmにすれば、27インチの大型ディスプレイの視界を邪魔しない。しかも机上面がくまなく明るくなる

明るさは十分で、調光も便利

 光がたっぷり広がるだけでなく、明るさも十分にある。セードの高さを40cmに調節し、直下の明るさを計測すると、一番明るい時で672lxと十分過ぎるほど明るい。室内の照明無しでここまで明るければ、細かな手作業にも十分だろう。

 次に、光量をスイッチが切れる直前まで絞ってみても、明るさは180lx強あった。この結果から、光源が目に入りにくいセードの高さを変えずに、細かな作業から、明るさを抑えめにしたPC作業まで、自在に明るさがコントロールできると言えるだろう。また、調光は無段階で、スムーズに変化した。

 作業によっては、セードの高さを調節することもあるだろう。その際にも調光ができるのはやはり便利だ。セードをテーブルにもっとも近づけた時(距離:235mm)、光量を一番絞った時の直下の明るさは564lx、反対にセードを机からもっとも離し(距離:545mm)、光量を最大にすると377lxになる。セードをどの位置にしても、デスクスタンドとして十分な明るさが得られる。

セードの高さを40cmに固定した状態で、調光した。
【上】最大の明るさは672lxで、十分すぎるほど明るい。
【下】最小でも181lxまで減光できる
セードの高さと明るさを変えて測定した。
【上】セードは一番低い位置、光量は最低の場合、直下で564lxだった。
【下】セードを一番高い位置、光量は最高にした場合、377lxだった。いずれにしてもデスクワークには十分明るい

 なお、光源部に目をやると、LEDユニットは一個だけ。本製品に搭載されているLEDユニットは、一粒タイプでありながら、多くの発光素子を高密度に集積したものだそうだ。ユニットは特殊配光レンズに覆われている。LEDユニットはセードの奥にあるため、多少光源部が目に入っても不快な眩しさをあまり感じなかった。

 一方、影の落ち方はLEDだけに、どうしても強めになってしまう。とは言っても、LEDユニットが一個なので、影が多重にならず眼への負担が軽い。実際に長時間使用して、特に不満は感じなかった。

LEDユニットは一粒タイプ。多くの発光素子を高密度に集積したコンパクトで明るいものだLEDユニットは"特殊配光レンズ"で覆われており、光が効果的にワイドに広がる。LEDユニットは奥にあるので、多少レンズが目に入っても不快な眩しさではなかった影は強めにでる。しかし、一粒タイプのLEDユニットのため、LED特有の多重影ができない


省エネで長寿命。発熱も低い

 本製品の光源はLEDなので、当然ながら低電力、長寿命という利点もある。

 消費電力をワットチェッカーで計測してみると、明るさが最大時で6W、最小時で1Wだった。また、スイッチは物理的に切れるタイプなので、待機電力が発生しない。毎日8時間、最大の明るさで点灯するとしても、1日の電気代はたったの1円にしかならないのだ。

 ここで、単純な電気代の比較をしてみよう。もし60W形白熱電球(54W)のスタンドを使っているならば、一日の電気代は10円で、電気代は約1/10となる。一方、蛍光灯のデスクスタンドは20W前後の消費電力のものが多く、その電気代は4円。白熱電球よりは安いが、それでもさらに1/4の節約ができる試算となる。

 さらに、本製品のLEDの光源寿命は40,000時間と、白熱電球や蛍光灯と比較にならないほど長い。面倒なランプの交換の手間は一切無く、一日8時間の使用でも14年と、長い間使い続けられる。点灯中はレンズ部も含め、セード全体がある程度熱を帯びるが、直接手で触れても問題ない程度の温度だった。ゆえに、セードが目の前にあっても、白熱電球や蛍光灯の器具ような熱を感じないので、長時間机の前に居ても快適だ。

 なお、点灯中は雑音も無く、AMラジオにノイズが入る事も無かった事を付け加えておく。

消費電力は低い。最大の明るさ時でも6Wだった。最低時は1W程度。電気代も大いに節約できそうだデスクスタンドでありながら、食事のシーンにさえ良いほど演色性が高い。食べ物は全ておいしそうに見え、テーブルの木目もとても自然な色だ。光色は自然な昼白色で、青っぽくもならなかった
演色性の良いライトなので、飲食をする機会も多いリビングルームにも良いだろう。全体照明の明るさを抑えた手元灯にもピッタリだ

 最後にもう一つ、演色性が素晴らしく良いのだ。本製品の光色は、とても自然なニュートラルな昼白色で、一般的なLEDにありがちな青っぽい光色に偏らない。特筆すべき点は、照らされるものの色味がくすまずに、スッキリと色鮮やかに再現されることだろう。パンフレットなどでも平均演色評価数(Ra)は90と、その特性を謳っているが、色の見え方が特に重要な食事のシーンにさえお勧めできるほど、演色性がとても良かった。

 デスクスタンドの本来の目的は仕事や勉強用なので、一般的には器具を選ぶ際、あまり光色や演色性に目が向かないかもしれない。しかし、ある一定時間以上目を酷使するシーンの照明器具ゆえ、「明るさと配光性」に、「心地良い光色と高い演色性」がプラスされた本製品は、使っていてとても快適だった。

 シンプルで使いやすく、配光、明るさに加え、演色性のいずれも高く評価できるLEDデスクスタンドだ。難点を挙げれば、デスクスタンドの中では高価なところだが、その質の高さと使い心地から十分に見合っていると感じられた。

 長く、そして快適に使えるデスクスタンドとして、大いにお勧めしたい。






2011年9月29日 00:00