家電製品ミニレビュー

パナソニック「スティックタイプ掃除機 MC-U53J」

~フローリング掃除機能搭載のスティック型クリーナー
by 小林 樹

パナソニック「スティックタイプ掃除機 MC-U53J」

 お恥ずかしい話だが、我が家の掃除機はかなり年季が入っている。我が家の他の家電と比べても、トップクラスの長老だ。新しい掃除機が出たりすると、チェックして検討してはみるものの、結局うちの母の「まだ使えるから」という鶴の一声で、大事に使われている。

 そんな母が、「これは買いだ! 」と納得したのが、今回ご紹介するパナソニックの「スティックタイプ掃除機 MC-U53J」だ。

 


メーカーパナソニック
製品名スティックタイプ掃除機 MC-U53J
希望小売価格オープン
購入場所Amazon.co.jp
購入価格14,781円

 スティックタイプ掃除機 MC-U53Jは、片手で本体を持ちながら吸引できる、サイクロン式のハンディタイプの縦型掃除機だ。この掃除機の面白いところは、フローリング拭き掃除機能が搭載されている点だろう。水拭きとは違うが、ヘッド部分にイオンプレートが付いていて、床上の微細なホコリを除去できるという。我が家は畳の部屋以外は全てフローリングなので、この掃除機だとかなり掃除が楽になるのではないかと、期待してしまう。

 フローリングを拭く前に、まずは本体を見てみよう。本体サイズは250×241×750mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.3kgで、ハンドル部分は、本体内部に収納する。スティックタイプのクリーナーとしては中肉中背という印象で、ちょっと廊下の端においてあっても邪魔にならないサイズだ。

 本体横には半透明のダストボックスが付属し、ボタンを押すと取り外せる。中のゴミが透けて見えるので、「ゴミ捨て」ラインに達したら、ゴミを捨てる。集じん容量は0.3Lだ。

本体正面。本体のカラーは、今回のブラック1色のみハンドルは本体内部に格納される
本体横にはダストボックスが付属ダストボックスは半透明で、「ゴミ捨て」ラインが見える

 電源はAC100V。電源コードは、本体の脇から生えており、長さは5m。

 ハンドル部分は、「スポッとハンドル」という2段階に伸縮する機能を採用しており、伸ばしたり縮めたり調節できる。ハンドルの先端は、隙間などの掃除に最適な、細いノズルになっている。

先端は細いノズル。隙間などの掃除に最適だボタンを押しながら伸縮する。要はクイックルワイパーの要領だ
通常時は約75cm伸ばすと約1m

 製品の機能を確認したところで、フローリングの拭き掃除機能を試してみよう。

 フローリングの拭き機能とは、水拭きのようにツルツルに拭くのとは違うが、ヘッド部分がイオンプレートなので、床上の微細なホコリを除去できるのだという。

 さっそく電源を入れて、フローリングの上を滑らせてみると、確かに滑らかに滑っていく。床用ノズルの脇にローラーがついているので、無駄な抵抗がなく、コロコロ転がせる。それでも、ピタッと床に吸い付いているから、吸い残しがないのだ。なんというか、電動式クイックルワイパーという感じがする。

使用中でもスポッとハンドルを伸ばせるこのローラーのおかげで滑らかな使い心地イオンプレートは、ブラシ内部に内蔵されていて、ふき掃除に近い効果を上げる

 吸い込む力も強い。結構音も大きいのだが、床に吸い付きながら、グイグイ吸い込んでいく。これまでスティックタイプの掃除機というと、どうしても吸引力が弱いイメージがあったが、この掃除機は、消費電力は980W、吸込仕事率は350W。サイクロン式スティッククリーナーで“業界No.1”の吸引力という発売時の触れ込みだけのことはあると思った。

 フローリングを拭く前と後で比べてみよう。ちょっとわかりにくいが、フローリングの上にあった細かなホコリたちが吸い込まれて、きれいになっているのが確認できる。

使用前使用後
使用前使用後

 フローリングだけではなく、絨毯の掃除にも適している。これまでの掃除機では、毛足が長めの絨毯は、吸引中にノズルが絨毯に張り付いてなかなか掃除しにくかった。この掃除機だと、パワー調節はできないが、ノズル部分のローラーが滑らかに転がるので、パワーを弱めずともスムーズに絨毯の上を滑らせることができ、ホコリや汚れをしっかり吸引してくれる。

 本体がスリムなので、これまでなかなか掃除しにくかった、ソファとローテーブルの間の絨毯も楽々吸い込むことができた。これには家族一同「便利! これは買いだ! 」と納得して口を揃えていた。

絨毯でも滑らかこれまでなかなか掃除しにくかった、ソファとローテーブルの間も楽々!

 もちろん、フローリングや絨毯などの床掃除以外でも使いやすい。スポッとハンドルを伸ばせば、棚の下の隙間や、とぐろを巻いている各種コードの間にたまったホコリも簡単に吸い取れる。先端がすぼまっているから、細かな配線部分にも近づけられる。

スポッとハンドルを伸ばせば、棚の下の奥まで差し込めるとぐろを巻いたコードの間のホコリにも便利細かい配線部分にもちょうどいい

 一軒家だと、掃除しなくてはならない場所はほかにもたくさんある。

 たとえば階段の掃除だ。これまでの床をゴロゴロ転がすタイプの掃除機では、かなりの重労働だった。雑巾がけやクイックルワイパーでしのいではきたが、掃除機の吸引力とは全然効果が違う。掃除機の本体を持ち上げて吸い込んでいけば、10段ちょっとある階段も楽に掃除できた。

 また、棚の上のような高いところの掃除もしやすい。これまでの掃除機では高いところに届かなかった。かといってハタキだと逆にホコリを撒き散らしてしまう感じがした。この掃除機なら本体を持ち上げてさらにノズルを伸ばせるので、かなり高いところまで適用できる。ずっと持ち上げていと本体が重くてしんどいが、まぁパワーがあるぶんそこは仕方ないかなと思っている。

階段でもしっかり吸引高いところにも届く

 普段掃除できないところが掃除できたので、使用一日にしてダストボックスが満タンになってしまった。これには家族一同、「おぉお……」と言葉を失った。サイクロン式だと、日頃どれだけホコリにまみれた生活を送っているかを目の当たりにするので、日々きれいにしようという気にもなる。

ダストボックスが1日で満タンに。絨毯を掃除したからだと思う家族一同、絶句……

 運転音は、音の発生源を持ち歩いて掃除しているようなものなので、これまでの床を這うタイプの掃除機よりも場合によっては大きく感じられたが、耳をつんざくような騒音ではないので、普通に使う分には問題ないと思う。

 この掃除機は、ハンディタイプで、ハンドルも伸び縮みするので、掃除できる範囲が広い。コレ1台で、家の中の掃除できる部分が大きく広がった。

 1人暮らしの間取りなら1台だけで十分だが、我が家のような2階建ての住宅だと、1階と2階を掃除機を持って移動しなければならないのがかなりの重労働だったりする。その点、この掃除機は収納の場所をとらないし、2台目にピッタリだ。親も年をとれば掃除機を持ちながら階段を上り下りするのがキツくなってくる。ホコリの多く出る寝室がある2階部分には従来の掃除機を置き、絨毯とフローリングにホコリがたまりやすいリビングにはこの掃除機を備えれば、掃除がかなり便利になる。使えるものは壊れるまで使いたいという母の気持ちを尊重しながら、快適な掃除ができるというわけだ。

 絨毯のある部屋にお住まいの方や、フロアが分かれた住宅にお住まいの方は、ぜひ2台目として検討してみてはいかがだろうか。





2011年3月4日 00:00