家電製品ミニレビュー
無印良品「サイクロン式スティッククリーナー TC-R113」
TC-R113 |
掃除機の形態には、大きく分けて2種類ある。スティック型とキャニスター型だ。
私が好きなのはスティック型だ。なぜなら、すぐに掃除に取りかかれて、取り回しも楽だからだ。
今回、無印良品から、新型スティック掃除機が手軽な価格で出たということで試してみた。以前の同モデルが吸込仕事率50Wだったのに対し、100Wにアップしたということで、スティック型の弱点の1つだった吸引力が強くなっているらしい。製造元は、スティック型掃除機を数多く製造しているツインバードだ。
メーカー | 無印良品 |
製品名 | サイクロン式スティッククリーナー TC-R113 |
販売価格 | 3,900円 |
購入場所 | 無印良品ネットストア |
■無印らしいスマートなデザイン
TC-R133は、ヒザくらいの高さのスリムな箱に梱包されていた。無印良品独特の、生成りの段ボールにエンジで製品名をプリントしたあっさりしたパッケージだ。
シンプルなパッケージ | コンパクトに収納されている | 右から本体、パイプ、ハンドル、床用水込口、すき間ノズル |
箱を開けて、組み立てる。組み立てといっても、本体、パイプ、ハンドルの3つをつなぎ、ボルトで2カ所固定するだけなので難しくない。ボルトはコインで回すことができ、工具を用意しないですむ。最後に吸い込み口を差し込んでできあがりだ。
大きさは230×185×1,000mm(幅×奥行き×高さ)。重量は2.1kgだ。全体のフォルムは、余計なデザインや曲線がなくスッキリとして、無印らしいスマートなものになっている。価格から考えれば、かなり高級感がある見た目といっていいと思う。
シンプルな構成で組み立ては簡単 | コインでボルトを回し固定する | バランスが良く、立てた状態で収納できる |
組み立てが終わった本体は、バランスがいいので立てて置いておける。床面積でいうと、A5の単行本一冊分くらいしか場所を取らない。コードの長さは4.5mある。これだと、部屋の隅のコンセントに差しても、タタミ10畳ぐらいの広さは十分カバーできると思われる。
使わないとき電源コードを巻き付けておく「本体コードフック」は、実はボタンでもあって、押すと引っ込むようになっている。これによって、巻き付けられたコードをワンタッチでパラリとはずせる仕掛けになっている。本体に巻き付けるタイプのコードは、不思議なことに、巻き付けるときより外すときの方が面倒なので、この工夫はうれしい。
また、掃除のときコードが足元にまつわりつくのを防ぐため、ハンドルの後ろに「コード掛け」がある。ここにコードをはさんでおくと、コードを一度上にひきあげた格好になるので、足元のコードを踏んでしまったりすることが防げる。
コードを巻き付けておくコードフック | 巻き付けたコードがワンタッチで外せる | コードが足元にまつわりつくのを防ぐコードかけがある |
■吸引力は十分。毛足の長いマットにも対応する。
スイッチはオン・オフの切りかえのみだ |
実際に掃除をしてみよう。スイッチはオンとオフの2つだけとシンプルだ。「クォーン」という運転音は、はっきりと大きい。室内ドアを2枚隔てても、音が確認できた。夜に掃除をするのは、気が引ける大きさだ。
しかし、吸引力は申し分ない。フローリングのホコリや猫の毛はもちろん、重さのあるビーズ粒や、段ボール片などの大きめのものもよく取れる。
台所の大型マットにも試してみた。このマットはちょっと毛足が長いので、料理の時にこぼしたスパイス粒や乾めんのかけらなどが埋まってはまりこんでしまい、掃除しにくいところだ。TC-R133で吸い込んでみると、そうした埋まったゴミが、チリチリと音を立てながら気持ちよく吸い込まれていくのがわかった。いい感じである。
フローリングに敷いたビーズを吸い取る。吸引力は問題ない | 毛足が長めのマットの上でも、よく吸引する |
スティックタイプの掃除機は、軽くて使いやすいのはいいが吸引力が弱く、実質細かいゴミにしか対応しないものもある。しかしTC-R133はしっかりとした能力を持っていると思った。
■ゴミ捨てはワンタッチ
TC-R133は、吸い込んだ空気を本体内部で旋回し、ゴミと空気を分離しながら運転するサイクロン式だ。吸い込んだゴミは紙パックではなく、本体のダストケースに収納される。半透明のダストケースには「ゴミ捨てライン」がプリントされており、ここまでゴミがたまったら開けて掃除することが推奨されているようだ。
ほとんどのゴミはダストケースにたまるが、より細かいホコリなどは、ダストケースの上下にあるメッシュフィルター、布フィルター、そして本体吸い込み口のプレフィルターでさらに漉しとられるようになっている。集塵容積は0.4Lだ。
細かいホコリなどを集める「布フィルター」 | ダストケースのフタ部分にある「メッシュフィルター」 | 本体のモーター保護窓の上にある「プレフィルター」 |
消耗品である紙パックを使わなくていいのがサイクロン式のいいところだ。紙パックは補充も付けかえもそれなりに面倒なものなので、それで気が重くなって掃除機に手が行かないということがあり得る。
フィルターは、こまめに手入れをするよう推奨されている。本体から取り外し、ゴミ箱やティッシュペーパーなどの上で叩いて、付着したホコリを落とす。
特に汚れがひどいときは、中性洗剤をつけて手洗いし、陰干しすることになっている。しかし、掃除のあとのゴミ捨てのとき、ついでにフィルターを軽く叩いておくならば、そうひどくは汚れないと思う。
ゴミを捨てる時は、本体上部の「ダストケースボタン」を押して、上に引き抜くようにダストケースを外す。そして、「ワンタッチゴミ捨てボタン」を押すと、パッカンという感じでフタが開き、そのままゴミを捨てられるようになっている。
半透明のダストケース。「ゴミ捨てライン」までゴミがたまったら捨てる | ゴミ捨てのプロセス。まず上のボタンを押して、ダストケースを外す |
「ワンタッチゴミ捨てボタン」を押してフタを開け、ゴミを捨てる |
このダストケースは黒っぽい半透明で、中が見えにくくなっている。ゴミを直接目にしないためのデリケートな工夫だと思うが、個人的には少し物足りない。掃除をしながら「少しずつ目に見えてゴミがたまっていく=こんなにゴミが取れた」と思うのが好きな方だからだ。一方、できるだけゴミを目にしたくないという人には向いている。
ゴミを捨てたあと、ダストケースやフィルターを装着してロックすると、パチンと音がして「完了」を知らせるのが気持ちがいい。こういう小さなことが、快適に使い続けるためには意外に大事だと思う。
■手軽に使えるので、掃除が気楽になる
場所を取らないので部屋に立てておける。大きさを比較するため、ティッシュの箱を置いた |
TC-R133は、力強くゴミを取ってくれる、有能な掃除機だ。加えて、構造が簡単なのでゴミ捨てが楽なこと、そして、シンプルでスタイリッシュなデザインもポイントが高い。これなら部屋に置いていてもかっこいい。部屋のすみにでも置いておけば、いつでも手軽に手に取れるし、出しっぱなしにしておいてもだらしなく見えないのが、またいいところだ。
使いやすくてパワーもあり、総合的なバランスがいいので、はじめて掃除機を買う人、あるいは、いま持っている掃除機が大きくて重いと感じている人にはおすすめしたい。ハンディで取り回しのいいスティック型掃除機を持つことで、掃除に対する心理的な壁が低くなり、掃除の回数が増えることは保証してもいい。
2010年10月28日 00:00