家電製品ミニレビュー
モバイルバッテリーで有名な「アンカー」のロボット掃除機の実力は?
2017年2月9日 08:00
パソコン周辺機器メーカーとして認知度の高い、アンカー・ジャパン。同社が新たに起ち上げた家電ブランド「eufy(ユーフィ)」の、ロボット掃除機「Eufy RoboVac 20」を使ってみた。
メーカー名 | アンカー・ジャパン |
---|---|
製品名 | Eufy RoboVac 20 |
価格 | 29,800円 |
愛用中の「ニートくん」との差は?
我が家は現在、ネイトロボティクスのロボット掃除機「Neato Botvac85」を使っている。妻は「ニートくん」と呼んで、かわいがっている。そこにユーフィのRoboVac 20が加わった。
ネイトロボティクスの掃除機は、最初に部屋の端っこを掃除していく。それが終わると、一方の端から徐々にもう一方の端へと規則正しく掃除していくスタイルだ。
一方で、RoboVac 20はランダム走行。見ていると、まっすぐ進んでいると思ったら、急に右周りに渦を巻くように走ったり、突然四角を描くように走り始めたりする。
これまで規則正しく掃除していく「ニートくん」に慣れてしまった妻は、この不規則に動くのが気に食わないらしい。「なんかテキトーに掃除していて、キチンと掃除している気がしない」と不満げだ。
そこで、テスト用のコーン茶を撒いて、実際に隅々まで掃除してくれているのかを、テストしてみた。
RoboVac 20をフリーモードにして、リモコンでスタートボタンを押す。するとたまたまだろうが、いきなり部屋の中心部に撒いた、コーン茶に向かって一直線に走り始めた。
撒いたエリアのほぼ中心を射抜くように走行。さっそく、撒いたエリアを見てみると、ほとんどのコーン茶がなくなっているものの、まだ残っている部分がある。
RoboVac 20を見ていると、壁や大きな物の50cmほど手前で物体の存在を認識し、スピードを落とす。壁などには直接触れないことが多く、直前に方向転換する。机や椅子の脚については、方向を変えることなく一度当たることが多かった。
かといって、壁際すれすれを掃除してくれることもなく、見ていると、隅っこの掃除が苦手なのか? とも思える。
何度か壁に沿って撒いたコーン茶に近づくものの、コーン茶を狙い撃ちにして掃除してくれることはない。15分ほど経過した時点では、ほとんどのコーン茶が残っていた。
その後、一度だけ壁にほとんど触れることなく、羽根だけを壁際まで届かせるという、巧みな走行を見せてくれた。この時に、ほとんどのコーン茶を吸引していた。
ほとんどのコーン茶を吸い取ったものの、頻繁に使っているネイトロボティクスのロボット掃除機と比較すると、隅の掃除が苦手だな、という印象。壁に近づくと速度を落としているので、もっと頻繁に壁に当たってでも隅まで掃除して欲しいと感じた。
棚の下の掃除までしてくれた
テストした部屋には、8cm強の隙間のある箪笥が置いてある。ネイトロボティクスのロボット掃除機は入らないスペースなのだが、RoboVac 20は果敢に掃除しようとしていた。
スティック掃除機などでも、掃除するのは面倒な場所なので、RoboVac 20に掃除してもらえると大変助かる。
が……、本当にRoboVac 20が入れるか入れないかのギリッギリの隙間なので、時々、入ったものの引っかかって、出て来れないことがある。今回の30分間のテスト中も、一度だけ引っかかり救出した。
これはベッドの下の隙間についても言えることで、ここに入ろうとすると100%引っかかるので、RoboVac 20を寝室で使うのは面倒。
今後も使い続けるようなら、この箪笥とベッドを数mmだけ嵩上げしようと思う。
なかなかの働きっぷりで満足
結局、テーブルや棚を除いて5畳ほどのスペースを、30分ほど掃除してもらった。部屋の中央付近に撒いたコーン茶は、細かいチリも残すことなく吸引。壁際のコーン茶も、ほとんどを吸い取ってくれた。
当初は、走行パターンや吸引力に疑念を感じていたものの、結果を見ると、なかなかの働きっぷりに満足。誤解していてごめんね、という感じだった。
ひとつ気になったのが、2~3cmほどの段差を認識してくれない点。我が家では、ダイニングキッチンと畳の部屋がつながっているのだが、部屋の高さに2~3cmほどの差がある。畳の部屋で使っていると、この段差を認識せず、ダイニングキッチン側へ落ちてしまうのだ。
この段差を乗り越えて、また畳の部屋に戻ってくれるのならいいのだけれど、そこまでの段差は越えられない。結果、畳の掃除は任せられない、またはバーチャルウォールを置かなくてはいけない。このあたりのセンサー感度は、改善してほしいポイントだ。
これまで使っていた「ニートくん(Neato Botvac85)」(2014年10月発売)とは、発売時の価格差が4万円あるので、当然と言えば当然だが、ニートくんの方が安心して掃除を任せられる。
実際、上述した畳の部屋とダイニングキッチンもしっかりと分けて掃除できる。また、ニートくんの方が、掃除時間が少なくてもしっかり掃除してくれる印象がある。より短時間で綺麗にしてくれるので、週末など、自宅に居る時にも動かしやすいのだ。
RoboVac 20を隅々まで見てみた
最後に、RoboVac 20の細部を見てみよう。
筐体前方にはセンサーが搭載されているのが分かる。物体を感知して、壁などの手前では速度を落として、ソフトに当たったり、避けたりする。
溜まったゴミを捨てるのに、本体をひっくり返す必要もなく、簡単にダストボックスを取り出せる。本体後方のボタンを押しながら、ダストボックスを引き出す。ダストボックス側面のボタンを押すと、ゴミがバサッと取り出せる。
本体吸引部の回転ブラシも取り外せるので、髪の毛などが巻き付いた場合もメンテナンスは容易。
主な付属品は、充電台とリモコン、それにバーチャルウォール発信機。
付属リモコンでは、掃除時間の設定などの他に、ラジコン操作できる機能も搭載。重点的に掃除したい場所がある時には、リモコン操作で、ゴミのある場所に誘導できる。
バーチャルウォールを置いておくと、RoboVac 20が侵入してこない場所を設定できる。ベッド下など、侵入してほしくない場所には、この発信機を置いてバリアを作ればいい。