家電製品ミニレビュー

牛乳パックのまま作れるヨーグルトメーカーなら初めてでも手間なしカンタン!

 最近、テレビや雑誌で「腸内フローラ」という言葉を頻繁に見聞きするようになった。腸内の善玉菌、悪玉菌のバランスが、健康や美容に大きく左右するらしいが、お通じに難ありの筆者の腸内フローラは、おそらく美しくないだろう(笑)。本気で腸内環境のことを考え、日々の食卓にヨーグルトを摂り入れようと決意した。

 しかし家族みんなで毎日食べるとなると、結構な消費量になり、コストも気になる。そこで今回、初めてヨーグルトづくりにチャレンジすべく、トープランの「ヨーグルトファクトリー[プレミアム]」を購入した。

ヨーグルトファクトリー[プレミアム]
メーカー名トープラン(東京企画販売)
製品名ヨーグルトファクトリー[プレミアム]
実売価格2,972円(Amazon)

牛乳パックのまま作れるところが、初心者に嬉しい

 自家製ヨーグルトは定期的に流行するため、昔から作っているという人も多いが、筆者がなかなか踏み切れなかったのは、こまめにお世話をしないといけないイメージがあったからだ。温度をきちんと管理し、少しでも雑菌が混ざろうものなら失敗すると聞くと、「難しそうだし、買ったほうが早い」と思ってしまった。

 しかし、このヨーグルトメーカーは、ヨーグルト菌を培養するための最適温度をキープしてくれるため、まさに初心者にはうってつけだ。また、牛乳パックのまま作れるため、容器の除菌は不要。気を遣うのは、タネ菌を混ぜるときに使うスプーンをしっかり殺菌することくらいだろう。

ふた付きのケースという、至ってシンプルな構造
1Lサイズの牛乳パックがそのまま入るサイズ

 モードは、粘りがありまろやかなカスピ海ヨーグルトが作れる「カスピ海」と、プレーンヨーグルトが作れる「プレーン」の2つがあり、それぞれ約25℃、約40℃に保つ。

 冷却機能はないので、設定温度よりも外気温が高いとうまくいかない場合があるという。「カスピ海」モードは、冬場の使用が適しているようだ。

カスピ海ヨーグルトとプレーンヨーグルトが作れる

 ヨーグルトのタネ菌は、粉末タイプのヨーグルト菌か、市販のヨーグルトをそのまま使用する。今回、ネット通販でヨーグルト菌を入手したところ、それが「ケフィアヨーグルト」のタネ菌だったため、「カスピ海でもプレーンでもない場合は?」と、いきなりつまずいた感はあったが、まずは作ってみることにした。

使用したのはこちらのタネ菌。牛乳1lなので2袋使用
タネ菌を入れて、殺菌済みのスプーンでしっかり混ぜる。ただしパックが深すぎて底まで届かず……
パックのまま本体に入れ、開口部をクリップで留めてカバーを閉める
とりあえず「プレーン」でスイッチオン

 これで準備完了。あっけないほど楽チンだ。しばらくすると、カバーにびっしり水滴が着き始めたことから、順調に温まっているようだ。あとは放っておけば5~10時間後に完成するはず……。だが気になるのは、説明書にはない「ケフィア」であることだ。

 ちなみに8時間経つと、自動的に電源がオフになる仕組みとなっている。夜、電源が切れてしまったので、いったん中身を覗いてみたが、案の定、まったく固まっていなかった。そこで、もう一度電源を入れ、夜中に自動オフになると困るので、寝る前に再度電源を入れ直し、翌朝を楽しみに眠ることにした。

8時間では、まだほとんど牛乳状態。ただし乳酸菌の香りはしっかり漂っていた
さらに追加で温めることに

タネ菌を混ぜただけでぷるっぷるに固まった!

 温め始めてから約15時間後の翌朝、さっそく牛乳パックを覗いてみると……出来ている!! ぷるぷるに固まっているのがひとめで分かる。スプーンですくっても崩れることなく、しっかり弾力のあるヨーグルトができていた。まだ温かいので、粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかり冷やしてからいただいた。

昨日は牛乳だったのに……これはかなりテンションが上がる!
スプーンですくった感じからも、成功したのが分かる
大好きなキウイジャムと生キウイを乗せて朝食に
フルーツグラノーラにもたっぷり混ぜて!

 味については、少し酸味が感じられるまろやかな味わいだが、タネ菌に由来するところもあるだろう。また発酵しすぎると酸味が増すというので、時間もちょうどよかったようだ。ちなみに説明書をよく読むと、ヨーグルト菌で作ると時間がかかることが多いと書かれていた。

 ところでふと我に返り、果たして本当にお得だったのか? とコスパを計算してみた。実際に購入した価格で、ケフィアのタネ菌が2袋で約160円、牛乳1Lが約240円で計400円。一方、市販のヨーグルトが500mlで170円前後だったので、現時点では買ったほうが安かった(笑)。

 ただし今回はタネ菌が特殊だったし、一度作ればこのヨーグルトをタネ菌にできるらしい。牛乳の価格ももう少し抑えられるはずだ。このヨーグルトメーカー自体も高くないので、結果的にはお得と言えるだろう。

プレーンヨーグルトをタネにしたら500mlが約8時間で完成

 続いて市販のヨーグルトをタネ菌として使う作り方にもチャレンジした。今度は500mlの牛乳で作ったが、使うヨーグルトの量は30ml程度でいいらしい。これをしっかり混ぜて液体状にするのだが、このときもカップとスプーンの殺菌はしっかりと行なっておく必要がある。

タネ菌に使ったのは、森永のビヒダスプレーンヨーグルト
50mlまで測れる計量カップが付属している
ヨーグルトをとろとろの液体状になるまでしっかり混ぜて
牛乳パックに投入!

 先ほどと同じく、本体に入れてカバーを閉め、「プレーン」ボタンを押して8時間放置。電源が切れたため、中身をチェックしてみたら、ケフィアのときのようにキレイな見た目ではなかったものの、タネとして使ったヨーグルトのやわらかい質感によく似ている。どうやら完成ということで良さそうだ。

 まだ生温かかったが、仕上がりが気になったため、一口試食。ケフィアに比べてクセが少なく、市販のヨーグルトと変わらない美味しさだった。これまた大成功! コストは牛乳代プラス、ヨーグルトの数十円。確実にお得だ。

ちょうど8時間が経過。表面はゆるゆるに見える
スプーンですくうとやわらかめだが、しっかり固まっていた

 今回、初めてヨーグルトを作ったが、こんなに簡単に作れるとは思わなかった。気をつけるべき点はあるものの、容器を神経質に殺菌したり、温度管理に気を遣うことなく、放っておくだけで作れるなら、苦手意識の強かった筆者でも続けられそうだ。

 タネ菌を変えたり、発酵時間を変えることで、さまざまな味や食感が作れるとのこと。いろいろ試しながら楽しんでみたい。

田中 真紀子