趣味の節電道入門

第17回:エアコンクリーニングで霊気、じゃない冷気アップ!

 節電家にとってエアコンの掃除は盲点である。夏場はエアコンを使わないことに全力を傾けていたりするので、掃除しなくても大丈夫だろうと勘違いしてしまうのだ。えっ、俺だけっすか!?

 エアコンが汚れていると気づいたのは、エアコンをつけたときにするニオイから。紙パックの掃除機も発する、カビなど雑菌が繁殖しているあのニオイだ。エアコンが冷気を発するにつれて感じなくなるが、これはごまかされているだけ。妖怪が明るい場所では見えないのと同じような理屈である。何度か妖気じみたニオイをかがされ、クリーニングを決意した。

 まずは、フィルターの掃除から。前カバーを開けて、フィルターを取り出してみると、想像をはるかに超えるホコリが! 節電家といえども、なんだかんだ言ってエアコンを使っていたのか、それとも部屋がホコリっぽいのか? (たぶん両方)

 ホコリは掃除機で吸い取ったのだが、割と粘度があり掃除機のブラシにこびりつく。エアコンの機種によっては中性洗剤などを使って水洗いしてもいいだろう。すでに知らない人も少ないかと思うが、フィルターのホコリを取り除くことで空気を送る効率が高まり節電にもつながるわけだ。

ぱっと見はそれほどでもないが、取り外して見ると上の方にびっしりとホコリが積もっていた。前カバーを開けてチェックするだけではダメなのである
掃除機で吸い取るのが簡単。フィルターの外側からかけると、目詰まりしにくい。水洗いする場合は、よく乾燥させてから取り付ける
本体内部にも掃除機をかける。フィンの部分は強い力を加えると曲がってしまうので気をつけたい

エアコン内部のファンも洗浄

 吹き出し口やルーバーをよく見てみると、黒い斑点があるが、これはおそらくカビだろう。ウェットティッシュで拭き取った。手が届かない所は、ガーゼを割り箸に巻いた「マツイ棒」(タレントの松居一代さんが考案したことで知られる)を使ってもいいだろう。

 今回は、手が届かない内部のファンもクリーニングできるというショーワ「くうきれいエアコンファン洗浄剤」(購入価格2,650円)を試してみることにした。

 ムース状の洗浄液をエアコンの吹き出し口から注入し、20~30分後にもう1本の「リンス」で洗浄液と汚れを洗い流す。この状態では、まだエアコン内部に洗浄液やムースが残っている。バスタオルなどを吹き出し口で塞ぎつつエアコンを作動させて、内部の水分を取り除く。

 エアコン内部に液体を注入するというと、プロの業者にしかできないワザと思いがちだが、比較的簡単に作業を終えることができた。ちなみに、ショーワからは、フィン(フィルターの下の細かい金属部品。ファンではない)洗浄用の「くうきれいエアコン内部洗浄剤」も発売されている。同じくムースとリンスで汚れを取り除く製品だ。

 今回の掃除でエアコンのニオイはまったくなくなり、心なしかエアコンの冷気も強くなった気がする。ニオイが気になる時、またフィルター掃除のタイミングや季節の変わり目に、エアコン内部のクリーニングを行なってみてはいかがだろう。

2種類のエアゾール缶(ムース&リンス)とビニールの養生シートがセット。1セットで6~8畳用のエアコンに対応する
養生シートを両面テープでエアコン本体に取り付ける。養生シートは袋状になっており、洗浄液などを受け止める。電源オフの状態でエアコンの吹き出し口が閉じている場合は、電源を入れた状態でプラグを抜くと開いた状態で固定する
まずはムース(洗浄液)から。ノズルを吹き出し口の奥に差し込みスプレーしていく。ノズルの先が当たり、押し込むと動くのがエアコンのファンだ。ファンを回転させながら、まんべんなくムースを行き渡らせる
茶色く汚れた液が養生シートに溜まってきた
ムースをすべてスプレーして20~30分放置してから、リンス(無色透明の液体)を吹き出し口から注入する。この後、タオルを吹き出し口に押し当てたままエアコンを作動させ、中から液体が出てこなくなったら作業完了だ

小口 覺