趣味の節電道入門

第6回:節電タップの変態・進化

ホームセンターなどでは、LED電球コーナーと同じぐらいのスペースで節電タップが販売されていることも

 震災以降、バリエーションが爆発的に増えた節電アイテムが、「節電タップ」である。定義としては、「スイッチでコンセントに流れる電気をオンオフできるタイプの電源タップ」で、主に電気製品の待機電力をカットするために用いられる。主電源でオフにするか、プラグを抜けばいいじゃないかという考えもあるだろうが、電源ボタンがわかりにくい・手が届きにくい電気製品もあるし、プラグの抜き差しは面倒だ。手元でスイッチをパチパチできるのは、わかりやすいし、いかにも“賢い主婦”の方々が好みそうな節電方法である(べ、べつにケンカは売ってません……)。

 節電タップ自体は、以前から存在したが、その進化(変態? )が面白いことになっているので、整理がてら紹介することにしよう。そして、節電家としては気になる、ランプの消費電力も調べてみた。

コンセントの個口数

 数としては4~6個のコンセントを設けた製品が多いだろうか。震災後目立つようになったと感じるのは、コンセントが1~2個口のコンパクトなタイプ。複数の電気製品をつなげる、本来の電源タップの役割から離れ、個別の電気製品をオンオフする節電に特化したタイプと言えるだろう。

 コンセントは1つのスイッチにつき1つのタイプと、複数あるタイプがある。また、スイッチが設けられておらず常に通電しているコンセントが併設されている製品もある。常に電源をオンにしておきたい製品がある場合(たとえば録画予約やEPGのダウンロードが必要なレコーダーなど)、間違ってオフにしてしまう心配がない。

スイッチのタイプ・数

 記憶が定かではないが、昔はすべてのコンセントを一括してオンオフするタイプのタップしかなかったように思う。OAタップという呼び名もあったように、プリンターなどパソコンの周辺機器を帰社時に一括してオフにするといった用途が想定されていたのではないだろうか。

 その後、個別にコンセントをオンオフできるタップが登場し、こちらのタイプが主流になってきた。

 そして最近では、個別のスイッチと一括のスイッチの両方が設けられた製品もある。節電タップも生き残りをかけて差別化に必死なのだ。

さらなる変わり種

 わが家でも便利に使っているのは、USB出力を備えた節電タップだ。スマホなどはフル充電になると自動的に電力供給はストップされるが、USBを電源とするLEDライトや扇風機などのオンオフが集中しておこなえる。

 また、究極の節電志向と言えるのは、消費電力・料金が計測できるワットメーター付きの節電タップだろう(サンワサプライほか)。

 パソコンの電源がオフになると、連動して周辺機器への電力供給をオフにするタップもある。ただし、連動の機能に対応するのはデスクトップパソコンのみだ(パソコン本体のUSB出力を検知し、ノートパソコンでも使える製品もあったが、現在は販売されていない)。

節電タップ自体の消費電力を調べてみた

 さて、節電タップで電源オンを示すランプ、「これが電気を食っているじゃないか! 」とご不満な方もいらっしゃるのではないだろうか。節電タップの中には、ランプを持たず、さらなる節電を謳った製品もある。そこで、実際にはどの程度の消費電力なのかをワットモニターで計測してみた。

 その結果は、下の写真にあるとおり、ランプが付いた状態でも0.0Wと表示された。つまり、消費電力は0.1W以下。24時間この状態でも、年間の電気代は20円ほどと推測される。電気製品の待機電力にくらべたら微々たるものだろう。個人的には、節電タップのオフ操作は夜寝る前におこなうことが多い。ランプがあった方が、暗い場所でも一目でわかり、結果として節電につながるのではないかと思っている。

節電タップのすべてのスイッチをオフにして計測。当然ながら0.0W
電気製品をつなげていない状態でスイッチをオンにして計測。表示は、0.0Wのまま!

小口 覺