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そこが知りたい家電の新技術

LED電球の明るさの単位「ルーメン」はどうやって測る?

〜パナソニックの“品質マイスター”に聞く
by 藤原 大蔵

 LED電球の明るさを示す数字は、パッケージに「ルーメン(lm)」という数値で記されている。白熱電球だった頃は60W形や40W形など「ワット(W)」が明るさの基準となっていたが、LED電球は「ルーメン」が基準となっている。

 「ルーメン」とは明るさの単位のひとつで、電球そのものが発する明るさの総量である「全光束」の数値を表している。明るさの性能をより正しく認識しやすくしようという業界団体「日本電球工業会」の働きかけにより、2011年7月以降、LED電球の明るさは、全光束を表すルーメンに統一された。これにより、電球の明るさ性能は、ワットではなくルーメンという具体的な数値で表されるようになった。

LED電球のパッケージに表示されている「lm(ルーメン)」の数値(写真の矢印部分)。この数値はどこから出てくるのか? パナソニックのLED電球パッケージには、明るさの総量を表す全光束(ルーメン[lm])と相応する白熱電球のイメージが並列して表記される

 しかし、LED電球のパッケージに並ぶ「485lm」や「810lm」といった数値は、従来のワット表記とはまったく異なった表現だ。見慣れない「ルーメン」という単位に、売り場で戸惑った方も多いのではないだろうか。そもそも、パッケージに記された全光束値は、本当に信憑性がある数値なのか、どのように測定、算出された数値なのかもわからない。身近な明かりの単位として「ルーメン」は本当にふさわしいのだろうか。

パナソニックグループの照明部門を担う、大阪のパナソニック エコソリューションズ社 高槻拠点。JR摂津富田駅からすぐ

 そこで、今回は大手ランプメーカーでもあるパナソニックに、LED電球の明るさをどのように測定しているのかを聞いてみた。何でもパナソニックは、全光束を測定する専門の部署で、専門の計器を使って測定しているという。一体、LED電球に記載されているルーメンという数値は、どのような過程を経て表示されているのか。パナソニックの照明部門を担う、大阪のパナソニック エコソリューションズ社 高槻拠点に足を運んだ。


ルーメン表記の理由は、誤解を招かない「真の明るさの性能」を示す必要があったから

 話を伺ったのは、エコソリューションズ社 ライティング事業グループ 光源・デバイスビジネスユニット 品質管理グループ 製品審査チームの三上誠一氏と、同社 商品企画グループの嶋田俊朗氏。

 そもそも、LED電球に変わったからといって、なぜ慣れ親しんだ白熱電球の“40W形”や“60W形”という表示方法まで変える必要があったのだろう? ルーメン表記では端数が並び、どうも覚えにくい。測定器に対面する前に、まずはそうした素朴な疑問を尋ねてみた。

パナソニック エコソリューションズ社 ライティング事業グループ 光源・デバイスビジネスユニット 商品企画グループ 商品企画チーム 嶋田俊朗主事

 「LED電球が出始めた頃、明るさを表す基準が定められておらず、商品のパッケージに書かれている明るさの目安も、電球の真下の明るさだけを基にしたり、代表的な照明器具に取り付けた場合の明るさだけを示したりと、バラバラの状態でした。そのためLED電球に取り換えたら思ったより暗かった、ということが起こったのです」(嶋田氏)

 確かに、LED電球が発売された当時、パッケージに「明るさは60W形白熱電球相当」と書いてあったとしても、白熱電球と並べて比較すると、はっきりと暗くなってしまう場合が多く見られた。当時は、たとえ大幅に消費電力が抑えられても、「LED電球に取り替えると暗くなる」ことを踏まえた上でレビューしていた記憶がある。

 「ルーメン表示が徹底された理由は、全光束値を表すルーメンという単位が、ランプから出る光の総量を表すからです。別の言い方をすれば、ルーメンなら、電球本来が持つ『明るさの性能』をダイレクトに表せます」(嶋田氏)

パナソニック エコソリューションズ社 ライティング事業グループ 光源・デバイスビジネスユニット 品質管理グループ 製品審査チーム 三上誠一 主任技師

 「全光束を求める測定方法なら、電球自体の光の広がり方の影響をほぼ受けずに測定できます。すなわち、直下に強いタイプ、光が広がる全方向タイプに関わらず、電球そのものの明るさを正確に表せるのです」(三上氏)

 当時のLED電球のパッケージには“直下の明るさは60W形白熱電球相当”や“ダウンライトに取り付けると60W形白熱電球相当の明るさ”など、条件とも言い訳ともとれる説明が記されたものがあった。ルーメンなら、そういった言い訳をせずに、LED電球そのものの明るさが表現できるのだ。

 「取り替えの元となる白熱電球と比較する時、かつてのように一部の明るさや消費電力だけで示すと、誤解を招いてしまいます。しかし、光の総量を表す全光束のルーメン値ならば、距離や照らし方が変わったとしても、明るさは大きく変わりません。そこで、日本電球工業会がルールを設定し、業界としてLED電球の明るさの性能を直接表す光の量、全光束の単位である“ルーメン(lm)”の表示を徹底しようということなりました」(嶋田氏)

 ルーメンは、電球そのものの明るさを表す「絶対値」。ルーメンなら、取り付ける器具や照らし方の影響も受けず、絶対的な明るさが表現できるため、LED電球の明るさの基準となったのだ。かつて、白熱電球からLED電球に取り替えると暗くなると言われたのは、光の総量が元々足りないのに、一部の照らされた明るさだけで、「○○W形」と言っていたのが理由だった。

 しかし、絶対値とは言え、「485lm」「810lm」など、端数が並ぶルーメン表示はすんなりとは覚えにくい。しかし、もっと覚えやすく、イメージしやすい表示方法はなかったのだろうか。

 「たしかに、単純に『40W形白熱電球』というワット表示だけの方が、明るさをイメージしやすいと思います。しかし、日本電球工業会のガイドラインには、例えば全光束が485lm以上ならば、『明るさが白熱電球40W形相当と表示して良い』と定義されています。そのため、パッケージには明るさの証しであるルーメンと並列して、「○○W形相当」も表記しています。そちらも同時に参考にしていただくとわかりやすいと思います」

 ちなみに、「明るさが60W形白熱電球相当」と謳えるのは、全光束が810lm以上の製品のみと、日本電球工業会で規定されている。

パナソニックのLED電球のパッケージには、全光束と白熱電球の明るさを比較した表が付いている。「白熱電球40W相当」を謳う場合は、全光束が485lm以上、「白熱電球60W相当」を謳う場合は、全光束が810lm以上、というように日本電球工業会で定められている

 「ルーメン表示になったことで、はじめて正しい40W形相当、60W形相当と、お客様にお伝えできるようになった点は、お客様に大きなメリットがあると思います。ただし、まだまだルーメンに馴染みのないお客様も多く、より判りやすい表示方法はないか、商品企画グループとして現在も検討しているところです」(嶋田氏)

 白熱電球のワット表記と比べると、ルーメン表記はまだ浸透しておらず、馴れるまで戸惑いもあるだろう。しかし、明るさの絶対値と、定義に則った「○○W形相当」が並列されているならば、欲しい明るさも探しやすい。LED電球は安くはない買い物だけに、より正確な明るさを具体的に表す「ルーメン」という単位を採用したというわけだ。

全光束を測定するのは簡単じゃない

 電球本来が持つ明るさの性能をルーメンで表記すれば、曖昧さを省いた具体的な明るさがわかり、消費者にとってもメリットがあることがわかった。しかし、前述したように、そのパッケージに表示されているその数値がどこから出てきているのか、本当に正しいのかはわからない。ルーメンは本当に信頼に値する数値なのだろうか。

 「ならば測定器を見ていただきましょう」という三上氏の促しで、工場の敷地内にある「測定所」へ案内された。

 案内された建物は、昭和の香り漂う、古めかしくも落ち着いた雰囲気のある建物。廊下の鉄製フレームの窓を通して、手入れされた小さな中庭を見ながら、大学の研究室のような構えの部屋に通された。

測定所にどーんと構える直径2mの「積分球」。この大きな球体の中で、LED電球の全光束を測定するのだ

 いの一番に目を引いたのは、部屋の中央にデンと構える、白く、自分の背よりも大きな球体だ。球体は何台かのコンピューターに繋げられ、その姿はまるで宇宙船のよう。広さ8畳ほどの測定所を埋め尽くしている。

 「この白い大きな球体が、全光束値を測定する『積分球』というものです。こちらではLED電球のほかにも、直管型蛍光灯40W形も測定するため、直径2mタイプのものを使っています。球体の中は空洞で、内部に硫酸バリウムがコーティングしてあります。硫酸バリウムは、胃カメラの時に飲む造影剤と同じで、光を90%以上も均一で滑らかに拡散反射させる特徴から、測光にも用いられています」


積分球の扉を開けて説明する三上氏。内部は空洞で真っ白だ

 三上氏は説明しながら、積分球をパッカリと開けた。内部は空洞で真っ白だ。しかも、一点の汚れも、埃も見当たらない。この中に篭って測光するのだろうか。

 「中に入れるのは、測定するランプだけです。球の中心に測定するランプを取り付け、球体を完全に閉じます。次にランプを点灯し、内部に放射された『光の量』をコンピューターで測定し、平均化した結果が、そのランプの全光束値(ルーメン)となるのです。この方法は、球体内部に放出された光のみを測定するので、外部環境、ランプ固有の光の広がり方の影響を受けません。ランプ個体が放つ、正確な光の総量、つまり全光束値が求められるのです」(三上氏)


全光束は球体の中心に試験する電球をセットし、球体を閉じて発光させ、明るさの総量を平均化して計測する 3つ並ぶ円の先には検知器が繋がっている。明るさのほか、光色、演色性も測定する 積分球の中には、光を滑らかに拡散反射させる硫酸バリウムがコーティングされている。常にきれいな白色を保つために、メンテナンスは必須という

 ルーメンの測定には、「国家標準球」と呼ばれる、国の規定をクリアした特別な白熱電球と、対象となるランプを比較したうえで、ルーメンを算出するという。

 「国家標準球は、フィラメントの張り、均等な厚みのガラスグローブなど、微細なところにまで気を配られた“比較測定専用の白熱電球”で、一個約150万円もするものです。全光束値の他に、それぞれのランプの波長特性を測定し、色温度、演色性など、合計3つをコンピューターで算出します。」(三上氏)

 三上氏によれば、この測定法は、新たに開発した「秤(はかり)」の精度を調べるのに、絶対的に正確な重さの分銅を載せてチェックするようなもの、だそうだ。それにしても、その“分銅”の役割を果たす比較用白熱電球の高価なこと! しかも、一般的な電球よりも寿命が短く、定期的な取り替えが必要なのだという。単に全光束の測定と言っても、相当な装置、お金が必要なのだ。

 さらに三上氏は「それだけではまだ十分ではないのです」、と続ける。

 「1個のランプの正確な測定値を求めるために、2〜3時間を要します。なぜなら、ランプの種類によって、光源が安定するまでに1、2時間待つこともあるからです。これまで白熱電球、蛍光灯、電球形蛍光灯、水銀灯、HIDランプなどの測定を行なっていますが、種類によって温度の影響を受けるランプもあるため、測定所の温度は25℃(±1℃)、湿度は30〜50%を保つよう、常にコントロールしていなければなりません。

 また、測定所は常にきれいにしていますが、球体内部の下部には徐々に埃が積もり、下部の反射率が変化してしまいます。ゆえに、きれいな白色を保つために、硫酸バリウムを刷毛やスプレーガンなどを用い、塗り替えるなど、定期的なメンテナンスも必要になります」(三上氏)

 全光束の測定方法を聞いただけでも、装置、お金、時間、環境、定期的なメンテナンス、そしてそれを支える技術……それら全て揃っていなければ、正確な測定はできない。消費電力や照度の測定のように、市販の数千円〜数万円程度の機器を使って、自宅でちょいちょいと測定するのとは、ワケが違うのだ。

第三者的にルーメンが測定できる照明メーカーはパナソニックが初

 一言で「測定」と言っても、相当な手間も時間もお金もかかることに圧倒されてしまった。日本を代表するランプメーカーゆえ、当然といえば当然かもしれない。

 だが、自社でわざわざ「測定所」を持つ理由はどこにあるのだろう。

 「測定所を自社で持つ最大の理由は、パナソニックはランプメーカーとして、自社製品の性能・品質を守り、さらなる向上を目指すことが、基本中の基本と考えているからです。特に、ランプ製品の基本性能は明るさです。明るさに対する裏付けを取るためにも、自社で測定する技術を保有しておかなければならず、長年に渡って測光技術も培って参りました。

 測光技術を支える技能・設備は、「独立行政法人 製品評価技術基盤機構(IAJapan)」から、『光の校正事業者』として正式な認定(JCSS)を取得しており、それらの精度が保証されています。さらに、測光技術の技能・設備だけにとどまらず、工業標準化法(JIS法)」に基づく『試験事業者登録制度(JNLA制度)』の認定も取得し、登録されました。

 つまり、ただ単に測光技術の技能・設備を整えているだけでなく、『第三者的・客観的な視点を持った測定試験が実施できる』ことになります。これができるのは、ランプメーカーとしてはパナソニックが日本初になります」(三上氏)

「独立行政法人・製品評価技術基盤機構(IAJapan)」が認める、2つの認定書。測光技術の技能・設備が整っており、第三者的・客観的な視点を持った測定試験が実施できることを示すものだ

 測定所の入り口には、2枚の認定書が控えめに掲げられていた。それが、第三者機関として『自社製品を公正に客観視できる』、という意味を持つ認定証だったのだ。パナソニックの部署である「品質管理グループ 製品審査チーム」が受けた認定だそうだが、そこに所属する主任技師の三上氏をはじめとする3名は、公正かつ正確に光を測定できる高い技術者として、社内では「品質マイスター」と呼ばれているそうだ。

 ランプメーカーながら、試験事業者登録制度(JNLA制度)の認定・登録された、日本で唯一の部門である以上、他社製品に対しても試験を実施し、正式な「試験証明書」を発行できる立場にあるという。

 となると、パナソニックの一部署であっても、今後は「第三者試験機関」として独立していくことだって可能ではないだろうか。

 「いえいえ、あくまでもパナソニックの中だけです。国内において、光の分野のみで独立した試験所は聞いたことがありません。まして、光や明るさというような限られた範囲なので、光に関することだけで独立するのは考えにくいと思います。なんといっても、それだけでは商売として成り立ちませんから(笑)」(三上氏)

 しかし、パナソニックの“イチ部署”である以上、上層部からの圧力や、いわゆるオトナの事情だってあるかもしれない。つい気になって、そんな不粋な質問も投げかけた。

 「測定したランプの性能は、真っ正直に設計者や開発者に提出しています。たとえ上層部からの圧力があったとしても、それを排除することが認定の条件となっています(キッパリ!)。

 パナソニックの中にありながら、第三者の公正な目を持つことは、すなわち、信頼性の高い製品作りができるところにあります。ここ高槻の敷地内には製造部門の工場があり、ここで製造したランプ類の品質管理を徹底的に行なうことと、正確な測定器をメンテナンスし続ける上で、我々の部署があるのです。自社製品の性能・品質向上はもとより、お客様に対して正しい情報を提供し、LED製品の適切な普及を推進する努力を重ねることに意義があります」(三上氏)

 パナソニックのLED電球のパッケージに表記された全光束値は、正確な測定器、公正な測定者の目、長年培ってきた測光技術の背景があって記されているのだ。

プロに聞く、正しいLED電球の取り替え方

 ここで、プロの目をから見て、どのようにLED電球を選べばよいのかアドバイスを伺った。何しろ嶋田氏は、長い間LED電球の商品企画に携わっており、“品質マイスター”の異名をとる三上氏は、これまでLED電球だけでなく数多くのランプを測定してきている。

 「まず、取り付ける場所に必要なLED電球の明るさを、ルーメン表示を元に確認します。次に、器具や取り付け位置に応じて、配光角度が約120度の『下方向タイプ』、もしくは、配光角度が約300度「全方向タイプ」のどちらかを選びます。

配光角度が約300度と、光が広がる「広配向タイプ」のLED電球。白熱電球のような光を求める場合はこれを選ぶ こちらは配光角度が約120度の下方向タイプ。光は白熱電球のようには広がらないが、電球直下は明るい。広配向タイプよりも価格が安めなのもポイント
白熱電球とLED電球の配光特性の違いを説明する嶋田氏。同じ明るさでも、配光の違いによって明るさの印象は変わる

 といいますのも、LED電球は光の配光特性が大きく異なります。白熱電球は光が口金方向へも広がるのに対し、LED電球は下方向に集中して膨れるような形で広がります。たとえば、明るさが同じ485lmで、照らされる面積が同じでも、直下に強いタイプのLED電球は光が下方向に集まります。一方、全方向(全配光)タイプは、口金付近へも光が広がるようにできています。取り付ける器具に応じて選ぶことで、従来光源から取り替えて違和感のない取り替えができるでしょう」(嶋田氏)

 「全方向タイプの拡散性は、白熱電球と比べても全く遜色がない配光性能を備えているのが特徴です。しかも、LED電球は点灯した瞬間から明るく、また外気温の影響を受けにくいので、電球形蛍光灯を用いている場所の取り替えにも向いている他、白熱電球よりも振動に強い特徴があります。

 加えて白熱電球の場合は、厳密なところで、フィラメントの張りによって明るさが若干変わってしまうことがあります。しかしパナソニックのLED電球は、厳しい審査、試験を経て、製品化されているため、個体に因るばらつきも最小限にとどまっています」(三上氏)

パナソニックがお勧めする、LED電球の選び方

 白熱電球とLED電球の配光特性が違うことを覚えておけば、正しいLED電球を選ぶ方法は、必ずしも難しくはないようだ。まず、基本的な明るさは「ルーメン」で選び、次に、配光性能を選ぶ。下向きの器具なら「直下に強いタイプ」、白熱電球のような光の広がりを求めるなら、「全方向タイプ」を選べばいい。個体のばらつきは心配することではないようなので、多灯タイプの器具のために複数個を買い揃えても安心だろう。


新しいLED電球にも品質マイスターの洗礼が

クリアタイプの白熱電球との置き換えを狙った「クリアLED電球」の新製品「LDA6L/C」。全光束は485lmで、40W形白熱電球と同等の明るさを備えている

 取材の最後に、嶋田氏と三上氏から新しい電球を紹介された。7月に発売された、カバーが透明で、クリアタイプの白熱電球との置き換えを狙った「クリアLED電球」の新製品「LDA6L/C」だ。

 この電球は、昨年発売された全光束210lmの「LDA4L/C」のより明るいタイプで、全光束は485lm、40W形相当の明るさを備えている。クリア電球らしいきらめき感、フィラメントを模したLEDユニットのデザインは残したまま、さらに明るくなっている。


クリアLED電球「LDA6L/C」を、40W形クリア電球と並べたところ。明るさに遜色はない

 「消費電力は4.4Wから6.4Wへ1.4倍強大きくなりましたが、全光束値は210lmから485lmと2倍以上明るく、効率もアップしています。国内では半分近く60W形の明るさが求められ、2番目に40W形と続きます。明るさの需要に応えようと開発がスタートしました。

 明るさだけでなく、効率も向上させるため、全体の設計から見直す必要がありました。明るくすれば、放熱部はどうしても大きくなってしまいます。クリア電球らしいデザイン性を継承しつつ、明るくてコンパクトな放熱部にするために、内部構造、使用する素材の構成、LEDモジュールの形状・大きさなど、細かくも大幅なテコ入れが必要でした」(嶋田氏)

 明るくなったクリアタイプのLED電球も、開発当初から品質マイスター達の洗礼をたっぷり受けたという。公正な目ではじき出された測定結果を元に、放熱の設計の見直し、度重なる試行錯誤を繰り返し、やっと製品化にこぎつけたそうだ。

 取材中に感じるのは、技術者の電球への思いとこだわり、そして、電球が持つきらめきやぬくもりなど、数値では表せない、感覚に訴える部分まで進化させ、残していきたいという情熱だ。LED電球のパッケージに、当たり前のように記載されているルーメンの数値は、微塵の妥協も許さない品質マイスターが支え、見守っているのだ。






2012年9月11日 00:00