今冬の暖房は石油ストーブの需要が急拡大、Gfk調べ
GfK(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン)は、家電量販店店頭における暖房家電の販売動向を発表した。調査によると、防災、節電意識の高まりから、石油ストーブの需要が急拡大。すでに今年10月第1週の販売台数は、例年の需要ピークである12月の水準に達しているという。
石油ストーブ 週次販売台数推移 |
石油暖房市場は過去10年間縮小傾向であったが、震災をきっかけとした防災、節電意識の高まりから、需要が著しく高まった。特に石油ストーブは、AC電源を必要とせず、停電時も運転できるため需要が増加しているという。
今年は市場の立ち上がりも早く、販売台数は例年に比べ約2カ月前倒しで推移している。
立ち上がりが早い理由として、今夏の節電対策として扇風機が注目を浴び、最も暑い時期には在庫不足になったという経緯がある。そのため、販売店ではこの扇風機の事例を教訓に、暖房器具の売り場を例年より早い時期から場所をとって設置し、消費者の早期購入意欲を後押ししているという。
なお、石油暖房の9月の販売台数は、石油ストーブが前年同月の約16倍、石油ファンヒータが1.8倍となった。
■こたつ、電気カーペット、電気毛布などの電気暖房も好調
暖房家電コーナーが早期に設置されたことにより、電気暖房の需要も前年を上回っているという。
9月の販売台数は、こたつが前年比1.9倍、電気カーペットが同1.3倍、電気毛布が同1.4倍となっている。Gfkではこれらの動向から、エアコンなどのメイン暖房と組み合わせて使用する“サブ暖房”が需要を拡大しているとみている。
さらに、電気暖房でも「省電力運転モード」や「センサー機能」といった節電機能の搭載がみられる。具体的には、電気カーペットの「面積切替機能」は、必要な箇所だけ運転できるため、節電に効果的とされている。
メイン暖房として使われるエアコンは、1年を通して使用する家電として、暖房機能の強化と、省エネ性の向上が追求されているという。エアコンの9月の販売台数は、残暑・エコポイントによる特需があった前年を約3割下回ったものの、早期暖房需要や節電対策としての買い替え需要を背景に、2008年、2009年同期を大きく上回ったとしている。
GfKでは、今冬の暖房家電市場は、暖房器具の「組み合わせ使用/使い分けによる節電」をキーワードに需要の活性化が期待されるとしている。
暖房家電 カテゴリ別の8月と9月の販売台数推移 |
(小林 樹)
2011年10月7日 15:20