日立、“ダイレクト照射”で明るさと省エネを両立するLEDシーリングライト

~省エネ基準達成率139%の蛍光灯シーリングも同時発売

 日立アプライアンスは、明るさと省エネの両立を狙った「ダイレクト照射方式」のLEDシーリングライトシリーズを、10月8日に発売する。

 価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格は14畳向けの「LEC-AH800」が85,000円前後、10畳向けの「LEC-AH600」が65,000円前後、8畳向けの「LEC-AH500」が55,000円前後。



明るさと省エネを狙う「ダイレクト照射方式」を採用。調光・調色も可能

LEDシーリングライト「LEC-AH800」(左)とカットモデル(右)。天井に取り付けた際に、LEDが直接下を向く「ダイレクト照射方式」を採用

 日立グループでは初となるLEDシーリングライトで、光源となるLEDを照射方向に直接向けて、明るい光を実現するという「ダイレクト照射方式」が特徴。14畳向けのLEC-AA800を設置した場合、全192個のLEDモジュールがすべて下を向く構造となっている。さらに、これらのLEDから発する熱を効率的に逃がす「大型放熱構造」も採用することで、消費電力の抑制と大光量が両立できるという。

 またLEDモジュールには、2つのLEDモジュールを半球状の樹脂で覆った、同社独自の「ドーム型LEDユニット」を採用。このユニットとカバーをドーナツ状に配置し、またカバーとLEDとの位置を最適化することで、LEDの光の粒が目立つことなく、カバー全体がきれいに光るという。

大型放熱構造を採用することで、LEDの熱を逃して、効率をアップさせるという「ダイレクト照射方式」の特徴。ロスが少ない明るい光が実現できるという
カバー内部に取り付けられたLEDユニット内部には、モジュールを2個ずつ覆う「ドーム型LEDユニット」が用意されている
カットモデル。LEDは円周状(ドーナツ状)に取り付けられているカバーを付けた状態で、ストロボを焚かずに撮影した。LEDの粒は見えず、均一な光だ
 省エネ機能としては、部屋の明るさを自動で検知し、あらかじめ設定した好みの明るさに調節する「[eco]これっきりボタン」も搭載。外光が明るいときは自動で減光、あるいは消灯し、消費電力を抑える。また、現在使用している状態から、消費電力を約15%節電する「節電ボタン」も用意される。

 このほか、リモコン操作による調色・調光機能も搭載。調色は昼白色相当から電球色相当まで、10段階で切り替えられる。調光は約5%から100%まで、全20段階で調節できる。

周囲の明るさに応じて調光、節電する「[eco]これっきりボタン」も搭載リモコン中央の緑色の部分が「[eco]これっきりボタン」調光、調色も可能

「[eco]これっきりボタン」使用中に周囲を明るくすると、自動で消灯し、逆に周囲を暗くすると、自動で点灯する。なお、動画はデモ運転のため、調光スピードが速い調色をしているところ

 LEC-AH800の本体サイズは680×131mm(直径×高さ)。光源寿命は40,000時間。なお、消費電力などの細かいスペックは現在のところ未定。

 下位モデルとして、調色機能が省かれたタイプも用意される。14畳向けの「LEC-AA800」が70,000円前後、10畳向けの「LEC-AA600」が50,000円前後、8畳向けの「LEC-AA500」が40,000円前後。


省エネ基準達成率は139%、LEDの補助灯も搭載の蛍光灯シーリング「マルチリング」

マルチリング MRC-AS4800

 蛍光灯のシーリングライトの新製品として、高い省エネ性能を備えた「マルチリング」シリーズも、同時に発売する。価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は10~14畳向けの「MRC-AS4800」が51,000円前後、8~12畳向けの「MRC-AS3700」が38,000円前後、6~10畳向けの「MRC-AH3600」が31,000円前後。

 光源に、長い蛍光管を3重または4重に巻いた“多重環構造”の蛍光灯を採用したシーリングライト。10~14畳向けで使用される、130W形で4重の蛍光灯の場合、従来の140Wの2重蛍光灯と比べて、蛍光管の長さが約1.2倍になったという。蛍光管は長ければ長いほど発光効率が高くなるため、従来光源と同じ明るさを確保しながら、消費電力を約17%削減するという。

 この省エネ効果により、蛍光灯シーリングライトとしての省エネ基準達成率は、2012年基準で「139%」という高い数値になった。

マルチリングに使用される蛍光灯。写真は130W形の「4重環」タイプ4重の蛍光管は、実はすべてつながっている。写真はロープで表したもの従来の蛍光灯と比べると、長さは1.2倍になり、消費電力も約17%削減できるという
 また、シーリングライトのカバーを、外周部にも光が届きやすいデザインへ変更。点灯時にムラがなく、器具がキレイに光るという

 定格寿命は蛍光灯としては長い21,000時間。蛍光管のフィラメントに「トリプルコイル」という部品を採用することで、蛍光管内に電子を放出する物質「エミッタ」の保持率が高くなり、長寿命が実現できるという。同社では寿命について「約10年」としている。

従来光源と比較した、カバーの光り方実物の比較を、ストロボを焚かずに撮影したもの。中央とフチの部分に、明るさの差が出ている
エミッタを多く保持できるよう、トリプルコイルを採用する写真上が、同社従来品のダブルコイル、下がトリプルコイルトリプルコイルにエミッタを塗布したところ
内蔵バッテリーで光るLED補助灯も搭載。停電時でも点灯できる

 停電時の備えとしては、内蔵バッテリーで光るLED補助灯を搭載。電源としてニッケル水素電池を採用しており、停電時でもリモコン操作で点灯できる。連続点灯時間は最大で5時間。

 節電機能では、LEDシーリングライトと同様に「[eco]これっきりボタン」と「節電ボタン」を採用。約15~100の調光にも対応する。

 MRC-AS4800の本体サイズは770×185mm(直径×高さ)で、重量は4.3kg。全光束は12,390lm。消費電力は97W。

 下位モデルとして、調色機能が省かれたタイプも用意される。14畳向けの「LEC-AA800」が70,000円前後、10畳向けの「LEC-AA600」が50,000円前後、8畳向けの「LEC-AA500」が40,000円前後。

 なお、マルチリングの蛍光灯の光源単体では、現在のところ販売の予定はない。


マルチリングは“第三の光源”

日立アプライアンス 常務取締役 石井吉太郎 家電事業部長

 日立アプライアンス 常務取締役 石井吉太郎 家電事業部長は、LEDシーリングライトを発売することについて、「LEDは市場で“暗い”という評価を受けている。それを払拭するような、明るさを追求した商品となる」と、明るさに関する自信を見せた。

 また、蛍光灯のシーリングライトも同時に発売する狙いについては、「世の中がすべてLEDという流れだが、発光効率という点では、日立のインバーターで動く蛍光灯はLEDに負けていない。その証として、明るさはそのままで大幅に消費電力を削減する技術をマルチリングに盛り込んだ。私はあえて、(マルチリングを)“第三の光源”と呼びたい」と、マルチリングにも高い節電効果があることを説明した。






(正藤 慶一)

2011年8月30日 17:51