パナソニック、幅/奥行60cmでマンションにも置ける“ななめドラム”

~“プチ”と“トール”投入でラインナップを拡充

 パナソニックは、ドラム式洗濯乾燥機の新製品として、幅/奥行共に60cmの「プチドラム NA-VD100L/200L」2機種と、投入口を従来より10cm高くした「トールドラム NA-VT8000」の計3機種を4月15日より発売する。価格はオープンプライス。プチドラムの店頭予想価格は、NA-VD100Lが15万円前後、NA-VD200Lが16万円前後。トールドラムは30万円前後。

プチドラム NA-VD100Lプチドラム NA-VD200Lトールドラム NA-VT8000

 パナソニックのドラム式洗濯乾燥機「ななめドラム」の新モデル。ドラム式洗濯乾燥機は、買い換えたい、欲しいというニーズはあるものの、市場全体で見ると横ばい状態で、同社の販売構成比でも縦型が86%を占め、ドラム式は14%にとどまっている。

 同社では、販売を伸ばしきれていない要因として、高価格であること、サイズの問題を挙げる。同社では、これらの問題を踏まえサイズがコンパクトで価格を抑えた若年層向けのモデルと、買い替え需要に対応した高齢者向けの2モデルを投入する。

 パナソニックでは、昨年発売した「NA-VX7000」に今回の2モデルを加え、ニーズに合わせたラインナップの拡充を図っていくとする。

同社の洗濯機の構成比では縦型が86%を占め、ドラム式は14%にとどまっているというドラム式を欲しいというニーズはあるのに、価格やサイズがネックになって導入できない人が多いという家族の構成比などを考慮して新しいラインナップを投入することが重要だとする
今回発売した2モデルに従来の「NA-VX7000」を加え、ラインナップを拡充していくという従来の「NA-VX7000」(右)に比べるとプチドラムはかなり小さいトールドラム(右)は、従来より約7cmほど高い作りで、投入口は従来より約10cm高くなっている

縦型と置き換えできる「プチドラム」

右から「プチドラム NA-VD100L」「NA-VD200L」

 「プチドラム NA-VD100L/200L」は、アラサー世代と言われる30代独身世代や、2人世帯をターゲットとした、洗濯容量6kg、乾燥容量3kgのドラム式洗濯乾燥機。本体サイズ(排水ホース含まず)は、596×596×920mm(幅×奥行き×高さ)で、単身用マンションにも置けるコンパクトな本体サイズが特徴。従来の縦型洗濯機と置き換えて設置できるという。

 本体をコンパクトにするため、乾燥ユニットと熱交換器を薄型化したほか、洗濯槽と本体の隙間を少なくするために「3D見張りセンサー」を採用する。3D見張りセンサーは、上下・左右・前後の動きをリアルタイムで判定し、ドラムの回転数などを制御するため、振動を抑えた運転が可能で、外槽と本体の間に設けるスペースを少なくできるという。

縦型洗濯機と変わらない本体サイズを実現した洗面所に設置したイメージカットモデル。乾燥ユニットと熱交換器を薄型化したほか、振動を抑える「3D見張りセンサー」を採用する
「NA-VD200L」の操作パネルドアを開けたところドラム内部

 乾燥方式は「ヒーター乾燥方式」を採用。同シリーズのハイエンドモデルでは、消費電力がヒーター式の半分以下の「ヒートポンプ乾燥方式」を採用するが、プチドラムでは、本体サイズを抑えることを優先したためヒーター乾燥方式を採用したという。

 洗濯機能では、“たたき洗い”と“もみ洗い”を組み合わせた「ダンシング洗浄」を採用。運転コースでは、洗濯~乾燥まで続けてできる「おまかせコース」、シワを抑えて乾燥させる「念入り仕上げコース」、シングルサイズの毛布の洗濯・乾燥まで行なう「毛布コース」、運転音を抑える「ナイトコース」などを備える。

 本体重量は72kg。3kgの洗濯・乾燥時の標準仕様水量は95L、消費電力量は約1,680Wh。洗濯時の運転音は約32dB、脱水時は約42dB、乾燥時は約45dB。

 なお、NA-VD200Lは、独身アラサー(30代前後)世代をターゲットとした家電製品シリーズ「NIGHT COLOR」のラインナップに加えられる。本体カラーはコモンブラック。NA-VD100Lとは、本体カラーのほかに運転音が異なっており、NA-VD200Lの運転音の方が1dB小さい。

使いやすさだけでなく、機能も充実「トールドラム」

 「トールドラム NA-VT8000」はすでにドラム式洗濯乾燥機を使っているユーザーの買い換え対象モデルとして開発されたモデル。衣類の取り出しやすさを重視し、ドラム投入口を、従来モデルより約10cm高くしたほか、洗濯、乾燥機能や省エネ機能も充実している。洗濯容量9kg/乾燥容量6kgで、左開きと右開きが用意される。

 本体サイズは600×716×1,098mm(幅×奥行き×高さ)で、従来モデルに比べると本体が高く、衣類の投入口は約10cm高く配置している。これにより、背の高い人や、腰・ひざを曲げるのが困難な高齢者にも使いやすくなったという。

投入口が高い方が使いやすいと答えた人が多かったという本体の基本機能はハイエンドモデルの「NA-VX7000」と同等。さらにトールドラムでは洗濯時間を短縮している
操作パネルドアを開けたところドラム内部

 洗濯機能では、同社独自の「全方位シャワー」機能を更に進化させ、衣類9kgの洗濯時間を“業界最速”の35分とした。全方位シャワーとは、ドラム槽の内部7カ所から強力水流を放出するもので、洗浄液の浸透スピードが短縮できるというもの。NA-VT8000では、全方位シャワーをすすぎの給水中にも動作させることで、すすぎの効率を上げて、時間短縮に成功している。

すすぎの給水中に全方位シャワーを動作させることで、効率があがり、時間短縮になったという全方位シャワーの放出口

 省エネ機能としては、センサーで布量、泥汚れ、汗汚れ、乾燥状態を検知し、洗濯時間/水量/消費電力を自動で制御し、無駄を防ぐ「エコナビ」機能を搭載する。乾燥方式は「「ヒートポンプ乾燥方式」を採用する。

 そのほか、ドラム槽の黒カビ抑制効果、衣類の除菌・消臭効果がある「ナノイー」イオン放出機能などを備える。

 重量は82kg。6kgの衣類を洗濯~乾燥する時の標準仕様水量は53L。消費電力量は約690Wh。洗濯時の運転音は32dB、脱水時は41dB、乾燥時は42dB。





(阿部 夏子)

2011年3月4日 16:38