【CEATEC JAPAN 2009】
シャープと京セラ、最新の高効率モジュールなど太陽電池をアピール


 千葉市の幕張メッセにて、10月6日から10日まで開催されるCEATEC JAPAN 2009において、シャープと京セラが、太陽電池の展示を行なった。



CEATEC JAPAN 2009でのシャープのブース。エコ・ポジティブカンパニーをテーマとしており、太陽電池は重要な製品の1つ
 シャープは“エコ・ポジティブカンパニー”をテーマに出展。メインステージにも太陽電池パネルを展示したほか、ステージでのプレゼンテーションのなかでも家庭内における創エネ、省エネの提案を行ない、太陽電池の強みを訴求してみせた。

 ブース内では、すでに発売している薄膜太陽電池やソーラー・LED照明灯を展示。そのほか、最大出力が450mWとなる携帯電話用の高効率ソーラーモジュールを参考展示。今後は、携帯電話への採用が促進される可能性を示した。

 さらに、メインステージに横には、天井部にソーラーパネルを搭載した電気自動車を参考展示。来場者の関心を集めていた。

 また、シャープが来年3月までに稼働させるシャープグリーンフロント堺の薄膜太陽電池工場(液晶パネル工場は10月1日から稼働)についても解説。シャープが提案するソーラータウンのコンセプト模型を展示して、“地産地消型”のビジネスモデルを提案した。

シャープが展示した薄膜太陽電池モジュール(左)とソーラーLED照明灯参考展示となった、ソーラーパネル搭載電気自動車。写真は屋根の部分参考出品した高効率ソーラーモジュール。携帯端末などに利用できる。最大出力は450mWとなる。
ソーラータウンのコンセプト模型シャープが新たに稼動するシャープグリーンフロント堺では薄膜太陽電池を生産する



京セラのブースでは、太陽電池が前面に展示されていた
 電子部品・デバイス&装置ステージに出展した京セラは、ブース前面に太陽電池を展示。世界トップレベルの変換効率セルであることを訴求したほか、京セラ製の太陽電池が、トヨタのプリウスにも搭載されていることをアピールしていたのが印象的だ。

 ブース内では、同社の太陽電池「SAMURAI」を展示し、長さの異なる2種類の太陽電池を組み合わせることで屋根のスペースを有効に活用した設置が可能になるメリットや、厚さ8mmであること、屋根との一体感を演出する「Step Style」(ステップスタイル)を採用している強みなどを訴えた。

世界トップレベルの変換効率セルを使用した太陽光電池京セラの太陽電池「SAMURAI」。屋根との一体感を重視した「Step Style」を採用している京セラ製の太陽電池はプリウスにも搭載されている

 さらに、公共、産業用太陽光発電システムとしては国内実績ナンバーワンであること、京セラならではの製品品質、営業品質、施工品質、サービス品質などの特徴について触れていた。

 また、携帯電話向けに提供するソーラーセルモジュールを参考出品。さらに、太陽電池搭載のデザインコンセプトモデル「NXT」および「Eos」を展示。どちらも端末背面にソーラーセルを搭載しており、デザイン性にも優れたものとした。

京セラが参考展示した太陽電池搭載のデザインコンセプトモデル「NXT」。端末背面にソーラーセルを搭載している参考出品となったソーラーセルモジュール。携帯電話向けに提供する



パナソニックの大坪文雄社長は、初日の基調講演に登壇

 一方、開催初日に行なわれた基調講演では、パナソニックの大坪文雄社長が登壇。「新しい時代の『くらし価値創造』を目指して」をテーマに講演するなか、「エコなくらし」として、パナソニックによって提供される商品の省エネに加えて、燃料電池や太陽電池による創エネ、リチウムイオン電池による蓄エネなどに言及。さらに、エネルギーマネジメントの提案が可能なメーカーであることを示した。

 「太陽電池などによる創エネと、省エネ、蓄エネを組み合わせることで、トータルでの利用効率が高まり、CO2±Oのくらしを提案できる。この提案は大きく仕掛けていきたい」(大坪社長)

パナソニックでは、CO2をメタノールに変換する光触媒技術を研究中だという
 また、研究段階にある光触媒技術については「水素から生成したデバイスを太陽光パネルに実装することで、CO2を排出せずに燃料電池での電力/給湯供給が可能になる。また、CO2をメタノールに交換できる光触媒技術を研究中しており、これは、バイオ燃料車の動力源に利用できる」と言及した。

 なお、これらの技術についてはパソナニックブースでは展示されていない。



【10/7 追記】


 CEATEC JAPAN 2009の会場となった幕張メッセでは、初日となる10月6日に、太陽電池設備を新たに設置している。

 設置場所は、国際会議場前正面広場の大型広報板の両側。1枚あたり1318×1004×46mmのソーラーパネル36枚を使用し、発電した電力を施設内で利用するほか、来場者に対する太陽光発電の普及促進に利用できるとしている。

 幕張メッセは、1989年(平成元年)にオープン。今回の太陽光発電の設置は、開業20周年を機に設置したものとする一方で、CEATEC JAPAN 2009のテーマである「低炭素社会への挑戦」に呼応したものとした。

【10/8 追加】 会場となった幕張メッセ。太陽電池パネルが設置されている




(大河原 克行)

2009年10月7日 00:00