シャープ、集光型太陽電池セルで“世界最高”変換効率43.5%を達成

世界最高変換効率の43.5%を達成した集光型の化合物3接合太陽電池

　シャープは、集光型太陽電池セルで世界最高の変換効率となる43.5%を達成したと発表した。

　太陽光をレンズで集めて電気に変換する「集光型」の化合物3接合太陽電池セル。今回開発したセルは、インジウムガリウムヒ素をボトム層とする3つの光吸収層を効率良く積み上げる同社独自の技術を採用。集光した太陽光を電気に効率良く変換する。

　さらに電気抵抗を最小限に抑えるために、受光面の電極の間隔を最適化。これにより、研究レベルの集光型太陽電池セルにおいて、世界最高の変換効率となる43.5%を達成したという。これは、2011年3月に米国のSolar Junction社が達成したものと同率となっている。

太陽光をレンズで集光して電気に変換する集光型化合物3接合太陽電池セル。3つの光吸収層を持ち、効率よく電気に変換する

　なお、本開発は、NEDOの「革新的太陽光発電技術研究開発」プロジェクトの一環として行なわれた。変換効率の測定は、ドイツのフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所において確認されている。

　化合物太陽電池セルは、特殊用途として人工衛星などに使用されている。同社では、今回の開発成果を、小面積の太陽電池セルで発電できる集光型システムに応用し、地上用途への展開を目指していくとしている。