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小麦関連の値上げが続く裏で、お米の価格は下がってる? 食卓に起きている意識の変化

タイガー魔法瓶が、「物価高騰に伴う家庭の食卓の変化に関する調査」を実施

タイガー魔法瓶は、全国20代~60代の料理習慣のある既婚者男女を対象に「物価高騰に伴う家庭の食卓の変化に関する調査」を実施。同アンケート調査の結果を公表した。

今年値上げされた食品は2万品目超。一方で米の価格は安定

身近な食品が値上げされることが、よく話題に上っている。背景としては円安による輸入原料や飼料・肥料コストの増加やエネルギー価格の高騰があり、小麦製品や加工食品などを中心に、各社から様々な食品の値上げが発表されている。タイガーの調べによれば、1月〜8月までで値上げが行なわれた食品は、2万品目を超えるという。

一方で、総務省が公表している小売物価統計によると、2022年8月時点でコメの小売価格(5kgあたり)は、コシヒカリが前年同月比-1.8%、コシヒカリ以外の銘柄の平均が前年同月比-5.2%となっている。

さらに農林水産省の「米に関するマンスリーレポート」によれば、令和3年(2021年)産米の2022年7月の相対取引価格は、全銘柄平均で前月から-25円となっている。同じく令和3年産米の2021年9月~2022年7月の平均価格は、令和2年(2020年)産米と比較すると-1,690円、令和元年(2019年)産米とでは-2,877円だという。

上記の発表データからタイガー魔法瓶は、「小麦製品の高騰が続いているのに対し、コメの小売価格は直近3カ年においても高騰の波が届いていない」と分析している。

関連情報:農林水産省「米に関するマンスリーレポート」(令和4年9月号)

物価高騰に伴い、家庭の食卓における意識はどう変化した?

そうした状況のなか、同社は9月7日〜8日に、週に4回以上料理をする20〜50代の男女328名にアンケートを実施した。以下が、アンケートの質問内容と結果だ。

「食品価格の高騰により、メニューや材料を変えるなど、日々の献立にも影響がでていると思いますか?」については、75.9%の人が「はい(影響がでている)」と答えている。また「小麦などお米以外の穀物が値上がりしているいま、お米を食べる量を増やしたいと思いますか?」については、70.7%が「はい」と答える結果となった。

食品価格の高騰の影響は、家庭の食事にも影響が出ている
物価高騰の影響で、お米を食べる量を増やしたい人は多い

一方で、「パンや麺の値上げの影響で、主食にお米が増えましたか?」については、「増えた」が意外に少なく24.1%で、「変わらない」が最も多く、69.7%だった。食習慣を変更するよりは、現状の値上げ程度であれば許容できるという人が多いのかもしれない。また、米の価格が値下がり傾向にあること、少なくとも小麦関連の食品のようには、値上げされて“いない”ことが、知られていないのかもしれない。同社の「2020年以降、お米の価格が値下がり傾向であることを知っていましたか?」という質問に、70%近い人が「いいえ(知らなかった)」と回答している。

一方で、積極的に米食へシフトしている家庭は多くない印象だ
お米の価格が値下がり傾向にあることを知らない、または実感していない人は多い

その上で「お米を食べる量を増やす上でやっていること・やりたいことはありますか?」については、「朝食をパンからごはんに切り替える」や「ごはんがすすむようなおかず作りを行なう」、「炊いたごはんを冷凍(保存)して食べる」などといった回答があった。

お米を食べる量を増やす上で、やっていること・やりたいこと

最後に、炊飯器メーカーらしい質問として「米が値下がり傾向であるいま、おいしくごはんが炊ける炊飯器への見直しを検討していますか?」については、過半数の約60%が「いいえ(考えていません)」と答えているものの、約40%もの人は「はい」と回答。ごはんを美味しく炊くことで、自然とごはんを食べる割合が増える可能性はありそうだ。

小麦関連食品や家電製品も含めて、様々な価格が引き上げられている今、美味しく楽しい食事を維持するにはどうすればよいのか。これまで以上に、真剣に考える必要が出てくるかもしれない。

炊飯器の見直しを約40%の人が考えているという