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指で触らない「空中タッチインターホン」実用化へ、マンションで実験
2022年1月13日 16:37
大和ハウス工業とパナソニック、アスカネットの3社は、触らずに操作できる「空中タッチインターホン」の共同実証実験を、開発中の分譲マンションにおいて1月15日より開始する。集合住宅における空中タッチディスプレイ活用の実験は業界初だという。
実証実験を行なうのは、大和ハウス工業が開発中の分譲マンション「プレミスト津田山」(神奈川県川崎市高津区)のマンションサロンエントランス。訪問先の部屋番号を押すときに、既存のボタン式のインターホンの代わりに空中タッチインターホンを設置しており、そこでの意見などを集めながら、実用化への課題検討を進める。実験の期間は6カ月前後。
アスカネットが2020年に実施した「コロナショック前後のモノとの接触」に関する意識調査(全国1,204名の男女の回答を集計)によると、コロナ禍で約8割の人がボタンやドアノブなどモノとの接触が気になると回答している。
大和ハウス工業はこれまで、分譲マンションの専有部に抗ウイルスや抗菌剤を施した床材や建具などを採用、共用部では非接触キーやハンズフリーエレベーターを導入するなど「非接触化」を進めてきたが、これまで非接触化ができていなかったインターホンについても、パナソニックとアスカネットの協力を得て実験を行なう。
大和ハウス工業とパナソニックが開発した非接触でも入居者の呼び出しができる技術に、アスカネットが開発した空中ディスプレイ「ASKA3D」とパナソニック製インターホンを連携。実用化に向けて3社で検証する。宅配業者を含む来訪者も非接触でエントランス内のインターホン操作が可能となることを見込む。
「空中タッチインターホン」に使われているASKA3Dの仕組みは、光の反射を利用し、一般的な液晶モニターなどの表示が空中に浮かぶように見せるもの。空中で指を押し込むようにして操作できる。指の位置は、ディスプレイ上部に備えた赤外線センサーで検知する。直接触らないため、指紋などで汚れず、濡れた手や汚れた手でも操作ができる。また、操作している隣や後ろから画面が見えづらい点でセキュリティも確保しているという。
今回の空中タッチインターホンに使われる画面サイズは7インチ。画面から5cmほど手前の空間に見えるため、そこを指で押すように操作する。実際に試してみると、空中でタッチするためボタンを押した感触などはないが、指を前後にしっかり押し込むことで特に迷わず操作できた。
なお、今回実証実験するプレミスト津田山への空中タッチインターホンの導入予定はないが、今後3社で分譲マンションだけでなく、店舗やオフィスビルなど大型施設における導入の可能性も検討し、実用化を目指す。パナソニックとしては実験終了後1年をめどに製品化する予定だという。