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自宅でスタバの味を作れる? バルミューダのコーヒーメーカー特別モデルを体験
2021年11月9日 09:05
バルミューダがスターバックスと共同で開発したコーヒーメーカーの特別モデル「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION」。発表に合わせて東京・中目黒のスターバックス リザーブ ロースタリー 東京で製品が披露され、淹れたコーヒーを味わってきた。
今回登場したのは、バルミューダのオープンドリップ式コーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」と、STARBUCKS RESERVEがコラボレーションした特別モデル。価格は64,900円で、バルミューダのオンラインストアにて予約受付を開始しており、12月上旬に発売。また、スターバックス リザーブ ロースタリー 東京とスターバックスのオンラインストアでは、11月8日より先行発売している。
そのベースとなっているモデルBALMUDA The Brew(59,400円)は「目が覚めるようなストロングな味わいと、クリアな後味を両立した独自の抽出法」が特徴で、10月に発売された。緻密な温度制御や、コーヒーの個性を引き出すための0.2ml単位の正確なドリップ、クリアな後味を実現するという「バイパス注湯」を採用している。
スターバックスとコラボした特別モデルは、「スターバックスの体験を自宅で楽しむことができる唯一のコーヒーメーカー」と位置付けており、スタバの豆が持つ味を楽しむことに特化したチューニングを施した、独自の抽出方法だという。外観は、カッパーとダーククロームの配色が特徴的だが、味わえるコーヒーにもはっきりと違いがあり、「単なるコラボモデル」ではないとのこと。その味を体験してきた。
香りや余韻に違い。じっくり淹れて豆の良さを引き出す
全国にあるスターバックスの中でも特別な店舗の「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」は、世界各地で見つけた豆を生のまま店舗へ持ち込み焙煎もして提供する、こだわりの拠点。焙煎機のそばで、同条件のコーヒーの飲み比べなども体験できる。店内で味わうだけでなく国内各店舗ヘの発送も行なっている。
この場所で披露された今回のBALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITIONは、店舗の中央にある巨大なキャスク(コーヒー豆の熟成/貯蔵庫)を思わせるカッパー色のサーバーが目を引く。
コーヒーの淹れ方としては、クリアな後味を追求するために雑味成分が増えるのを防いでいる通常モデルに対し、特別モデルは豆そのものの味を引き出すために、スターバックスの意見をとり入れ、湯の量や注ぎ方に、ベースモデルと細かな違いがある。少なめの量の豆に、湯を少量ずつ注いでしっかり浸す形となり、同じ種類の豆でも「じんわり淹れる」とのこと。
実際に淹れてもらったコーヒーを味わってみた。豆はスターバックス リザーブ ロースタリー 東京で焙煎して提供している「スマトラ ブルー トバ」。
以前、9月に「BALMUDA The Brew」で味わった時は、“ストロング&クリア”という特徴がはっきり出ていたのが印象的だった。今回のコラボモデルは、飲む前の時点から豆の特徴である爽やかな香りがしっかり出ていて、飲んだ後の口に残るコクも強め。ベースモデルの基本的な個性は保ちつつ、味わいがより凝縮されたように感じた。
バルミューダが説明する通り、“どんな豆にも合うように作られた製品ではない”ため、この味は、ここで焙煎された豆との相性の良さもあるのだろう。STARBUCKS RESERVEの味を気に入っている人にはもちろんのこと、それ以外の種類を味わう時でも、豆の個性やクセまでとことん楽しみたい人にとって、特に魅力的なコーヒーメーカーなのではと思える。
湯量1mlの違いまでこだわり。自動運転の技術も活用!?
特別モデルの製品化にあたり、スターバックスジャパン コーヒースペシャリスト 江嵜譲二氏がバルミューダの開発に協力した。
1996年にスターバックスが上陸した当時、3号店のオープニングスタッフも務めていたという江嵜氏。今回のコラボが決まった当初の印象については「スターバックスには自社ブランドで電気式のコーヒーメーカーは出せていなかったこともあって、本当にワクワクした」と振り返る。「バルミューダとはカルチャーとしても寄り添えると思った。こだわりの部分も互いに認め合えた」と語った。
バルミューダの商品設計部で、BALMUDA The Brewのソフトウェア制御部分を担当したのは太田剛平氏。
同社に入る前から、自身の趣味で焙煎もするというコーヒー好きだった太田氏は、それまで自分が満足できるコーヒーメーカーが無かったと感じていたとのこと。
前職では車の自動運転に関する技術を担当していた太田氏。その開発で培った技術もコーヒーメーカーに活用しており、「タイヤを回したりハンドルを切るようなソフトウェア制御の知識も取り入れた」と説明した。
淹れるコーヒーの量は、杯数ではなくスターバックスと同様にショート/トールのサイズになっているといったこだわりも、バルミューダらしい。さらに細かいところでは、本体のモード名を表記する文字のフォントが、スターバックスのパッケージや店頭のメニューなどで使われているものを使っており、「全体でスターバックスを味わえる」(太田氏)という。
これまで自社で電動コーヒーメーカーを製品化していなかったスターバックスが、その味をバルミューダ製品で実現することについて江嵜氏は「ドリッパーの部分をいじれると聞いて、それならまず大丈夫だと思った」と自信をもっていたという。バルミューダとのやり取りについて「カルチャーとして寄り添えた。こだわりもお互い認め合えて、一緒にやって楽しかった」と振り返る。
太田氏は「江嵜さんの期待に応えるため、『ここを1ml少なくしたい』といったオーダーにも合わせられるように機械の安定性を作りこんだ。温度、湯量、タイミングなどの部分のソフトウェア制御にこだわった」と開発のポイントを説明した。