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光熱費ゼロの暮らしと最新家電が体験できる“宿FREEプロジェクト”ってなに?

 最新の省エネ家電やエコな暮らしが体験できる家に無料(FREE)で泊まれる「宿FREE」プロジェクトがスタートした。TOKYO FMラジオ番組「空想メディア」から生まれた、「日本の最新技術を体験できる、無料で泊まれる家があったらいいな」という発想が形になったもので、全国でエネルギー自立型住宅を展開するパナホームの協力を得て実現した。

 実際、「宿FREE」プロジェクトでは、どのような暮らしが体験できるのだろう。今回、2018年2月24日まで開催するSHONAN〔宿FREE〕で開放される建物を見学し、その魅力を体感してきた。なお、宿泊募集は応募者多数ですでに終了している。(1月10日現在。キャンセル発生時は、COOL CHOICEウェブサイトで随時告知する)

最新の省エネ家電とエコな暮らしが体験できるパナホームの住まいを見学してきた

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に宿泊できるプロジェクト

 SHONAN〔宿FREE〕で宿泊できる住戸は、神奈川・湘南エリアに2014年に誕生した新しい街『Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)』の一角にある。総開発面積約19haの街の中に、約1,000世帯の戸建てやマンションが計画されており、現在は約450世帯の戸建てをはじめ、コミッティセンターや広場、商業施設などが整然と並ぶ美しい街だ。

 開発のコンセプトは「生きるエネルギーがうまれる街」。「エコで健康・快適」な暮らしを持続させるため、街全体でさまざまな取り組みを行ないつつ、各住戸にも「創エネ・省エネ・蓄エネ」をかなえる最先端テクノロジーを導入している。

電線類を地中化することで、電柱や電線のないすっきりした景観が広がる
植栽に彩られた住民のコミュニティを育む街路「ガーデンパス」

 「宿FREE」プロジェクトで提供されている住まいは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)、略してZEH(ゼッチ)として設計されている。ZEHとは、住まいの断熱性・省エネ性能を上げ、太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間の一次エネルギー消費量(空調・給湯・照明・換気)の収支を概ねゼロにすることを目指した住宅のことだ。

 しかし、どのようにエネルギー消費量ゼロを目指しつつ、快適な暮らしがかなうのだろう。その取り組みを「宿FREE」の住まいから探っていきたい。

太陽光とエネファームのダブル発電で光熱費ゼロを実現

 宿FREEで提供される住戸は、日当たりのよい南東角向きにあった。一見、タイル貼りのモダンな建物という印象だが、屋根の上に太陽電池パネルが搭載されていることから、エネルギーを生み出す住まいであることがわかる。

 さらに家の裏には、酸素と水素で発電、給湯する「エネファーム」も設置されていた。つまり、太陽光発電とエネファームによる“ダブル発電システム”を備えているというわけだ。

太陽光発電システムのほか、都市ガスやLPガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて発電する「エネファーム」も設置。発電時に発生する熱を回収し、お湯をつくりだす

 家の中は、スタイリッシュなインテリアと最新家電で素敵にコーディネイトされていた。玄関からは、玄関ホールだけでなく和室に直接上がることもができるほか、リビングやキッチンからも外に出られる回遊性を備えるなど、暮らしやすい生活動線を確保している。

開放的なアイランドキッチンを備えたダイニング・キッチン。パナソニックの最新調理家電がずらりと並ぶ
おしゃれな家具でコーディネイトされたリビングには、55インチの有機ELテレビが設えられていた

 2階建ての住まいの1階は、リビング・ダイニング・キッチンと和室、バスルームなど、そして階段を上った2階に、主寝室と洋室が2つ、奥行きのあるバルコニーがある。宿泊用には、最大6名まで泊まれる寝具が用意されている。

電気の使用状況を“見える化”する「HEMS」をチェック

 この家丸ごと一軒で、どれくらいのエネルギーが使われているのだろう。それは、「ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)」を見れば一目瞭然だ。HEMSは、専用モニターのほか、システムをダウンロードしたスマートテレビでも確認できる。

キッチン横の壁に、家じゅうの設備が制御できるリモコンやモニターを設置。HEMSをチェックできるモニターもある
HEMSはテレビでも確認可能。電気の使用状況がひとめでわかる

 HEMSによると、取材時の発電量は、2.6kW。一方、使用しているのは、1.6kWのため、かかる光熱費はゼロだ。実際、この住戸は年間光熱費の収支は約0円、エネルギー自給率は約107%と、エネルギー収支ゼロ達成をうたっている。

 契約によっては、余った1kWを売電することもできる。またこれ以外にも、蓄電池には5.6kW分の電気が溜まっており、停電が起きたら自動的に蓄電池から給電されるというから安心だ。

 電気をどれだけ使っているかがひと目で分かれば、おのずと節電意識も高まる。例えば、1階の天井のダウンライトは、人がいる場所だけ点灯するなどシーンに合わせて使い分けることができる。そこで、節電した成果は、HEMSの数値に現れるのだから、モチベーションが上がるというものだ。

蓄電池は、1階和室のクローゼット奥に設置されている
1階のダウンライトは、複数のあかりをシーンに合わせて使い分ける「シンフォニーライティング」のリモコンで一括制御
シアターモード、リラックスモードなど、ボタン1つで点灯する場所が変わる

 ちなみに省エネの取り組みはFujisawa SST全体でも積極的に行なわれている。この達成率は、街のポータルサイトで確認できるため、街全体が一体となって省エネに取り組もうという意識につながっているようだ。

“5つ星省エネ家電”なら10年前より電気代大幅ダウン!

 SHONAN〔宿FREE〕の住まいには、パナソニックの最新家電も多数設置されていた。これらもまた、快適な暮らしの中で節電を実現する工夫のひとつだ。特に、エアコンと冷蔵庫は、省エネ性の高さを星の数で表示する「統一省エネルギーラベル」において、最高ランクの“5つ星”を取得したモデルを設置している。

エアコンは、2017年モデルの「CS-WX567C2」を設置。一人ひとりの暑い、寒い、の感覚を見分ける「温冷感センサー」を搭載し、快適性を高めている
冷蔵庫は、601Lと大容量の「NR-F603 WPV」。微凍結パーシャル、Wシャキシャキ野菜室など、食材を新鮮に長持ちさせる機能が満載だ

 実際、10年前のモデルに比べ、どれくらい省エネになるのかは、スマートフォンアプリ「カメラdeしんきゅうさん」で、型番の写真を撮ればすぐに分かる。設置されていたパナソニックの冷蔵庫最新モデル「NR-F603 WPV」の場合、10年前のモデルに比べて年間の電気代は、なんと約17,550~18,900円もお得になるという。それでいて性能もぐんと上がっているとくれば、買い換えても損はないかもしれない。

「カメラdeしんきゅうさん」のアプリで型番を撮影するだけ
10年前のモデルに比べ、電気代がどれだけお得になるかを計算してくれる。なんと2万円近い節約になるようだ

 もちろんZEHを実現するのは節電だけではない。この宿FREEの住まいの場合、天井や外壁はもちろん、基礎の内側まで断熱材で包み込むことで、熱ロスを抑制。さらに、夏涼しく冬暖かい床下の空気を「エコナビ搭載換気システム」で室内に取り込み、快適な室内環境を少ないエネルギーで実現しているという。

床下から入り込んだ空気を、高性能空気清浄機などに使われる「HEPAフィルター」でキレイにしてから、ダクトを通って各部屋へ送り込むエコナビ搭載換気システム「HEPA+(プラス)」を採用。家じゅうのホコリや花粉、PM2.5の数値を低く抑えられる

 そのほかエアコンや洗濯乾燥機、ロボット掃除機はスマートフォンからも操作可能なモデルが用意されていた。外出先からも操作できるので、帰宅前に掃除と洗濯を済ませることもでき、上手に使えば家事の効率アップや時短にもつながりそうだ。

住まいを楽しむ! 天体望遠鏡やバーベキューグッズも用意

 2階は、主寝室と洋室の2部屋構成だが、実際は主寝室と洋室の間に壁がなく、間取りでいうと「3(4)LDK」となっている。これは、子どもが小さいうちは同じ部屋で広々と過ごし、子どもが成長したら壁を後付けして個室にできるようにしているためだという。

 宿FREEの期間中は、冬の星空が楽しめるよう、2階主寝室にはVixenの天体望遠鏡が設置されている。さらにバルコニーには、「LOGOS」のグッズを取りそろえ、バーベキューを楽しむこともできるなど、家にいながらアウトドア気分を味わうことができそうだ。

本格的な天体望遠鏡を使って星空観察をすれば、家族の会話も弾みそうだ
バーベキューを楽しむもよし、ハンモックに揺られてのんびりくつろぐもよし

 最新技術が詰まったSHONAN〔宿FREE〕は最初から最後まで、驚きの連続だった。光熱費ゼロと言っても、決して何かを我慢しているわけではない。ボタン一つで灯りを使い分けたり、シャッターが開閉できたり、スマートフォンで家電が操作できるなど、今の生活にはない便利で快適な仕組みが至るところに用意されている。

 それでいて、省エネ性能が高く、もしものときも電気の備えがあるのも安心だ。そういう点でも、家族が安心して暮らせる、未来を見据えた住まいと言えるだろう。今回のSHONAN〔宿FREE〕はすでに予約でいっぱいになってしまったが、来年以降も開催を検討中とのこと。興味のある人は、COOL CHOICEのウェブサイトをこまめにチェックしてほしい。