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日立、“デリシャス冷凍”で冷凍食材のおいしさにもこだわった6ドア冷蔵庫

 日立アプライアンスは、冷凍した食材をおいしく保存できる“デリシャス冷凍”を新採用した冷凍冷蔵庫「XGシリーズ」を、8月25日より順次販売する。容量670L~430Lの6機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は40万~30万円前後。

冷凍冷蔵庫「XGシリーズ」

 6ドアタイプの冷凍冷蔵庫。食材の鮮度維持を追求した点が特徴。プラチナ触媒で鮮度を保つ真空チルドルームや野菜室に加えて、冷凍室の食材も美味しく保てる「デリシャス冷凍」を新たに採用した。食材をすばやく冷凍でき、解凍したときの美味しさや栄養を保てるという。

 同社の冷蔵庫を購入したユーザーに調査したところ、庫内各部屋の収納状況において、もっとも満杯になりやすい場所は冷凍室だったという。保存されている食品は、肉・魚・ごはんが多く、ホームフリージングしたそれらの食材は味が落ちると感じている人が多いことも判明した。こうした結果により、同社では冷凍する食材のおいしさに着目し、さらには収納量の確保との両立も目指したとしている。

冷凍室の食材をおいしく保てる「デリシャス冷凍」を新たに搭載

 日立アプライアンス 商品戦略本部 冷蔵庫・調理商品企画部 南雲 博文氏は、新モデルの特徴について以下のように語った。

 「日立の冷蔵庫を購入されているユーザーの多くが、真空チルドルームや新鮮スリープ野菜室などに満足していることがわかりました。肉や魚の日持ちの良さや、美味しさの長持ちなどに満足いただけており、鮮度保持に対するニーズは高いです。しかし冷凍室になると、半分以上の方が味落ちを感じています。新モデルでは、こうしたニーズにも応えられる製品にしました」

日立アプライアンス 商品戦略本部 冷蔵庫・調理商品企画部 南雲 博文氏
冷凍室は収納量の確保とおいしさの両立を図るという

大型アルミトレイですばやく冷凍し美味しさを保つ「デリシャス冷凍」

 新採用のデリシャス冷凍は、下段の冷凍室に大型のアルミトレイを設けた点が特徴。アルミは熱伝導性に優れており、食材の熱をすばやく奪って効率よく冷やすという。従来モデルにもアルミトレイを備えていたが、小さくて深さもあったため食材を重ねてしまう場合が多く、アルミの特性を活かし切れていなかった。

 新モデルでは、大きく薄型のアルミトレイにしたため、冷凍する食材を重ねずに並べて置けるようになった。これにより、保存する食材をすべてアルミの面に当たるように収納でき、効率よく冷やせるとしている。

中央の2段が冷凍室になっており、容量の大きい下段冷凍室に「デリシャス冷凍」を備える
大型のアルミトレイですばやく冷やす
新モデル(右)のアルミトレイは薄くて広い
大型アルミトレイにより、食材を並べて保存できる。アルミの面に当たるように置けて効率よく冷やせる

 会場では、アルミトレイの熱伝導性を実証する展示も行なわれた。アルミ製ボードと樹脂製ボードそれぞれに氷を置き、どちらが早く溶けるかを実験。アルミ製ボードに置かれた氷は1秒もするとすぐに溶け出し水っぽくなっていたが、樹脂製ボードの氷は1分ほど経ってもそのままの状態だった。

 また、通常冷凍とデリシャス冷凍の比較も行なわれた。牛肉を2つ用意し、通常冷凍とデリシャス冷凍でそれぞれ10日間保存。自然解凍した様子を見ると、通常冷凍した牛肉はドリップが流出していたが、デリシャス冷凍はドリップが流出していなかった。このほか同社の調査によると、ブロッコリーではビタミンCの残存量がデリシャス冷凍の方が多く、ごはんの再現度も高い結果になったという。

アルミ製ボードと樹脂製ボードで熱伝導性を比較
右がアルミ製ボード。1秒もすると氷が溶け出した
通常冷凍とデリシャス冷凍の比較。牛肉のドリップ流出に差がある

 下段冷凍室には、温度センサーも新たに備えており、食材の温度を検知して自動運転する。温かい食材を入れると、センサーが検知して冷気の量を増加させ、すばやく冷やす。スピーディーに冷凍することで氷結晶の成長を抑えられ、食材の細胞の破壊も防げるという。これにより、食感や風味を損なわず、栄養素も保てるとしている。

 庫内はたくさんの食材を収納でき、3段仕切り構成となっている。1段目にデリシャス冷凍、2段目に小物ケース、3段目に大物ケースを配置し、効率よく収納できる。冷凍室の容量は、上段冷凍室、下段冷凍室、製氷室すべて合わせて191L(R-XG6700G)。

温度センサーにより温度を感知して、温かい食材だと冷気の量を増加させて冷やす
操作部はタッチパネル。冷却モードパネルを長押しすると冷凍室をさらに急冷できるモードになる
下段冷凍室は3段仕切り構成。1段目がデリシャス冷凍
効率よくたくさんの冷凍食材を収納できる

新プラチナ触媒で肉・魚・野菜の鮮度維持をさらにアップ

 このほか、従来モデルより好評の、プラチナ触媒を搭載した真空チルドルームと新鮮スリープ野菜室も進化。

 冷蔵室下部に設けられた真空チルドルームは、チルドルーム内の空気をポンプで吸引して約0.8気圧の真空環境にできる。食品周囲の酸素を減らすことで酸化を抑えて、鮮度と栄養素を守るという。密閉構造なため、水分を逃さず乾燥を抑えられる。肉・魚が凍らない約-1℃の「真空氷温」モードや、豆腐など水分の多い食品が凍らない約1℃のモードに選択可能。

真空チルドルームと同じポンプで0.8気圧の真空環境をペットボトルで再現
0.8気圧にするとペットボトルがベコベコになった

 新モデルでは、プラチナ触媒に吸湿作用のあるセラミックを添加。低温環境でもエチレンガスやニオイ成分を分解する能力を向上させた、新プラチナ触媒としている。

 新プラチナ触媒により、肉や魚から出るニオイ成分を効率よく分解し、食材を新鮮に保つ炭酸ガスを従来に比べて約1.5倍生成できるようになった。炭酸ガスが食品表面の水分に溶け込むことで表面が弱酸性化し、酵素の働きを抑えて眠らせるように保存でき、鮮度の低下をさらに抑制するという。

真空チルドルームは冷蔵室下部に設けられている
3日間保存しても、マグロの色は鮮やかなまま

 また、新鮮スリープ野菜室にも新プラチナ触媒を採用。炭酸ガスの生成量を1.2倍にアップし、みずみずしさや栄養素を長持ちさせる。

野菜室にも新プラチナ触媒を採用。炭酸ガスの生成量をアップさせる
新鮮スリープ野菜室で保存した野菜とそうでないものでは、鮮度に差が出た

 容量670L「R-XG6700G」の本体サイズは、825×728×1,818mm(幅×奥行き×高さ)。各室の容量は、冷蔵室(真空チルドルーム)が354L(16L)、冷凍室が191L、野菜室が125L。

 シリーズ6機種ともに機能は共通で、本体サイズや各室の容量が異なる。いずれも本体カラーは、クリスタルブラウン、クリスタルシャンパン、クリスタルホワイトの3色を用意する。

 価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は、容量670L「R-XG6700G」が40万円前後、615L「R-XG6200G」が37万円前後、555L「R-XG5600G」が34万円前後、505L「R-XG5100G」が32万円前後、475L「R-XG4800G」が31万円前後、430L「R-XG4300G」が30万円前後。

いずれもクリスタルブラウン、クリスタルシャンパン、クリスタルホワイトの3色を用意
6機種ともに機能は共通で、サイズと各室の容量が異なる