長期レビュー
フィリップス「センソタッチ3D RQ1280CC」 その1
■シェーバーと言えばどんな形?
フィリップス「センソタッチ3D RQ1280CC」 |
シェーバーと言えば、横長のドーム型ヘッドの製品を思い浮かべる人が多いのではないだろうか? 電源を入れると「ブーン」と唸るような音をたてて振動し、ヒゲを刈るようにして剃っていく。今やすっかり主流になった印象の往復刃の方式だ。
これに対して、ヘッドの内部の刃をモーターで回転させる、回転刃方式のシェーバーにこだわり続けているのがフィリップスだ。
思い返せば、筆者が子供の頃、周りの大人達は回転刃のシェーバーを使っている人のほうが多かったように思えるが、最近では、どちらかというと少数派というイメージがある。
個人的にも、すっかり往復刃に慣れてしまったことから、回転刃のシェーバーにはこれまでなかなか手を出しにくかったのだが、今回、ようやく手にしたのが、このフィリップス「センソタッチ 3D RQ1280CC」だ。
メーカー | フィリップス |
製品名 | センソタッチ3D RQ1280CC |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 44,800円 |
フィリップスならではの、3つの回転刃が配置されたヘッド部分が印象的な製品だが、従来の製品よりもアゴ周りのフィット感を向上させた新製品となっている。長期間使う機会ができたので、今回から3回に渡ってレポートしていこう。
フィリップス「センソタッチ 3D RQ1280CC」。3つの回転刃をヘッドに配置したフィリップスならではの形状のシェーバー | フィリップスとブラウンのシェーバーのヘッドの違い。しくみが違うため形状もかなり異なる |
■回転刃で実現した高いフィット感
普段、往復刃を使っている人は、ぜひ一度試してみるべき。剃り味が全然違うまったく新しい感覚を体験できる |
いきなりだが、結論を言ってしまおう。もしも、回転刃のシェーバー、いやフィリップスのシェーバーを使ったことがない人がいるならば、この独特の剃り味をぜひ一度味わっておくべきだ。
詳しくは次回レポートするが、このRQ1280CCは、ソフトと言うかジェントルと言うか、回転刃ならではのやさしい剃り心地ながら、驚くほどしっかりとヒゲが剃れる。サーと肌を滑らせていると、いつの間にかヒゲがなくなっている、そんな不思議な感覚を味わえるシェーバーになっている。この感覚は今までにないものだ。
そんな、ある意味「不思議」とも思える感覚の剃り味を実現しているのは、ほかのシェーバーでは決して見られない、同社ならではの独自の形状をしたヘッド部分だ。
見ただけで違いがわかるが、フィリップスのシェーバーのヘッドは、3つの円形のシェービングヘッドを組み合わせた独特の形をしている。この3つのそれぞれがヒゲを剃るための刃の部分となっており、内部に配置された刃をモーターによって回転させることでヒゲを剃るしくみになっている。
正面 | 側面 |
ヘッド部分 | シェービングヘッド内部。モーターで回転式の刃を回すことでヒゲを剃る |
この形状は、もはやフィリップスのシェーバーの伝統とも言えるもので、このしくみのおかげで回転刃でも肌の形状に合わせて剃ることができるようになっているのだが、今回の新製品では、さらに、フィット感を高めるための“もうひと工夫”が搭載されている。
それが、「独立可動3Dシステム」と呼ばれる新機能。ヘッド全体が上下左右どの方向にも自由に動くようになっているのに加えて、この3つの回転刃が、それぞれ独立して外側、そして内側に傾くようになっており、アゴの部分など、複雑な形状の肌にもぴったりとフィットする仕様となっている。
同社の従来のシェーバーでは、シェービングヘッドの稼働方向が外側だけだったが、新たに内側に稼働するようになったおかげで、アゴのような凸状の部分も、ヘッドで包み込むようにして剃ることができるようになったわけだ。
ヘッド自体が自由に稼働し肌にフィット | 3つのシェービングヘッドが独立して稼働 | 新たに中央部を押すと内側に傾くようになり、アゴなどの凸部分にもフィットするようになった |
しかも、肌を優しくなでるような感覚を実現する「なめらかヘッド」という新機能を搭載しており、肌にしっかりとフィットしつつも、すべるような感覚でヒゲを剃ることができるようになっている。
もちろん、しっかりと剃るための工夫もなされている。従来機種から搭載されているのが、シェービングヘッド内に刃を3列並べた「トリプルトラックヘッド(3列刃搭載ヘッド)」、ヒゲを根元から引き上げてカットする「スーパーリフト&カット機能」などの機能となる。RQ1280CCでは、新たに外側の溝/中央のスキマ/内側の穴の3層でさまざまな長さのヒゲをキャッチする「ウルトラトラックヘッド」も搭載した。
前述したように、回転刃のシェーバーの良さは、やさしく剃れる点にあるが、この特徴を生かしつつ、アゴ周りを中心に肌へのフィット感を高め、さらに深剃りができるようにしたのが、RQ1280CCというわけだ。
■充電&自動洗浄でお手入れも安心
ジェットクリーンシステムで充電と自動洗浄に対応 |
というわけで、今回初めて、フィリップス製シェーバーを手にしたわけだが、機能的な面を見てみると、これまで使っていた往復刃のシェーバーと遜色ない印象だ。
お手入れの面でも、今回入手したRQ1280CCには、充電と自動洗浄が一緒に行なえるジェットクリーンシステムが付属しており、ヒゲを剃った後の洗浄、乾燥、潤滑剤によるメンテナンスが自動的にできるようになっている。
現状、シェーバーを購入するうえでは、単純な剃り味だけでなく、メンテナンスが楽か? いつでも清潔に使えるか? が重要なポイントとなるが、この点についても本製品はクリアしている。
とは言え、やはり重要なポイントとなるのは、実際の剃り味だ。往復式とどのように違うのかといった点などを次回詳しく見ていくことにしよう。
2010年9月3日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)