【クリスマスおもちゃ見本市2011】
うまい棒をカットするアイテムや、手を触れずに演奏できる楽器など
東京玩具人形問屋協同組合主催の「クリスマスおもちゃ見本市2011」が9月1日、2日の2日間、東京都立産業貿易センター 台東館にて開催された。
本見本市は、国内最大の業者向け玩具見本市であり、一般の入場不可。一昨年までは名称が「東日本玩具見本市」だったが、昨年から「クリスマスおもちゃ見本市」に変更された。クリスマスは玩具業界最大の需要期であり、さらにその後に続く正月商戦で、年間売り上げの約25%を占めるという。
会場では、そのクリスマス商戦に向けた各社の新製品が多数展示されていたが、家電Watchではその中から、大人が使えそうな製品や、会場で注目を集めていた製品を中心に紹介する。
■うまい棒をカット、スティック状やスパイラル状にするアイテム
タカラトミーアーツのブースで実演されていた「おかしなうまい棒スティックパーティー |
タカラトミーアーツのブースでは、「おかしなうまい棒スティックパーティー」が大きくアピールされており、来場者の注目を集めていた。
おかしなうまい棒スティックパーティーは、国民的スナック菓子「うまい棒」をより楽しむためのアイテム。ポテトチップスなどのお菓子を砕いてふりかけにする「おかしなフリカケ」、アイスキャンディーガリガリ君を砕いてカキ氷にする「おかしなかき氷ガリガリ君」に続く、“おかしなシリーズ”の第3弾となる。
使い方は非常に簡単で、スライサーをセットした筒状の本体にうまい棒を差し込み、プッシャーを押し込めば、うまい棒が棒状あるいはスパイラル状にスライスされる。
スパイラル状にスライスされたうまい棒は、2本を組み合わせることが可能。そのため、2種類の味の違ううまい棒を合わせて、自分だけのオリジナルうまい棒を作ることができる。
おかしなうまい棒スティックパーティは、「チーズカラー」「めんたいカラー」「コーンポタージュカラー」の3種類があり、付属するスライサーが異なる。スパイラル状にカットする「スパイラルスライサー」はすべての製品に付属するが、チーズカラーには6等分スライサーが、めんたいカラーは4等分スライサー、コーンポタージュカラーには8等分スライサーが付属する。スライスする太さによっても食感が変わるとのことで、いろいろ試してみると面白そうだ。
12月発売予定で、希望小売価格は699円。その名の通り、パーティを盛り上げるためのグッズとしてもお勧めだ。
スパイラルスライサーを使って、2本のうまい棒を組み合わせる様子 |
プッシャーを押し込むだけで、割れやすいうまい棒も綺麗にスライスされる | 細い棒状にスライスされたうまい棒。4等分/6等分/8等分の3種類の太さにスライスできる |
スパイラルスライサーを使うと、スパイラル状にスライスされる。2本を組み合わせて新しい味のうまい棒を作ることもできる | おかしなうまい棒スティックパーティーの製品ラインナップ。3種類のカラーがあり、付属するスライサーが異なる |
■手をかざして演奏する不思議な楽器「うたみん」
本体に触れずに演奏できる不思議な楽器「うたみん」 |
同じくタカラトミーアーツのブースでは、手をかざして演奏する不思議な楽器「うたみん」が展示されていた。
うたみんは、手を触れずに演奏できることがウリのおもちゃで、うたみんの前に手をかざすだけで、演奏が楽しめる。うたみんと手の間の距離は2段階で認識され、手をかざす位置を変えることで、音のバリエーションが変わる仕組みだ。音が出るときに、唇が動くのも可愛い。
うたみんには、「お気軽演奏モード」「本気で演奏モード」「ノリノリリズムモード」の3つのモードが用意されている。お気軽演奏モードは、内蔵されている15曲の楽曲を手でかざすだけで、簡単に演奏できるモードだ。手を近くでかざすと曲が進み、遠くでかざすと音を延ばすことができるので、リズムに合わせて手を振ってかざせばよい。
本気で演奏モードは、側面の3つのボタンとの手の距離の組み合わせで、ドレミファソラシドの1オクターブを自由に演奏できるモード。ノリノリリズムモードは、ボイスパーカッション風のサウンドや、笛や木魚などのサウンドが楽しめるモードとなる。また、2体を向かい合わせにして置くと、お互いが赤外線通信を始めて、合奏を始める。
お気軽演奏モードでの演奏の様子。手を近くでかざすと曲が進み、遠くでかざすとその音が延ばせる | 本気で演奏モードでは、側面の3つのボタンと手の距離との組み合わせで、ドレミファソラシドの1オクターブを自由に演奏できる |
本気で演奏モードでの演奏の様子。上手に演奏できるようになると楽しそうだ | 2体を向かい合わせにして置くと、お互いで赤外線通信を開始し、合奏が始まる |
発売は11月の予定で、希望小売価格は3,990円。ボディカラーは、ブルー、ピンク、グリーンの3色が用意されている。同社は6月に、人にタッチすると音が出る「にんげんがっき」を発売し人気商品となっているが、うたみんもユニークで面白い玩具だ。
うたみんには、「本気で演奏モード」「お気軽演奏モード」「ノリノリリズムモード」の3つのモードが用意されている | うたみんのボディカラーは、グリーン、ピンク、ブルーの3色が用意されている |
■ホームスターシリーズの新製品も登場
ホームスターアクアの新色。防滴仕様になっており、お風呂でも利用できる点が特徴 |
セガトイズのブースでは、家庭用プラネタリウム「ホームスター」シリーズの新製品が展示されていた。
お風呂やリビングなどで気軽に星空を楽しめる、コンパクトな「ホームスターアクア」の新色として、ピンクとブラウンのチョコレートカラーの2製品が12月に登場する。価格は従来と同じ3,990円である。
ホームスターアクアの東京スカイツリーバージョンの新製品、「ホームスターアクア 東京スカイツリー NEW(仮)」も展示されていた。こちらは発売は2012年3月とかなり先だが、東京スカイツリーの2種類のライトアップパターンである「雅」と「粋」と星空が一緒に表示されるという。希望小売価格は、東京スカイツリーバージョンの通常版よりややアップして、5,040円となる。
また、先日発表されて話題を集めた、スターウォーズのRD-D2仕様の「ホームスターRD-D2」も展示されていた。9月発売予定で、希望小売価格は6,825円。
ホームスターアクアの東京スカイツリーバージョンの新製品。「雅」と「粋」の2種類がある | 9月発売予定の「ホームスター R2-D2」。星空をバックに“デススター”も投影される |
■スマートフォンやタブレット型玩具が各社から登場
今回の見本市の1つのトレンドが、スマートフォンやタブレット型の玩具だ。基本的に、未就学児から小学校低学年向けの製品であるが、iPhoneやiPadなどが人気を集め、親のスマートフォンやタブレット端末を操作したがる子供が増えたためであろう。低価格ながらよくできた商品が多かったので、簡単に紹介したい。
ジョイパレットの「タッチして!スマートフォン」は、2011年9月発売予定のスマートフォン型玩具で、アンパンマンをモチーフとしている。ボディのデザインはiPhoneによく似ており、ホームボタンとタッチパネルで操作する。6種類のミニゲームと6種類のモードがあり、画面をタッチしたり、フリックしたりして操作できる。
ジョイパレットの「タッチしてスマートフォン」。アンパンマンをモチーフにしたスマートフォン型玩具だ。色は違うが、ホームボタンの位置などデザインはiPhoneによく似ている | タッチしてスマートフォンの対象年齢は3歳以上で、2011年9月発売予定。6種類のミニゲームと6種類のモードがある | 幼稚園児にはちょうどよさそうな玩具だ。希望小売価格は4,515円 |
タッチしてスマートフォンのミニゲームの1つ「じゅんばんにしてね」をプレイしている様子。液晶はモノクロだが、バックライトの色が状況に応じて変わる |
マルカが8月に発売した「おしゃべりタッチフォン」も、iPhoneによく似たデザインのスマートフォン型玩具だが、希望小売価格が1,050円と低価格なことが特徴。画面には液晶が使われておらず、画面は見る角度で表示が変わる「レンチキュラー印刷」となっている。ホームボタンを押すことで3つのモードが切り替わるので、モードにあわせて画面の角度を変えて楽しめる。アイデア賞ものの玩具だ。
マルカの「おしゃべりタッチフォン」は、3種類のモードが用意されている。希望小売価格が1,050円と手頃 | 画面には液晶は使われていないが、見る角度を変えることで、画面の絵が変わる。この画面はテレフォンモードで、電話をかける真似ができる |
ミュージックモードでは、4種類の曲が再生できる。ストップボタンやスタートボタンもちゃんと動作する | こちらはメニューモード。それぞれのアイコンを押すことで、アイコンにあった音声が再生される |
バンダイの「あそべる図鑑ウルトラPAD」は、タブレット感覚で遊べるウルトラマンの怪獣図鑑だ。サイズはiPadを少し大きくした程度で、こちらも液晶は採用していない。付属の7種類の図鑑シートを本体に差し込んで、その絵の内容にあわせて、ドラッグやピンチイン・アウト、フリックなどの操作をして遊ぶというものだ。図鑑シートは両面に別の絵が描かれており、合計14面で遊べる。単なるタッチ操作だけでなく、さまざまなジェスチャー操作に対応していることが特徴だ。11月中旬発売予定で、希望小売価格は6,090円だ。
バンダイの「あそべる図鑑ウルトラPAD」。iPadなどのタブレット感覚で遊べる | 7種類の図鑑シートが付属しており、その名から1枚を選んで本体に差し込み、その絵の内容に合わせた操作で遊べる | シートは両面とも使えるので、合計14面で楽しめる。裏面はアクションモードで、フリックやピンチイン・アウト、ドラッグなど、さまざまな操作が要求される |
表面は図鑑モードで、名前や鳴き声などを知ることができ、キャラクター探しクイズでも遊べる | あそべる図鑑ウルトラPADは、11月中旬発売予定で、希望小売価格は6,090円 |
同じくバンダイブースには、アンパンマンをモチーフにしたタブレット型玩具「タッチで知育!アンパンマンパッド」も展示されていた。液晶を備えているため、希望小売価格は7,140円とやや高めだが、タッチ&スライドで操作する知育メニューが90種類も用意されている。また、液晶面を保護するカバーが付いているので、持ち歩きにも便利だ。
バンダイから10月下旬発売予定の「タッチで知育!アンパンマンパッド」。希望小売価格は7,140円とやや高めだが、縦画面と横画面で切り替えて使えるなど、機能は充実している | 数や英語から、生活、音楽まで全部で90種類ものメニューが用意されている |
■文字を組み替えて単語を作るデジタルワードゲーム
タカラトミーから発売予定の「ボグルフラッシュ」 |
最後に、一通り会場を回って、筆者が一番欲しいと思った玩具を紹介したい。それは、タカラトミーから11月発売予定の「ボグルフラッシュ」(希望小売価格4,515円)だ。
ボグルフラッシュは、アメリカ生まれのデジタルワードゲームで、今年アメリカで「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞した玩具だ。
ゲームの内容は、5個の正方形のブロックを並べて、英単語を作るというもの。英単語を作るというゲーム自体はアメリカでは一般的だが、ボグルフラッシュは6,800語以上の単語辞書を搭載しており、ブロックを並べてそれが単語になったら、自動的に正解と判断してくれるのだ。単語は3文字以上を並べて作る必要があり、ゲームをプレイするたびに、5個のブロックに表示されるアルファベットが変わる。
ゲームにはいくつかのモードがあるが、一番シンプルなモードでは、とにかく制限時間内にブロックを並べてどんどん単語を作り、その数を競う。単語が1つできると、制限時間が延びる。時間切れになると、自分が作った単語数と、そのアルファベットの組み合わせで作れる最大の単語数が表示される。最大単語数を作れればパーフェクトだが、実際はかなり難しく、慣れないうちは数個の単語しか作れないこともある。
5つのブロックを並び替えて、英単語を作るゲームだ | 単語が成立すると、アルファベットが反転表示される |
制限時間が切れると、作った単語数が表示される | その後、今回のアルファベットで作成可能な単語の最大数が表示される |
ボグルフラッシュのブロック。大人でも子供でも動かしやすいサイズだ | 両側面にあるスリットから赤外線が出て、通信が行なわれているようだ |
対象年齢は8歳以上とのことだが、英語を学び始めた学生はもちろん、大人がプレイしても非常に楽しい。英語が苦手でも、片っ端から組み合わせを試していけば、偶然単語として成立することもある。ブロック同士の通信は赤外線で行なっているようだが、認識も早く、デジタルだからこそ実現できた玩具だといえる。対戦プレイもできるので、パーティなどで遊んでも盛り上がりそうだ。
ボグルフラッシュをプレイしている様子。ブロックを並べたら、すぐに単語として認識されるので、スピード感がある |
(石井 英男)
2011年9月8日 00:00