やじうまミニレビュー
センチュリー「Mini monkey light M210」
センチュリー「Mini monkey light M210」。こんな感じにクレイジーに輝いてカッコイイ。後続の車に自分の存在を知らせることもでき夜の走行も安全だ |
2011年末に歩行者と自転車の両者が常に通行できる歩道の幅を従来の2mから3mに変更されたことで、車道を走る自転車が多くなっている。自転車は「軽車両」という位置づけなので、これまで通り「原則は車道を通行」なのだが、車がひっきりなしに行き交う幹線道路を自転車で走るのはかなり怖い。
そんなときに後ろから来る自動車に対して「自転車で走ってますよ! 」とアピールでき、安全を確保できるのが、自転車の車輪に取り付けて使う「Mini monkey light(モンキーライト) M210(以下、monkey light)」だ。この製品は、米monkeylectric社が製造を手がけ、日本での正規代理店はセンチュリーとなっている。
安全確保以外にも、より夜中の街中で目立ちたいという人や、LEDなどの光モノ大好き! という人にもオススメだ。
メーカー | 米monkeylectric社 |
製品名 | Mini monkey light M210 前後輪2個セット |
購入場所 | 白箱.com |
購入価格 | 8,680円 |
monkey lightをあれこれ言葉で説明するより、まず次のムービーを見てもらうのが一番分かりやすいだろう。
■取り付けは面倒そうだけどやってみると1つで20分程度
今回試したのは、前後輪の両方に取り付ける2個セットタイプで8,680円というもの。ほかに、前輪あるいは後輪だけでよければ、1セットのみの4,580円も用意されている。
キットには大きく描かれたイラスト入りの取り付けマニュアルが添付されていて、怪しげながらも何とか意味が読み取れる日本語での説明もある(笑い)。一番しっかり説明されているのは、イラストにある英語のキャプション。日本語よりこちらのキャプションを読みながら作業するといいだろう。
部品点数が非常に多く見えるが、主なパーツは車輪に取り付けるLEDの発光ユニットと、車軸に取り付ける電池ユニットだ。その他は固定用のジップタイと滑り止めのゴムがいくつかある。
米monkeylectric社のMini monkey light M210。日本での正規代理店はセンチュリーとなっている | キットの内容と取り付け説明書。そして必要な工具 |
取り付けに必要な最低限の工具は、ジップタイのあまりを切るニッパー(最悪、大きめのツメ切りでもOK)だけ。しかし遠心力のかかる車輪にLEDと電池ユニットを取り付けるので、しっかりとジップタイを締めるために、プライヤーやラジオペンチなども合わせて用意したい。
取り付け手順は、以下の通りとなっている。
1)スポークの間にLEDユニットを挟み込み、付属のジップタイとゴムでスポークに固定。LEDユニットには上下があるので注意しよう | 2)LEDユニットの2箇所をジップタイで固定する。ただし借り止めする程度などで、プライヤーなどでガッチリ締め付けないこと | 3)LEDユニットの反対側も別のスポークに固定する。こちらはジップタイを通す穴がいくつか開いているので、スポークの幅に合わせて調整できる |
4)位置決めをしたらプライヤーなどでジップタイをしっかり固定して、余った部分をニッパーで切る | 5)電池ユニットを車軸に固定しジップタイて止める。ここも最初はかり止めで軽く締めておくこと | 6)LEDユニットのちょうど反対側に電池ユニットが来るように位置を調整。回転したときのバランスを保つようにするためだ |
7)位置決めしたらプライヤーでしっかり固定。後輪はギア回りがあるので締めにくいが、渾身の力を込めて締めること | 8)LEDユニットから出ている電線をスポークに絡ませ、電池ユニットのコネクタに差し込む。また電線もジップタイでしっかり固定する | 9)LEDと電池ユニットの位置関係はこのように正反対になるようにして完成 |
工作に慣れている人なら1輪あたり5分程度でできるだろう。マニュアルをじっくり読みながら取り付けるとしても、おおよそ10分で完成する。前後の2輪につけるなら20分もあれば取り付け完了だ。
さて試運転をするには、まず電池ユニットに別売りの単三形乾電池3本をセットしなければならない。電池ユニットのフタを回すと、電池ホルダーが取り出せるので、そこに電池を入れるだけだ。多少スポークが邪魔になるが、電池ユニットが自転車に固定されている状態でも、電池交換は可能。
スポークの間から手を突っ込んで、電池ユニットのフタを回して外す | 電池ホルダーには、別売りの単三形乾電池3本をセットする |
超高輝度LEDなので、昼間でも確認できる |
取り付けが終わったら、実際に走って動作やLEDと電池ユニットとのバランスをチェックする。LEDは明暗をスイッチで切り替えられるので、明るいモー ドにすれば昼間でも動作をチェックできる。ただし運転している自分からは見えにくいので、誰かに横から見てもらうか、スタンドで固定してチェックするとい い。
読者が気になるのは防水やサビ対策だろう。まず電池ボックスはスクリュー式のキャップになっているので防水対策は万全だ。またLEDユニットから出ている電線を接続するコネクタも防水対策されているが、完全に水没するとちょっとヤバそうな感じだ。海辺の波打ち際などは走らないほうがいいだろう。
電池ユニットとLEDユニットのコネクタは、ゴムで防水されている | LEDユニットの基板は、すべてのパーツが樹脂で防水されている |
メインとなるLEDユニットは、基板と部品がすべて透明な樹脂でコーティングされている。ただ3つのスイッチは防水されていない点に注意。このスイッチは「タクトスイッチ」と言うもので、ほぼ100%は電気の接点が錆びないステンレスで作られている。とはいえ、砂鉄などがスイッチに入り込むと錆びないステンレスでも「貰いサビ」という現象が起きてさび付いてしまうことがある。したがって、水たまりや波打ち際などはできるだけ走らないように心がけたい。
■パターンは全部で81種類。街中ではかなり注目される
赤いスイッチが電源ボタンで、COLORボタンとTHEMEボタンがある |
辺りが暗いときに車輪が回りだしたら、自動的に電源が入るとベストだが、電源は手動で入れるようになっている。操作するボタンは、電源スイッチ兼LEDの明暗切り替え、光のパターンを決める「THEME」ボタン、光の色を決める「COLOR」ボタンの3つだ。ただ通常使うぶんでは電源スイッチのみの操作だろう。電源を入れればパターンと色を自動的に切り換えて、ド派手なイルミネーションを描きながら走れる。
赤いスイッチは電源ボタンで、ボタンを押すごとにLEDを「暗く点灯」→「明るく点灯」→「電源OFF」→「暗く点灯」となる。また「THEME」ボタンは、押すごとに光のパターンを切り替えられる。電源ボタンを押した直後は、自動的にパターンを切り替えるが、このボタンでパターンを固定することも可能だ。さらに「COLOR」ボタンは、設定されているパターンの色を切り替えるスイッチ。電源ボタンを押した直後は、自動的に色が切り替わるが、赤や青に固定したいという場合に、このボタンを使う。
ではmonkey lightを取り付けたチャリンコで夜の街を走ると、どのように見えるのかをテストしてみよう。まずはスタンドにチャリンコを固定して、光るパターンを見てみる。
ここで紹介したのは、ほんの一例に過ぎない! パターン「THEME」は全部で20種類あり、さらにカラーバリエーションが16色あるため、200パターン以上だ。また写真では片側のみを撮影しているが、反対側にも5発のLEDが実装されているので、左右どちらも輝くようになっている。
さらにもう1パターン用意されているのが、バッテリー残量警告のパターンだ。赤い線が3本表示される状態になったら電池を交換するタイミングを示している。なお電池の寿命は、マニュアルによれば40時間とあるので、最寄り駅まで15分と言う場合は、およそ5カ月電池交換は不要だ。
筆者は駅前の繁華街やコンビニまでチャリンコで行なってきたのだが、奥さんは「目立つからイヤ! 」と拒否されたので、家の前での撮影 |
実際に街中を走ってみると、まぁ目立つのなんのって(笑い)。言うなれば走るパチンコ屋のネオンサインみたいなもので、人通りの多いところを走ると、かなり注目されるので恥ずかしがり屋さんには不向きかも知れない。
マニュアルにある光のパターン。これにカラーバリエーションが加わる |
■横に光っても車からの視認性はかなり上がってドライバーの注意を引ける
さてド派手なイルミネーションということが分かったところで、付加価値(イルミネーションが付加価値なのかも知れないが……)としての「ドライバーの視認性」をチェックしてみよう。
自転車でも夜の走行は、前照灯をつけなければならないルールなので、ここでは自動車の前方を走っているチャリンコを想定している。さらに自動車も夜は前照灯をつけなければならないが、便宜上イルミネーションがよく見えるように前照灯を消した状態で実験した。
・車からおよそ3m先
前後輪のLEDを点灯した状態では、はっきりと自転車が見える | 前輪のみを点灯した状態では、足が影になって少し見づらい | LEDを消した状態では、目の前にいるにもかかわらず闇に溶け込んで見えない |
・車からおよそ6m先
前後輪を点灯した状態では、何かいることが分かる。写真では静止した状態になってしまうが、実際には動くのではっきり確認できる | 前輪のみ点灯だと、ちょうど足の影になってしまい闇にまぎれてしまっている。ただ実際には、わずかにチラつく光が見え隠れする | LEDを消した状態では、何も見えない |
・車からおよそ10m先
車の前方10m先にいても、両輪のLEDを点灯していると、ドライバーには何かいるのが分かる | 前輪のみ点灯してた場合は、時々弱い光が見えるが、かなり注意していないと気つかないだろう | 消灯すると自転車はまったく見えない |
結果には明らかな違いが出た。前後両輪、もしくは後輪にmonky lightを取り付けると、後続の車に対して存在を示せるので、安全性が高まることは間違いない。ただし前輪に取り付けてしまうと、足の影になってしまうので、その効果が低くなってしまう点にも注意したい。
次のムービーは、両輪(後輪だけにつけた場合もほぼ同じ)にmonky lightをつけた場合と、monky lightを点灯しなかった場合の違いだ。写真よりもより自分の存在を知らせられることが分かる。
ムービーで車の運転席から見ると、monkey lightの有無で視認性が大きく違うことが分かる |
市場価格は1セットでおよそ5,000円なので、両輪につけるとなると1万円と少し手を出しにくくなってしまうので、次のようにするといいだろう。
・車道が2車線ある道路を走るのがメインの場合は後輪に1セット
自転車は車道の左側を走るので、後続の車に対して自分の存在を知らせるためには、後輪に1セット取り付けるといい。
・車道が1車線や細い生活道路がメインの場合は前後輪に2セット
車道が細く後続の車だけではなく、対向から来る車にも存在を知らせるには、前照灯の補助として前輪にも取り付けると、より安全性が高まる。後輪だけに取り付けた場合は、足でLEDの光が遮られてしまうので、対向車に対してはそれほど効果がないためだ。もちろん夜間の走行なので、前照灯も併用して欲しい。
■ちなみに……幅が3m未満の歩道は自転車通行禁止というのは間違い
少し話は脱線するが、製品の紹介もさることながら、先の「3mの歩道」はかなり誤解されているフシもあるので、その点についても触れていこう。2011年末に「歩行者と自転車の両者が常に通行できる歩道の幅を従来の2mから3mに変更された」という報道を多くの人が目にしたかも知れない。そのため車がひっきりなしに走る幹線道路でも、車に恐れながら車道を走っているという人はいないだろうか?
報道の一部では言葉足らずだったようで「3mに変更された」というのは、「歩道に歩行者用のレーンと自転車用のレーンを作る場合は、最低歩道の幅を3m確保しましょう」ということなのだ。
だから3m未満の歩道を自転車が通行しちゃダメというルールはない。これまで通り「原則、自転車は車道を走る(路肩や車道の歩道よりで左側通行)」というルールに加え、「自転車に危険が及ぶような場合は、歩道を走行してもかまわない」のだ。ただそれには条件があって「自転車が歩道を走る場合(専用レーンがない場合)は、歩行者と同じ速度で走り、追い越してはダメ」というルールがある。このルールもこれまでと同じだ。
「自転車に危険が及ぶような場合」という実にあいまいな言い方だが、明言化されているのは中学生未満の子どもと、高齢者の運転する自転車(セニアカー含む)だ。もし危険を感じながらも、ムリに車道を自転車で走っている人は、歩行者優先のルールを守れば歩道を走ってもかまわないので安心して欲しい。
■monky light M210はこんな人にオススメ
さて車を運転するドライバーの視認性や派手なイルミネーションを紹介してきたが、どんなシーンで便利に使えるかをまとめておこう。
・小学校高学年以上の通学・通塾用の自転車につけて安全性を向上
最近は小学生でも塾通いしている子どもが多いが、monky light M210が取り付けられるのは、20インチ以上の自転車だ。小学生でも高学年になれば20インチ以上の自転車に乗ることもあるので、塾通いの自転車などに取り付けて、車からの視認性を高めることで事故防止に役立つだろう。また中学生以上になると、部活帰りであたりが真っ暗になってしまうこともあるので、通学用の自転車にも取り付けたい。
・サラリーマンの通勤用の自転車には強くオススメ!
夜に車を運転していて一番怖いのは、黒い背広を来たサラリーマンだ。夏場は白いワイシャツを着ているので、運転席からでもよく見えるが、それ以外の季節になると上着からズボン、クツに至るまで黒系でまとめていると、かなり接近しないと見えないことがある。夏場以外は、会社帰りにぜひmonky light M210を点灯して帰宅するといいだろう。
・とにかく自慢のチャリンコで目立ちたい人
アニメのステッカーを貼った通称「痛車」感覚で、自慢のチャリンコをアピールしたり目立ちたい人には最適だ。またLEDなどの光モノが好きな読者にもオススメしたい。とはいえ時速65km以上での利用は禁止なので、車の車輪につけることはできない。
丸い模様は描かなくなるものの、両サイドの室内のウィンドウに設置すれば、車の走った軌跡を残しながら走行できるだろう。
高輝度で広範囲を照らすLEDを左右に5発、計10発を備えたmonky light。これを自転車につければ、交通事故予防に役立つことは間違いない。
2012年 6月 28日 00:00
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