やじうまミニレビュー
大石製作所×蒲団屋山昇「快眠防災枕」
大石製作所×蒲団屋山昇「快眠防災枕」 |
防災のために避難用品を袋などにまとめて備えている人は多いと思うが、就寝中に突然災害が起きたときに、パッと飛び起きて瞬時にそれを取り出して逃げるとなると、なかなか難しいのではないだろうか。筆者はけっして寝起きが悪いほうではないが、それでも熟睡状態から突然目が覚めたときに、冷静に持ち出し袋を収納場所から取り出して逃げ出せる自信はない。飛び起きたら慌ててそのまま身1つで飛び出してしまうだろう。
そこでおすすめしたいのが、今回紹介する「快眠防災枕」だ。
メーカー | 大石製作所/蒲団屋山昇 |
製品名 | 快眠防災枕 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 7,980円 |
快眠防災枕の中には、避難用品を収納するための収納ケースを収納できるようになっている。収納ケースに大事なものを入れておけば、寝ているときに災害が起きても、すぐ外に持って出られるというわけだ。
ここで気になるのが寝心地の問題。いくらすぐに持ち運べると言っても、中のものが気になって眠れないのでは意味がない。
その点、快眠防災枕は工夫が凝らされている。収納ケースは卒業証書ホルダーなどと同じような硬めの紙製の円筒だが、枕の中に入れても寝心地に影響しないように、頭が筒に当たらないように設計されているし、筒の収納部にはクッションも内蔵しているので、万が一、頭をぶつけても痛くない。
収納ケースが格納される部分にはクッションが詰まっている | 枕の裏側 | サイドのファスナーを開けてパイプの量を調節可能 |
収納ケースは枕をファスナーで開けてから入れる仕組みになっており、収納ケースを持ち出すときは、ケースの蓋についている紐を引っ張れば簡単に取り出せる。
本体サイズは380×580×80mm(縦×横×高さ)と枕としては比較的大きめではあるが、これくらいの大きさなら十分に持ち出せる。もし時間が無いのであれば、枕ごと持って逃げるという手も考えられるサイズだ。
枕の中材は小さなポリエチレンパイプを詰めたもので、通気性が良く寝心地はなかなかいい。筆者はふだんテンピュールの低反発枕を使用しているのだが、寝心地はいい反面、気温が上がってくると蒸れを感じることがある。この快眠防災枕なら通気性が良いので、とくに夏場には最適だと思う。実際に数日間この枕を使って寝てみたが、目覚めも良くとても快適な眠りが得られた。
ちなみにポリエチレンパイプが詰まっている袋にはファスナーが付いており、開けてパイプを抜けば高さを低くできる。また、予備のパイプも付属しているので、もう少し中材を増やしたい場合も追加して調整できる。低反発枕と違って、このように寝心地を細かく調整できるのもパイプ枕ならではの魅力だ。
収納ケースは紐を引っ張れば簡単に引き出せる | ポリエチレンパイプを出し入れするためのファスナー | 予備のポリエチレンパイプ |
収納ケースは実測で80×509mm(直径×長さ)。表面には「身元確認シート」が貼られており、ここに名前・住所・電話・携帯・血液型・備考を書ける。
メーカーでは、収納ケースの中に入れるものとして、スリッパや軍手、笛、懐中電灯などを挙げており、このほかに保険証や免許証、預金通帳、服用している薬の処方箋のコピー、多少の現金を入れておくことを奨めている。笛を収納しておくと、災害避難時以外にも、急な体調不良などを周囲に知らせる際に役立つそうだ。
収納ケース | 蓋を開けたところ | 中はただの筒 |
試しに旅行用の簡易スリッパと笛、懐中電灯、予備の電池、軍手、ポータブルラジオ、ファイルに入れた書類の7点を入れてみた。簡易スリッパ以外は苦もなく収納できるのだが、最後にスリッパを入れようとすると少しきつい。また、書類を筒状に入れて奥のほうに押し入れてしまうと、あとから取り出すときに苦労するので注意が必要だ。
これらに加えてさらにミネラルウォーターや非常用のクラッカーを入れようと思ったが、残念ながらもうスペースに余裕はなかった。クラッカーの缶はそもそも入口が狭くて入らない。ミネラルウォーターのペットボトルや350mlの缶飲料はちょうど入るので、非常用の食料を選ぶときは350ml缶の大きさを目安にするといいだろう。
避難用品を入れた状態 | 収納ケースに入れた中身 |
非常用クラッカーの缶が入らなかった | 飲料の350ml缶をはそのまま入る |
形状が細長く、思ったよりも収納ケースに入れられる量が少ないというのが正直なところ。ただし収納量は今1つであるものの、枕と一体化している点はかなり魅力だ。
冒頭で述べたように、就寝中の災害というのは最も慌ててしまうシチュエーションの1つであり、「快眠防災枕」を使うことで常に逃げ出せる状態にしておけば危機管理の面で余裕が生まれる。日頃から防災意識の高い人はもちろん、避難用品の収納場所にお悩みの人にもおすすめだ。
2012年 4月 26日 00:00
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