やじうまミニレビュー
ギャラリーKAN「ステムグラストレイ」
ギャラリーKAN「ステムグラストレイ」 |
母親が小料理屋をやっているため、お膳の上げ下げりはお手のものだ。料理の皿をお客様に出すのはもちろん、宴会の後の片づけでは両手にお盆を持って、一気に下げてしまうなんてこともする。そんな私でもワイングラスを運ぶのだけは苦手だ。重心が上に来る独特の形で、とにかく安定感がない。特に避けたいのが、ワインが入っている状態で運ぶ時。中のワインが揺れるため、ちょっとの距離を運ぶだけでも冷や汗ものだ。
今回紹介するのは、そんなワイングラスを運ぶため専用のトレイギャラリーKANの「ステムグラストレイ」という製品だ。ギャラリーKANという聞き慣れないメーカーは、実は、個人のレストランの名前。ステムグラストレイは、レストランオーナーが不便だからなんとかしたいという想いをそのまま形にしたという製品なのだ。ちなみにステムグラスとは、ワイングラスやシャンパングラスのような脚があるグラスのことを指す。
メーカー | ギャラリーKAN |
製品名 | ステムグラストレイ |
希望小売価格 | 10,000円 |
この製品を知ったのは、昨年8月に行なわれた「グッドデザインエキスポ2010」の席。見慣れない独特の形と、表面の美しい塗装に惹かれた。用途を聞いてみると、「不安定なワイングラスやシャンパングラスを安定した状態で運ぶためのトレイ」とのこと。自分でも思い当たる節があったので、今回実際に使ってみることにしたのだ。
ワイングラスやシャンパングラスなど脚があるグラスは不安定で壊れやすい | ワインを入れると、中の液体が動くため更に不安定さが増す | お盆に載せた状態。片手ではバランスを取るのが難しい |
前置きが長くなってしまったが、ここからは実際の製品を見ていこう。本体は、楕円形に穴がいくつか空いている絵具のパレットのような形をしている。中央には、花をモチーフとしたイラストが描かれていて、パッとみた感じではオブジェか何かのように見える。
製品本体。見た目はまるで絵画用のパレットのような | 横からみたところ。厚さは約5mmほど | トレイを手のひらで、挟むように固定する |
実際には、外側に空いている7つの穴にワイングラスを入れて使う。お店などで、グラスを天井付近に浮かせた状態で収納しているところがあるが、ステムグラストレイでは、それと同じ要領でグラスをトレイに固定しているのだ。不安定になる要素である長い脚が、空中に浮いている状態なので、グラスが揺れることもなく、安定した状態で運ぶことができるというわけ。
実際に使ってみると、確かに安定感が抜群。グラスがしっかり安定していて、揺れることがないので、安心して運ぶことができる。手のひら全体でしっかり固定できるので、移動しても、揺れが少なく、小走りで移動しても大丈夫なくらい。
トレイでグラスがしっかりホールドされているので、移動の時だけでなく、テーブルの上に置いたり、下げたりする動作もスムーズにできる。普通のお盆にはない華やかなデザインも手伝って、グラスを運ぶ、置く、下げるといった一連の作業がとてもスムーズに行える。
グラスは横から穴に差し込むようにする | 横から見たところ。グラス部分が穴にはまって、しっかり固定されている | 一度に運べるグラスは7個まで、片手でも抜群の安定感だ |
ワイングラスやシャンパングラスなどのステムグラスを運ぶといった、ごく限定的な役割のための製品ではあるが、その分、抜群の使いやすさを発揮する。芸術的なデザインを採用することで、運ぶ人の使いやすさだけでなく、給仕される側の気持ちまでを配慮している。カフェやレストランでの使用はもちろん、自宅でホームパーティーなどの際にも活躍しそうな一品だ。
2011年 1月 25日 00:00
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