やじうまミニレビュー

土屋鞄製造所「プロータ 防水ショルダーボストン」

~雨に濡れてもノープロブレムな本革ボストンバッグ
by すずまり


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


プロータ 防水ショルダーボストン

 以前からバッグは大好きなのだが、年齢を重ねるごとに革製であることにこだわりを持つようになってきた。使うほどになじんでくる様子も楽しいし、なにより全く同じ製品を買っても、自分だけの味が出るところが面白い。

 しかし困るのは雨の日には持ち歩きにくいことだ。以前は雨の日のために合成皮革のバッグも用意して、中を詰め替えたりしていたが、出かける直前に雨に気づいたときなどは、時間がなくてあたふたしてしまうし、着ているものとチグハグに見える……など、持っていきたいと思えないときは残念な気分になった。

 好きな革バッグは雨の日でも使いたいのだ。そこで、分かっているときは防水スプレーをかけたり、前日の晩から撥水効果のあるオイルやワックスを塗っていたこともあるが、面倒臭い上に、防水スプレーの臭いがちょっと苦手。が、手を抜くとやはりシミや劣化が心配……

 しばらくはそんなジレンマを感じていたのだが、どうせなら防水のバッグにしてしまえばいいではないか、という結論に達した。幸い普段愛用している「土屋鞄製造所」には「プロータ」という防水専用のラインが用意されている。いずれもいいお値段がするし、荷物の多い筆者は長らく見ているだけだったのだが、今回紹介する「防水ショルダーボストン」の登場で状況が変わった。


メーカー土屋鞄製造所
製品名プロータ 防水ショルダーボストン
希望小売価格46,000円
購入場所直販サイト


体にフィットしやすいしなやかな革と、容量の多さにびっくり

 思い切ってオーダーしてみたが、これが大正解だった。まず驚いたのは、革のしなやかさである。「防水の革」というイメージから、かなり分厚くてゴツゴツした手触りを想像していたが、最初からくったりしていて柔らかいのだ。斜めがけにしてみると、革が体にフィットするのがよく分かる。

 外寸は200×150×240mm(幅×奥行き×高さ)。ショルダーベルトは幅3.8cmとしっかりしており、最短63cm~最長112cmまで自由に調整可能なので、肩から提げたい方と斜めがけがしたい方の両方に柔軟に対応できる。外装と内装にそれぞれファスナー付きのポケットが1つ、さらに内装にはフリーポケットが2つついている。

外装にはジッパー付きのポケットが1つ側面。筆者のは縫い目を境に革の質感が異なっていたが、これもまた革製品の個性だ底からサイドにかけてかっちりと補強されているため、荷物が増えてもバランスが安定する
ステッチとファスナー部分。ステッチはよく見ると薄い紫色中は綿100%で、ファスナー付きポケットが1つ、フリーポケットが2つ用意されている。いずれも大きめだ革は軽くつまめるほど柔らかい
斜めがけにすると、革がボディにフィットする

 重さは約915g。決して軽い部類ではないが、柔らかくしっかりしたショルダーベルトと、体にフィットしやすい革のおかげで、負荷が分散されているような気がする。バッグとは不思議なもので、本体そのものが軽くても、持ち手やベルトが自分に合わないと、荷物をいれたときにやたら重く感じたり、肩や腰に負担がかかったりする。その点、「防水ショルダーボストン」は筆者に合うようだ。

 次に驚いたのは、やはりその容量だ。A4サイズの書類はもちろんのこと、モバイルノートパソコンもすっぽり入る。さらにデジタル一眼をはじめとして、小物など大量に持ち歩く筆者の荷物が入る入る! 全部入れてもまだ余裕があるくらいだ。重くなるので詰め込めばいいというものでもないが、小旅行ならこれ1つで十分ではないかと思われる。

モバイルノートパソコン、デジタル一眼、メモ帳、お財布、化粧ポーチ、小物入れなど、詰められるだけ詰め込んでみよう全部入ったが、さらにカーディガンやストールなどが入りそう!

 荷物を入れるともっと男性寄りのイメージになるかとおもいきや、革の柔らかさでバッグ全体がしなり、カジュアルなフォルムになる。今回、色は「ワイン」を選択した。もっと明るい赤色かと思っていたのだが、届いた製品を実際に見ると落ち着いたシックな色。まさにストライクゾーン! どんな色の服でもアクセントになりそうでうれしい。

斜めがけにしてみた(身長160cm)ショルダーベルトを一番短くした状態

雨の日でも安心だった防水性能

 気になる防水性能だが、購入後、すでに3回ほど雨に遭遇しているが、濡れてもハンカチでサッと拭くだけでキレイさっぱり、革はノーダメージだ。ショルダーにしていると、傘を差していてもバッグの後ろ側が集中的に濡れたりするが、そんなときでも見事な撥水効果で水をはじいてくれた。

防水効果をチェックするために水滴を落とす布で拭き取っても、全く跡がない実際に雨の日に使用した様子。傘からはみ出した部分が思い切り雨に晒されたが全く問題なし!

 本革製のバッグなのに、雨を気にする必要がないというのはそれだけでありがたいが、特にカメラなどの機器類が守られると思うと安心だ。防水といっても、JISの防水保護等級を謳っているわけではない。ステッチはあるし、ファスナーも備えているわけで、大量の水をまともにかぶればなんらかの問題は起こる可能性は十分ある。しかし日常的な雨であればなんら問題なさそうだ。

 おかげで気がつくと「防水ショルダーボストン」ばかり使っている。特に仕事ではメインバッグになりそうな予感。これで突然の雨も、横殴りの雨も怖くない。安心して梅雨の季節を迎えられそうだ。

 考えてみたら、本革で、この大きさと性能で1kg以下というのもある意味スゴイ。あのしなやかさを生かして、もっと女性向けのデザインを多数出していただきたい。




2010年 4月 16日   00:00