やじうまミニレビュー
コクヨS&T「楽しく紙すきしよう!」
コクヨS&T「楽しく紙すきしよう!」 |
自宅でカンタンに紙すきができるキット。ちょうどハガキサイズびったりで、自分だけのオリジナル和紙が作れるというものだ。
メーカー | コクヨS&T |
製品名 | たのしく紙すきしよう |
標準小売価格 | 840円 |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 757円 |
■「対象年齢6歳以上」でもコツを覚えないと難しい
パッケージにもあるとおり、対象年齢は6歳以上ということで、さすがに大人は楽しめないだろうと踏んでいたが、それは大きな間違い。見た目は、子供のおもちゃにしか見えないが、やってることは和紙職人の仕事そのものだ。
キットの内容は、次の写真の通り。
小さいながらも本物の紙すき同様のしくみになっている | 郵便番号枠用のスタンプ。スタンプの角とできた紙の角で位置あわせもカンタン | 牛乳パックを小さくする大根おろし器のような部品。これで、パルプがなくなっても紙すきが楽しめる |
緑の容器は2つに別れ、大きな容器は水受けになっている。取っ手のついている小さな容器は、紙をすくためのもの。ここに写真の左上にある目の粗い網と細かく薄い網を敷いて紙をすくのだ。
左側にあるのは、ハガキがちょうど1枚できる分量のパルプが5枚付いており、すぐに楽しめるようになっている。特徴的なのは、左下の緑の小さな道具だ。
1つは、郵便番号の枠を印刷するためのスタンプ。もう1つは、ひっくり返すと大根おろしのような刃が付いた道具だ。
添付のパルプを全部使い終わったとき、牛乳パックをパルプ替わりに使うための道具になっている。水でふやかした牛乳パックをこのミニミニ大根おろし器でこすると、パルプとして使えるというわけ。
マニュアルは漢字にすべてルビが振ってあり、各工程がイラストで説明してあるので、小学校1年生でも十分に理解できるだろう。ということで、我が家では子供の自主性を尊重して小学校2年生の女の子に全部自分でやらせてみることにした。え? 一緒にやるのが面倒ってワケじゃないですよ。ホントに……
アドバイスしたのは、マニュアルをしっかり最後まで読んでから作業すること。この1点だけだ。
■小学2年生が紙すきにトライ!
インターネットの文字はしっかり読むくせに、紙に印刷された文字は嫌う子供たち。とはいえ、面白そうなこのキットのマニュアルは、かなり熟読していた。一通り読み終えると、外に出て庭に咲いている花と、バジルの葉っぱを採ってきて押し花を始める。気になったのでマニュアルを読んで見ると、最後のページに「押し花を挟み込むと可愛いハガキができる」という小さなアドバイスがあった。なるほどコレをしっかり読んだらしい。
キット以外に用意するものは、水に溶かせるヤマト糊のようなでんぷん糊。パルプを溶かすための2Lのペットボトル、大きなタオルに、ビー玉10個ほど。また、できたハガキを乾かすために、窓ガラスに貼り付けるので、窓拭きもしていた。こりゃ、親にとってはありがたいキットだ。
1)容器に水を張りパルプをふやかす
2)ふやけたパルプを細かくちぎって水を入れたペットボトルへ
5分も浸していると板のように硬かったパルプがふにゃふにゃに | ポイントは薄く小さくちぎるところにある |
3)ペットボトルに糊を入れる
家にはリップタイプの糊しかなかったので、これでも代用できるんじゃない?と洗濯糊を使わせてみた。
4)ビー玉をペットボトルに投入
「ビー玉を入れるとパルプがほぐれ、きれいな紙ができる」という脚注の小さな注意書きまで読んでいたようだ。
洗濯糊でも代用可能だった。ちなみにこの糊は、子供の自由研究の「人が入れるシャボン玉」で使ったあまりだ | ビー玉は10個ほど入れるといい。5個だと少し少ない感じだ |
5)振る!ひたすら振る!
ここが紙すきの重要なポイント。パルプの繊維をよく水に溶かすことが、仕上がりを大きく左右する。1回目は子供にやらせてみたが、どうやら力不足でうまく溶けきらなかったようだ。ここは親が協力してあげるといいだろう。
6)紙すきの容器をセットして溶かしたパルプを流し込む
小学2年生には、水500ccが入ったペットボトルを思いっきり振るには力不足。高学年なら自力で行けそうだ | 写真で見て分かるとおり、1回目はパルプがウマく溶けきっていなかった |
紙の間に押し花などを挟みこむ場合は、パルプを半分だけ注ぐ。あとはパルプが均一になるように振るう。これはまさに匠の技かも?
7)押し花などを入れ、残りのパルプをすべて注ぐ
ここはアイディアとセンスが試されるポイント | 英字新聞の切れ端や絵の具を混ぜてもいい |
8)すき終えたら水切り用ネットをかぶせて脱水
ネットを軽く押さえて水切りをするが、子供なので力加減が分からない様子。親がそばで力加減を見てやらないと、机の上が大洪水になるので注意したい。
小さい容器の向きを変えると、フチに引っかかるようにできている |
9)タオルで水気を切る
目の細かい網を残したまま、タオルで水分を切る。
10)窓ガラスに貼り付けて乾燥させる
子供がマニュアルを読み始めてから、ここまで3時間ほど。紙すきの時間はさほどかからないが、準備や窓拭きなども含めると、結構な時間がかかる。
さてハガキのできあがりは?
そのままタオルを放置しておくとパリパリになるので注意 | 窓ガラスに貼って一晩乾燥させておく | バジル入りは、紙を叩くとバジルのいい香りがする |
最初に作ったのはハガキとして使うには難ありだが、ほかの2枚は十分使える |
中央は最初に作ったもの。パルプが荒く部分的に穴が開いてしまっている。次に作ったのは左側のバジルのハガキ(笑)。そして3枚目が右側だ。どんどん上手になっているのが分かるだろう。
カンタンなキットだが、大人でもコツを覚えれば楽しく遊べる。
一言アドバイスすると、今回は洗濯糊を使ったためか、窓ガラスから剥がすのに一苦労した。ペリッ!と剥がれなかったので、カッターの刃を全部出して、窓から切り剥ぐようにするといいだろう。
英字新聞の切れ端を混ぜたり、絵の具を溶かしたりすると、いろいろなバリエーションの和紙が作れるこのキット。連休に親子で楽しんでみてはいかがだろう? ちなみにこの製品、製品情報のページを見ると、「在庫限りをもちまして販売終了」とある。気になった人は早めに入手するのが良さそうだ。
2009年 9月 10日 00:00
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