やじうまミニレビュー

ノルコーポレーション「ザ・フロッグ・ウェザー・リポーター」

~まんまるカエルが天気を教えてくれる
Reported by 藤原 大蔵


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


 

ノルコーポレーション「ザ・フロッグ・ウェザー・リポーター」
 天気を知るのには、新聞やテレビなどのメディアを利用する方法が一般的。だが、数時間後の天気を予想する、可愛らしいインテリアグッズがあるのをご存じだろうか。

 それが今回紹介する、ノルコーポレーションのザ・フロッグ・ウェザーリポーターだ。透明なガラス製でまんまるで、カエルが小さな傘をさしているような、なんとも愛らしいデザインだ。以後、“お天気カエル”と呼ぶ。

輸入販売元ノルコーポレーション
製品名ザ・フロッグウェザーリポーター
品番FWZ-1-01
購入場所amazon
購入価格1,575 円

 このお天気カエルは「水銀気圧計」の仕組みを簡易的に応用したもの。カエルの内部には水銀ではなく水を入れるが、この水の水位が、気圧の変化によって上下する。高気圧が近づくと、水は空気に押され水位が下がるが、これが「晴れ」の予想。低気圧が近づくと水位が上がり、天気の崩れが予想されるという仕組みだ。

 お天気カエルの本体の直径は8cm弱。かなり大きな注射器が同梱されており驚いたが、これは本体に水を注入するための道具だ。使用するにあたり、本体に水を注入するが、見た目と見やすさを兼ね備えるべく、食紅などで着色した水を用意するのがお薦めだ。

 説明書では、空気を抜きながら水を注入するように指示されていたが、これがかなり大変だった。少しでも本体と注入口の孔に水が溜まるとあふれ出てしまう。少々荒技ながら少し硬めのチューブの先を5mmほど折り曲げ、本体内部にまでチューブを差し込むと注入しやすい。

 注入器で、4~5回水を注ぎ入れ、本体の底から3cmぐらいの位置まで水を満たす。次に、パイプの底から2cm程度水を入れて準備完了。水が溢れ出る場合も考えられるので、小皿などを利用し、安定した場所に置きたい。

同梱されている約10cm大きさの注入器と約50cmのチューブセット(写真上)。本体を傾けて、空気を抜きながら本体に水を注入する(写真下)のだが、これが結構手間本製品を壊さぬよう気をつけながら、本体内部にチューブをゆっくり差し込むと作業しやすい。水を抜いたり、すすいだりする場合にもこの方法は効率良くできたパイプの下から2cm程度の水位が標準位置となる。天気の安定している時に水を注入するのが良いだろう

温度計をそばに置き、暖房器具などの影響を受けにくい気温の安定する場所で観察した
 さて、本当に天気は予想できるのか。 実際に3週間ほど毎日観察した。

 はじめは暖房のある部屋に置いたのだが、部屋が暖まると、それでだけで水位が上昇してしまう。どうやら気圧の変化よりも、温度の影響を受けやすいようだ。暖房の影響の少ない場所に移動させ、温度との兼ね合いを見るためにも温度計を側に置き、観察を再スタートした。

 観察してみてわかったが、水位が0cm~3cm前後にとどまっている場合には、天気の良い日が続く。ところが、多少天気が良く、水位が5cmを超える付近まで上がると、曇りになったり雨になったりと、あきらかに天気が不安定になるケースが多かった。

 観察から数日経ったある日のこと。午前中は晴れで水位は0.5cmほどだったが、昼過ぎには空はうす曇になり、水位は3cmに伸びた。夕方には6cmを超えついに、雨が降り出した。その後も水位は増え続け、6時間後にはパイプの先端部分の広がった所に水が溜まるほど。天気はさらに荒れ、暴風雨となっていた。刻々と変化する天気に水位がしっかりと同調され、ドキドキしてしまった。

写真左:「晴れ」の予想 中央:天気が崩れはじめている 右:悪天候の予想悪天候の時や、設置場所の気温が高い場合には、傘の部分にまで水が達する場合がある。そのため傘の部分は5mlの水を溜められるようになっている

 その一方で、暖房も要らないほど暖かい日には、天気に関係なく水位がずっと上の方でとどまる事があったり、反対に気温がとても低い日には悪天候でも水位が上がらず、ずっと低い位置で動かなかったりと、不安定な一面もあった。

 というわけで、お天気カエルが見せてくれる予報は、気温の影響を受けやすいため誤差がある。そのため、「傘を持ち歩こうかどうしようか」とか「洗濯物を外に干すべきか否か」といった、実質的な天気予報を望む場合には向かない。あくまでも参考程度に、といったところだろうか。

 しかし、コミカルでオトボケなデザインで、ある意味「癒し系」のインテリアグッズなハズなのに、天気と共にドラマティックに変化するその水位を見せられると、「上空では一体どんな事が起こっているのだろう?」という、想像力と知的好奇心を大いにくすぐられた刺激的な一品でもあった。好きな色の水を調合したり、注射器のようなもので水を奮闘しながら注入したりと、理科の実験を思い出させるようなワクワク感もとても楽しい。

 時には大コケもするが、なかなか憎めない、愛らしい「お天気予報士」なのである。


2009年 3月 31日   00:00