家電製品ミニレビュー

乙女のブツ撮りに最適! スキャン機能が付いたLEDデスクライト

PFU「SnapLite」

 いまやスマートフォンに欠かせない機能となったカメラ。買ったばかりの小物や、作った料理をパシャッと撮影して、日記代わりに保存している方もいるのではないだろうか。

 ところがスマホのカメラでは、画像がぶれたり、影が入ったり、無駄な余白が写り込んだりして、なかなかうまく撮れなかったりする。

 そこで試したのが、iPhoneと連携するユニークなスキャナ兼LEDデスクスタンド、PFUの「SnapLite」だ。

メーカーPFU
製品名SnapLite
購入場所Amazon.co.jp
購入価格12,800円

 SnapLiteは、外観はとてもシンプルなLEDデスクスタンドだが、iPhoneと連携するスキャン機能を搭載している。対応機種はiPhone 5、5s、5cのiOS6.0以降だ。

 本体は“コの字型”で、サイズは75×158×360mm(幅×奥行き×高さ)。重量は650g。本体は片手で持てるほど軽いが、安定して設置できるよう底面に滑り止めが付いている。光源には、色温度が2,700Kと5,000KのLEDを搭載し、それぞれ黄色と白色で点灯する。

本体とアダプターがセットになっている
本体側面
背面下部には、スマートフォンなどへ給電できるUSBポートを備える

 付属品はACアダプターのみ。説明書も紙1枚。梱包もシンプルだった。本体はホワイト1色でまとめられている。デザインを担当したのはクリエイティブユニット「TENT」だ。ちなみにTENTの製品(「OKAERI ROBOT」など)は弊誌でいくつかレビューしている。

操作ボタンは、電源ボタンとリスマークの撮影ボタンのみ
色温度が2,700Kと5,000KのLED2基を搭載する
底面の四隅に滑り止めがついているので、安定して設置できる
付属の説明書はこれだけ。アプリの指示通りに撮影すればいいので、分厚い説明書は要らないのだ

撮影ボタンを押すだけで簡単スキャン

 まずは、この製品の最大の特徴である、スキャン機能を使ってみよう。

 使い方は難しくない。あらかじめiPhoneに専用の無料アプリ「SnapLite」をインストールしておく。本体は電源に繋いだ状態で、テーブルなどの平面に設置する。

 撮影する際はまず、iPhoneと本体をBlutooth 4.0で接続し、本体の天面に置く。アプリを起動させ、SnapLiteを認識するボタンを押すと、連携が完了する。

iTunesストアで無料でダウンロードできる専用アプリ「SnapLite」
カイドに従って操作を進める
ここにiPhoneを置いて撮影する

 いよいよ、撮影だ。撮影スタンバイOKになると、iPhoneの画面がカメラモードになり、SnapLiteのレーザー光が点灯し、テーブル面にA4サイズの枠が浮かび上がる。この範囲内に、撮りたい物をセットすれば良いのだ。古い写真や書類などの平面物から、アクセサリーや料理皿などの立体物まで、基本的になんでもOK。

 まずは読んだ書籍の表紙をスキャンすることにした。大きめの書籍は難なく撮影できた。画像はJPEG形式で保存される。自動でトリミングされるうえ、手動でもトリミング可能で、微調整できる。

テーブル面にA4サイズのレーザー光による枠が浮かび上がる。対象物をこの枠内に置いて撮影する
撮りたいものをセットしたら、本体のリスマークの操作ボタンを押すだけ
撮影後、数秒でスキャンが完了
JPEG形式で保存される

 SnapLiteの賢い所は、複数の対象物を同時にスキャンできる点だ。例えば、文庫本を2冊セットすれば、2冊の表紙を見分けて撮影し、一度に2枚の表紙画像を保存できる。A4の枠内に収まるなら3枚以上も可能という。レシートや航空券なども、一気に取りこめるのだ。

A4の枠内に収まれば、2つ以上のものを同時にスキャン可能
文庫本と新書を2冊同時にスキャンした
どちらもきれいに表紙がスキャンされている
旅の思い出となっている航空券も、複数枚を並べて一度にスキャン
隅から隅まできれいにスキャンされていた
トリミング範囲も問題ない

 A4サイズからちょっとはみだしてしまいそうな、大判の雑誌の表紙も撮影できた。ゆがみは自動で補正され、実際の表紙とほとんど変わりなく見える。

 ちなみに、撮影時の設定も細かく決められる。例えばライトの光色を変えたり、色味を自動補正したり、ボタンを押してからカメラのシャッターを切るまでの時間を調節したり……といった具合だ。こうした微調整によって、好みのニュアンスの画像に近づけることができる。

光色は白と黄色を切り替えて撮影できるほか、ライトをOFFにして撮影も可能
大判の雑誌の表紙もこのとおりきれいにおさまった
ライトのON/OFFや光色、タイマーの時間などはアプリから設定する

 このほか、撮影した画像を合成し、1枚の画像として保存することもできる。ゆがみなどは自動で補正してくれるので、便利だ。

大判のポスターも……
2回に分けて撮影し、1枚のJPEG画像に自動で合成する

 ただし、私のやり方が悪いのだろうか、撮りにくい対象なのだろうか、うまく撮影や合成ができない時も何度かあった。例えば変形のポストカードや、背景の色と似たような色のポストカードは、うまく取りこめないので、注意しよう。

牛の顔型のポストカードを取りこもうとしたが……
うまくスキャンできなかった
ピンク色のポストカードを取りこみたかったが、背景と色が似ていると、うまく取りこめないようだ

デスクスタンドの明るさは十分

 デスクスタンドとしては、LEDの明るさは十分だ。暗い部屋でも、SnapLiteを点灯すれば読書できるほど明るい。明るさは本体からは調節できないが、アプリを使えば5段階で調節できる。光色は「黄/白/OFF」で切り替えられる。

【お詫びと訂正】初出時に「調光機能はない」と記載していましたが、アプリで調光可能です。ここにお詫びして訂正いたします。

黄色のライトはリラックスできる色だ
白色のライトは頭がスッキリする気がする。ベッドサイドのあかりとしては、やや明るすぎるかもしれない

アクセも靴も……!! きれいにブツ撮りできる

 以上がSnapLiteの基本的な使い勝手だ。ここからはSnapLiteを使って簡単に小物を撮影する方法、いわゆる“ブツ撮り”について触れたい。自宅でアクセサリーや靴をコレクションしているのだが、とにかく整理整頓が大変。きちんと収納しておくものの、もはや持っているのを忘れて、似たようなものをうっかり買ってしまうことがある。

 そんな時に、SnapLiteでこれらを撮影しておけば、iPhone上でコレクションを確認できるので便利だ。毎朝のコーディネートもはかどる。簡単に影なく、ブレなく撮れるので、InstagramなどのSNSへ投稿する写真にもピッタリだ。

アクセサリーなどの小物を、ムラなく撮影できる
ブレスレットとネックレスを一度に撮影可能
小さな香水瓶を撮影しても……
トリミングすれば適正サイズで保存できる

 特に撮りやすかったのがアクセサリーなどの小さなもの。逆に靴のようなかさばるものは、画像になった時にどうしてもゆがみがちになる。コツをつかめばうまく撮影できるようになるので、そんな試行錯誤も楽しい。

箱に入れて保存したまま存在を忘れてしまいがちな靴も、スキャンしておけばiPhone上で所蔵をチェックできる
靴のようにかさばる立体物は、画像がゆがみやすい気がする
一足だけ撮影したほうがすっきりおさまる。試行錯誤して撮影するのも楽しい

スキャンもブツ撮りもコレ1台

右奥にある「ScanSnap ix500」をこれまでスキャナーとして使っていた

 実は我が家では、同じくPFUのスキャナー「ScanSnap ix500」を使っている。大量の書類やノートをスピーディーにデータ化できるので重宝しているが、紙を本体に通してスキャンするタイプなので、立体物は撮影できないし、破れやすい素材の紙などはスキャンに通せなかった。実際に、古い写真を取りこもうとして破れてしまうこともあった。

 SnapLiteは仕様の全く異なるカメラタイプのスキャナーなので、航空券やチケット類のような判型の小さいもの、破れやすい素材のものも、気兼ねなく取り込める。スキャンした文字をテキストデータ化することはできないが、ブツ撮りの撮影補助アイテムとして、アクセサリーや靴、料理などの立体物を上手に撮影できるというメリットがある。

普通のスキャナに通しにくい小さなパンフレットも……
手軽にスキャンできるし、紙を傷めない
張り切って作った料理も記録できる
化粧品をSNSで共有したい時にも便利

 SNSへ頻繁に写真を投稿する方、日常を写真に記録したい方、自分のコレクションをiPhoneでも眺めたい方などには、影やブレのない写真を簡単に撮れるSnapLiteは、役に立つのではないだろうか。

小林 樹

Amazonで購入