家電製品ミニレビュー

シャープ「IG-DL1S」

~“寝室用”のプラズマクラスター発生機
by 阿部 夏子

“寝室用”のプラズマクラスター発生機

シャープ「IG-DL1S」

 最近「生活の中にイオンを取り入れて脱臭や除菌対策として使う」というスタイルが以前にも増して定着してきている。国産メーカーの多くの空気清浄機にイオン放出機能が搭載されているし、最近では空調機だけでなく、エアコンや冷蔵庫、掃除機などにもイオンが搭載されている。

 そんな風潮の中、注目を集めているのがイオンだけを放出するという「イオン発生機」という製品。何かの機器のデバイスとしてではなく、イオン発生機そのものを、空間作りに役立てるというものだ。シャープではいち早く、そのジャンルに注力。これまでにも様々な種類の製品を展開してきた。

 今回紹介するのは、そんなイオン発生機の中でもかなりユニークな製品、寝室用に特化した「IG-DL1S」だ。同社独自のプラズマクラスターイオンを放出することでの寝具に付着した汗や加齢臭、カビのニオイを分解・除去するほか、肌の保湿までできるという。


メーカーシャープ
製品名IG-DL1S
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシ.com
購入価格16,900円


 もっとも特徴的なのは、その形状だ。まるでデスクライトみたいな形をしており、向きを自由に変えられるようになっている。軸の部分は手でぐにゃりと形を変えられるようになっていて、高さや向きを自由に調節できる。さらに、置き方も2通りに対応している。台座を使うか、机や棚の一部にネジをかませて固定「クランプ式」か、本体の設置場所に合わせて選べるようになっている。ここらへんの仕様も、デスクライトと似ている。
製品パッケージ同梱部品。本体のほかに台座部分と、固定用のネジが付属されている台座を使って本体を組み立てたところ
台座部分本体側面プラズマクラスターイオン放出口
本体の軸の部分は柔らかく、手で自由に形を変えられるクランプ用の部品をセットしたところネジでベッドボードなどに固定する

 本体サイズは190×200×565mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.2kgとごく軽い。シャープでは、イオンの吹き出し口からベッド(あるいは布団)までの距離を約70cmに調節して使うように推奨している基本機能はプラズマクラスターイオンを発生すること。1立方cmあたりのイオン濃度は25,000で、前世代のプラズマクラスター発生機よりも高くなっている。

 「就寝用」と銘打っているIG-DL1Sには、ほかの製品にはない機能も搭載されている。それが放出口のすぐ下に備えられているLEDライトだ。限定されたわずかなスポットしか照らすことができない、ごく小さなライトだが、就寝前に本を読むといった用途にはぴったりだ。

放出口上部には「プラズマクラスター25000」のシールが貼ってある放出口の下にはLEDライトが搭載されている

生活の中に自然に溶け込む

クランプでベッドに本体を固定したところ

 使い始めて3週間ほど経つが、当初に思っていたよりも、使いこなせている。というのも、イオン発生機は、すでに暮らしに馴染んだ「生活家電」とは違うジャンルの製品なので、うまく取り入れられるか心配だったのだ。就寝前にスイッチを入れる、起きたら切る、たったこれだけの動作でも、毎日行なうためにはそれなりに意識する必要がある。

 その点、IG-DL1Sが優れているのは、ライトが付いていること。ベッドサイドのライトを置き換えて使用することで、自然に生活に取り入れることができる。ちょっとした工夫ではあるが、就寝用の製品としてライト機能を搭載することには、やはり大きな意味があったのだ。

ベッドサイドにIG-DL1Sを置いたところIG-DL1Sのライトのみを付けたところ文庫本程度なら問題なく読める

 実感としてまず感じたのは、朝起きた時のニオイ。これまで朝の寝室の中には独特のニオイがこもっていた。汗や体臭など、特別臭いというわけではないが、窓やドアを開けたりを開けると、そのニオイがはっきりとわかる独特のニオイだ。それがIG-DL1Sを使い始めてからは、窓を開けてもニオイの差をあまり感じなくなった。前は朝起きたら一刻も早く換気したいという風だったのが、今はそういう気持ちはなくなった。

 また、ベッド周りがいつも清潔に感じられるようになった。枕やシーツが吸収した汗や体臭のもやっとしたニオイをほとんど感じることがなくなったのだ。

 一方、気になったのは、使用中の運転音と風。プラズマクラスターイオンを放出するために、ファンでごく少量の風を発生させているのだが、何しろ頭のすぐ横で使っているので、角度によっては息苦しく感じたり、風や運転音が気になって眠れないこともあった。個人差もあるだろうが、寝つきが悪い人や神経質な人には、お勧めできない。

 私の場合でいうと、放出角度を顔より少しずらした場所に設定することで、この問題は解決できた。また、使い続けていくうちの「慣れ」が占める部分も多いだろう。

 なお、消費電力は1Wで、ライトと併用した場合は1.6W。電気料金は、1日24時間で約0.5円、1カ月で約16円だ。

【お詫びと訂正】初出時に1カ月当たりの電気料金を誤って記載しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

 今回は、実感として「ニオイの変化」について挙げたが、プラズマクラスターイオンでは、これ以外にも除菌や、肌への保湿効果も実証されている。寝室用としてはもちろん、ワンルームならベッド周りだけでなく、部屋全体の除菌まで期待できそう。これからの季節の風邪対策としてもいいかもしれない。





2011年11月30日 00:00