家電製品ミニレビュー
日立「マイナスイオンカールスタイラー ふわまき」
日立「マイナスイオンカールスタイラー ふわまき」 |
定期的な髪のカラーリングや気分転換のパーマ、そしてアイロンやカーラーによる毎朝のセットを十代半ばからほぼ毎日続けて、早10年。もはや見慣れた毛先の枝毛を、ヘアケアでなんとかごまかす日々を送ってきた。
髪にアレンジを加えようとするとダメージはつきものなのだが、特に髪を巻くときに使うヘアアイロンは毎朝使うものなので、極力髪に優しいものを使いたい。そこで選んだのが、今回紹介する日立の「マイナスイオンカールスタイラー ふわまき」(以下、ふわまき)だ。
ヘアアイロンは、髪にくせをつけるための器具で、高温の金属部分を直接髪に当てることで、髪にクセをつけるというものだ。一般的なヘアアイロンは、髪にじかに高熱の金属が触れるので、髪への負担が大きい。
メーカー | 日立 |
製品名 | マイナスイオンカールスタイラー ふわまき DR-N6010 |
希望小売価格 | 17,850円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 8,158円 |
ふわまきは、髪への負担を軽減させるため、金属ではなく、風で髪に熱を与えるというもの。200℃前後に発熱した金属に髪を巻きつけてカールを作るヘアアイロンとは違い、巻き髪を作る本体部分からドライヤーのように温風が吹き出すしくみなので、熱が髪の全体に広がり、髪に与えるダメージを抑えられるという。
サイズは約50×50×300mm(幅×奥行き×高さ)で、本体重量は約370g。大きさは一般的なヘアアイロンと変わらない。
本体「風まきアイロン」装着時 | 「風まきアイロン」を外したところ。ここからマイナスイオンが噴出するので、髪の水分量を維持しながら、巻き髪をつくれるのだそうだ | マイナスイオン表示ランプスイッチはHIGH、CARE、COOL、OFFの4つ。通常はHIGHを使用。 |
付属品一式 | パッケージ裏 |
パッケージ横 | パッケージ横 |
DR-N6010のカラーはブラックのみ。付属品として、直径40mmのふわまきカーラー×2、35mmのふわまきカーラー×2、ブローブラシ、スタンドが一緒になっている。下位機種のDR-N6000は、直径40mmのふわまきカーラー×2が付属し、色はホワイトとピンクの2色で展開している。消費電力は600W/300W。1つの本体に風まきアイロン、ふわまきカーラー、ブローブラシの3つのヘッドが装着できるので、巻き髪を作るときにはアイロン、髪の根元にボリュームを出したいときにはカーラー、髪をとかしたり毛流れを整えるのにはブローと、1台で3役をこなせるしくみだ。
カーラーとは、アルミの筒を髪に巻きつけて、髪の根元を立ち上げたり、ゆるく巻くのに使われる。
商品のキャッチコピーには、「髪に『ゴメンナサイ』しながら巻いていたわたし、サヨウナラ。」とある。このフレーズ、なんだか自分の心にグサッと刺さる。これで10年分許してもらえるのかしら。さっそく巻いてみよう。
はじめに、基本となる風巻きアイロンを試してみる。スイッチをHIGHに入れる。いきなりゴーッとドライヤーのような音がしてちょっとびっくりした。普通のヘアアイロンは無音なので、心構えができていなかった。予熱がいらないというので、そのまま巻いていく。根元まで巻いて、20~30秒キープすると、カールのクセが付いた。
スイッチをHIGHにいれるとドライヤーのような音がする。次にCAREにするとやや音量が落ち、COOLにするとまた音量が上がった |
毛束を巻いていく作業は普通のヘアアイロンと一緒。約100度の温風が髪に広がっているが、特に頭皮に温風が当たって「アチッ」となることもない | 毛束を少なめにとったときの仕上がり。一度にとる毛束の量を少なく、おいておく時間を長くすれば、強めのカールになる | 毛束を多めにとった時の仕上がり。巻き終わったらスイッチをCOOLに入れ、冷で熱を冷ますと、カールがより長持ちするらしい |
before | 全て内巻きで巻いたところ | (写真向かって)右側のみ、内巻きと外巻きをMIXして巻いたところ。様々なヘアスタイルに応用できそうだ |
内巻きも外巻きも、いずれも空気感のあるふわりとした仕上がりになった。これまでのヘアアイロンは、髪をはさんで巻くので、どうしても立体感を出すのが難しかった。私の場合、空気感を出したい時はスプレータイプのワックスをカールした髪に吹きかけて、それをすぐにドライヤーで乾かして、エアリー感をだしていたが、髪がごわついてしまうのが悩みだった。「マイナスイオンカールスタイラー ふわまき」はそんな手間も要らず、ごわつきもなく、ふんわりした空気感が実現でき、特に髪の毛の痛みも気にならない。
次に、「ふわ巻きカーラー」を使ってみよう。ふわ巻きカーラーは直径35mmと直径40mmの各2本ずつが本体に付属しており、一度本体にセットして温めてから髪に巻きつけていく。
カーラーには加熱しやすいアルミシートを内蔵しており、全体がムラなく温まるしくみ | 「風まきアイロン」をセットした本体にカーラーをかぶせる。この時、スタンドを利用すると便利 |
スイッチをHIGHに入れ、約30秒で約65℃の適温になるまで温める。この時もやはりドライヤー音がする。適温になったら普通のカーラーと同じ手順で、TOP部分の髪に毛先から巻きつけ、10~20分ほど放置する。その間に、次のカーラーを温める。
普通のカーラーと同じ手順で、髪に巻きつけるだけだ | 数分放置したところ。しっかり根元が立ち上がっている |
カーラーをとってみると、しっかり根元が立ち上がっていた。熱したカーラーがこれまで使っていたものよりも全然熱くないので、しっかり巻けているのか不安だったが、杞憂だったようだ。商品説明によれば、カーラー内部の蓄熱性が高いので、熱が長持ちして、低温でじっくり、しっかりとくせづけできるそうだ。
最後に、ブローブラシを試してみた。ブローブラシは、毛流れを整えるのに適しているという。ブローブラシを使う際には、スイッチをCAREに入れ、髪にやさしい約80℃の温風を使うことが推奨されている。
髪の毛をとかす感覚に近い。前髪に自然な毛流れを作るのにも向いている |
全ての髪をとかしてみると、マイナスイオンドライヤーを使ったあとのような、さらさらとした質感の髪になった。洗った髪を乾かす際の仕上げや、毎朝のセット前に、あるいはしっかり巻いた髪をラフにくずす際などに使えそうだ。
以上、3つの機能を試してみて感じたのは、「マイナスイオンカールスタイラー ふわまき」は、これまでのヘアアイロンと仕上がりの違いがはっきりわかるほど、空気感のあるふんわりとした巻き髪が作れ、髪の質感がツヤツヤした感じになる。今まで10年髪を巻いてきたけれど、このふんわり感は初めてだ。
なにより嬉しかったのは、実際にこの巻き髪で一日過ぎしてみても、巻きがとれにくかったこと。風で巻く、と聞いて、巻きがゆるく落ちやすいイメージを抱いていたので、意外だった。どんなにきれいな巻き髪でも、すぐに巻きがとれてしまっては元も子もない。ヘアアイロン選びではカールの持ちが非常に重要になってくる。
ササッと髪をとかし、カーラーでトップの髪を立ち上げながら毛先を巻いていく一連の流れに慣れれば、忙しい朝でも髪をセットする時間が短縮できそうだ。
それだけに、値段をみれば、これまで使ってきたヘアアイロンやホットカーラーが5,000円前後~8,000円であったのに比べやや高価だ。だが、ヘアアイロンやホットカーラーが一緒になっていることを考えると、相応かもしれない。カーラーとアイロンのどちらを買うか迷っている人には、これ一台で済むのでオススメしたい。
改善して欲しい点としては、スタンドが軽くてやや安定感に欠けるということ。そして、同時に6本温めるホットカーラーに慣れた身には、一本一本カーラーを温めるのはちょっと面倒。髪への負担が少ないのはわかるのだが。といって、面倒だのなんだの言って手間を惜しむから、髪がどんどん痛んでいくわけで…そこはむしろ個人的に改善すべき点なのかも。
このヘアアイロンを使うだけで独特のふんわりした質感の巻き髪が作れるので、初心者の人はもちろん、これまで熱で巻くアイロンを使ってきた人にも、この違いをぜひ試してみてほしいと思う。
2010年9月27日 00:00