家電製品ミニレビュー
UCC上島珈琲「UCC エコポッド EP2」
UCC エコポッド EP2-R(レッド) |
■本格的なペーパードリップの味を、1杯から楽しめる
冬本番で、温かい飲み物が嬉しい時期に入った。個人的な好みをいえば、朝や仕事中にはコーヒー、昼食では緑茶や烏龍茶、休憩時間には紅茶、というように、気分に合わせて飲み分けたい。しかし実際は、お茶系は急須を用意する手間がかかるので、あまり手を出せず、結局はお湯を涌かしてインスタントコーヒーをいれるだけになってしまっている。
そこで今回は、1台でコーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶の味も楽しめるユニークなマシンをご紹介したい。UCC上島珈琲の「UCC エコポッド EP2(以下、EP2)」は、一見よくあるコーヒーメーカーなのだが、「エコポッドシステム」という独自のシステムにより、これだけで本格的な味わいのコーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶が飲めるというマシンなのだ。
メーカー | UCC上島珈琲 |
製品名 | UCC エコポッド EP2-R |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 4,980円 |
EP2の最大の特徴は、1杯分のコーヒー豆や茶葉が入っている「エコポッド」という専用のポッドを使うことにある。このポッドを本体にセットすることで、コーヒーだけでなく、お茶や紅茶など様々な種類の飲み物を抽出できるというわけだ。
パッケージには「スペシャルブレンド」が1箱ついていた | EP2本体、計量カップ、「スペシャルブレンド」 | 本体正面 |
スペシャルブレンドの「エコポッド」。1箱10個入り | 中に7.5gのコーヒー豆が入っている | 今回試した4種類。左からスペシャルブレンド、ブルーマウンテンブレンド、霧の紅茶 ダージリンブレンド、天地人 緑茶 |
EP2の本体サイズは120×240×250mm(幅×奥行き×高さ)で、重さ2.0kg。カラーは、今回使用したレッドのほか、ホワイトとシャンパンゴールドも用意されている。
EP2の側面には、「オン/オフ」「オート」「マニュアル」の3つの操作ボタンがついている。
操作部 | 左側面 | 右側面 |
水タンクの中の様子 | 水滴を受け止める「ドリップトレー」と「トレーカバー」 | エコポッドホルダー |
実際の使い方は、いたって簡単だ。まず「EP2」本体の水タンクのふたを外して、付属のカップで水を入れ、ふたを戻したら、「オン/オフ」ボタンを押して、お湯を沸かす。
沸騰に要する時間は約3分。その間に、カップトレーにマグカップ等を置き、エコポッドホルダーにコーヒー等のエコポッドをセットする。
水タンクに水を入れる | 水タンクのふたをする。矢印がついているのでわかりやすい | 「オン/オフ」ボタンを押して、湯沸かし開始 |
「抽出ヘッド」を開けると、「エコポッドホルダー」が現れる | ちなみに、「エコポッドホルダー」をはずすと、「トレーカバー」が見える | 「エコポッドホルダー」にスペシャルブレンドの「エコポッド」をセット |
お湯が沸いたことを知らせるアラームが鳴ったら、後は「オートボタン」を押せば、自動的に大きめのマグカップ1杯分の約180mlのホットドリンクができあがる。
なお、180mlよりも少なめに淹れたいときや、「オートボタン」で180ml抽出したところに、もう少しだけ追加したいときなどには、「マニュアル」ボタンが便利だ。好みの抽出量に合わせて、10秒~120秒の間で抽出時間を変更できる。
抽出ヘッドを閉じる | カップをセットする | お湯が沸いたら、「オートボタン」を押す |
タンクの容量は500mlなので、「エコポッド」を交換すれば、ホットドリンクを2杯、連続して抽出できる。コーヒーの後に、すぐ緑茶を入れるということも可能だ。
3杯目以降は新たに水を足さなくてはならないが、多少熱湯が残っているため、初回より短い時間でお湯が沸く。試しに、4杯連続して抽出してみたところ、スピーディーに次から次へとお湯を沸かせたので、4杯目まで待つ間に、最初の1杯が冷めて困るということもなかった。
ドリンクをいれ終わったら、 「抽出ヘッド」をあけて、使い終わった「エコポッド」を「エコポッドホルダー」ごと取り出して、そのままごみ箱に捨てるだけである。
コーヒーが抽出される | 180mlで自動停止 |
「抽出ヘッド」をあけて、使い終わった「エコポッド」を「エコポッドホルダー」ごと取り出す | そのままごみ箱へ |
スペシャルブレンドのドリップから、続けて緑茶のドリップまで |
安全面では、タンクの水が抽出可能な水位を下回ったときや、湯温が抽出可能温度以下になったときには、自動的に運転を停止するオートオフ機能が働くので安心だ。
■1杯だけ飲みたい、というワガママを聞いてくれる
気になるメンテナンスだが、洗浄が必要なのは、「エコポッド」をセットする「エコポッドホルダー」と、カップを置く「トレーカバー」およびその下の「ドリップトレー」の3点で、いずれも取り外して簡単に洗える。水タンクは取り外せないが、残った水は「オート」と「マニュアル」ボタンの同時2秒押しで排出できるので、手間はかからない。
今回、「ゴールドスペシャルブレンド」「ブルーマウンテンブレンド」「霧の紅茶ダージリンブレンド」「天地人 緑茶」の4種類を試飲してみたが、意外とヒットだったのが「天地人 緑茶」だった。個人的に緑茶を飲む機会は、ほとんどない。なぜなら、飲みたいのは1杯だけなのに、ポットの準備や、使用済みの茶葉の扱いがなんとなく面倒だったのだ。まだ飲めるかもしれない茶葉を捨てるのも気が引ける。その点、「エコポッド」では、飲みたいと思ったときに一杯分だけ、気楽に用意できるのだ。
ただ、お茶やコーヒーなど、種類の違う飲み物を1つのマシンでいれるので、香りが移ったりしないかと心配される方もいるだろう。筆者が試したところ、それぞれのお茶の香りや味以外に、違和感を感じるようなものはなく、ごく自然な風味を味わえた。違う種類を連続してドリップしても、前のドリンクの味や匂いが混ざることはなかった。
連続して4種類のお茶を用意できた | それぞれの使用済み「エコポッド」 |
デメリットを挙げるとすれば、専用の「エコポッド」がないと使用できないことや、好みの濃さに調整できないことだろう。手元にあるエコポッドの4種を飲んでみた限りでは、いずれもすっきりした味わいだった。濃いめが好きな方は、自分の口に合うかどうか気を揉みそうだ。
今回試した4種類のほかにも、「ゴールドスペシャルリッチブレンド/ゴールドスペシャルモカブレンド/ゴールドスペシャルキリマンジャロブレンド/天地人 シャンピン烏龍茶」などが用意されている。もしかしたら好みの1杯に出会えるかもしれないので、ぜひお試しいただきたい。個人的には、購入時にそれぞれのエコポッドの試飲セットがついてくれば非常に嬉しい。このあたりは、今後に期待したいところである。
EP2は、本格的なコーヒーメーカー風の雰囲気と、1カップごとにお湯を注いでドリップできる、フィルターの手軽さの両方を備えた製品だ。1杯ずつ飲める最小単位としては、ティーバックの使用も考えられる。カップごとにいれて、お湯を注ぐだけなのだから、当然簡単だ。しかし、“ボタンを押すと、できたてのお茶がカップに注がれる”というのは、自分で用意するのではなく、“やってもらう”という特別な雰囲気が醸し出され、心をちょっとリッチにしてくれるのである。このあたりの満足感を得られるのが「EP2」の存在価値と言えるかもしれない。
2011年12月14日 00:00