家電レビュー

使って満足KEURIGのコーヒーメーカー 置き場所スリムで人気店の味を手軽に

KEURIGが約4年ぶりに日本向けの新モデルとして発売した「KB-01」。価格は15,400円

カプセル式のコーヒーメーカー「KEURIG(キューリグ)」。日本には2001年に上陸し、2020年に国内の事業会社としてカップス社が設立されて以降、本格展開されている。同社によると、本国アメリカでは4世帯に1世帯以上が保有するほどの普及率を誇る、人気製品とのことだ。

そんなキューリグの日本市場向けのモデルとしてこのほど約4年ぶりに発売されたのが「KB-01」。本体サイズ10×32×29cm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.8kgで、既存モデルの「BS300」に比べると、かなりコンパクトになっているのが特徴だ。

本体サイズ10×32×29cm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.8kg

キューリグのコーヒーメーカーは、「K-Cup」と呼ぶ専用のカプセルを使用するのが共通した仕様。人気店や名店、ご当地カフェなど20以上のブランドとコラボし、40種類以上のカプセルを展開。コーヒーだけでなく、紅茶、緑茶など豊富なラインナップを楽しめるのも、他のコーヒーメーカーにはない従来からの魅力である。

専用カプセル「K-Cup」。コーヒーから紅茶、緑茶まで、ご当地カフェなど20以上のブランドとコラボした40種類以上をラインナップ

カプセルの中身はコーヒー粉や茶葉で、ドリップ方式でコーヒーやお茶を抽出する。カプセルは、他社のカプセルに比べると若干大きく、豆の蒸らし過程や茶葉のジャンピングのための空間が計算された形状とのこと。さらに、窒素を充填して密閉することでカプセル内の豆や茶葉の酸化を防いで鮮度を保ち、いつでも淹れたての味と香りを楽しめる。

カプセルの中には、コーヒー粉や茶葉が窒素を充填して密閉されている。カップの外側には品質保持期限も記載
茶葉の場合(左)は、お茶用のフィルターを使用している

既存モデルの「BS300」は、本体サイズが18×31.8×30cm(幅×奥行き×高さ)と少々大型で、日本では常設しておくのにためらうご家庭もあるだろう。筆者もその1人で、「もう少しコンパクトなら欲しいなぁ」と思っていた。

新モデルは、「BS300」に比べると、幅は半分程度に小型化されて、重さも約1kg軽量化されている。これにより、キッチンやリビング、書斎等に気軽に設置しやすいサイズ感となった。

既存モデル「BS300」(右)とのサイズ感の違い。幅は半分程度に小型化されている

ただし、小型化された反面、一部の機能は省略、簡略化されている。その1つが“給湯機能”だ。「BS300」では、お湯だけを抽出する機能も搭載されていた。

しかし、本製品では省かれている。カップラーメンやお茶漬けなどを作る際、給湯機能はあれば便利な機能だが、電気ケトルなど類似の機能を備えた家電製品を他に所有しているなど、家庭によっては不要でマストな機能ではないため、省かれていても困らない。

もう1つは湯量を調整する機能だ。「BS300」では、コーヒーやお茶を抽出する際のお湯の量を無段階で調整できるのに対して、本製品は70/140/200/240mlの4段階からボタンで選ぶ。

実際に使ってみると、確かに湯量を微調整できると便利だと感じることはあるものの、規定量どおりでも十分にクオリティーが高い。毎日使っていると、ボタン1つで設定どおりにドリンクを淹れられるほうがむしろ使いやすく感じられるようになった。

天面の操作ボタン。電源をオンにした後、真ん中のボタンで湯量を選ぶ

それ以外の使い方は既存モデルと同じだ。カプセルを本体にセットして、好みの抽出ボタンを押すだけ。計量が不要で、使用後はカプセルをそのまま捨てるだけのカプセル式コーヒーメーカーの手軽さは、計量や豆を挽いたり、ドリップフィルターをセットしたり、捨てたりしなければならない、一般的なコーヒーメーカーの手間が面倒になり、一度使うと戻れなくなってしまう。

水タンクやカップ取り付け部、トレーといった部品のお手入れは定期的に必要だが、どれも簡単に水洗いできる。

本体手前のレバーを持ち上げると、カプセルをセットできる。カプセル装填後は再びレバーを下げてスタンバイ
スタートボタンで抽出開始
約20秒ほどでドリップが止まる
使用済みのカプセルはそのまま捨てられる。試しに使用後のカプセルを開封してみたところ、コーヒー豆の粒子の粗さや量はそれぞれの銘柄に最適化されている
水タンクは簡単に取り外せて直接水を注げる。最大500mlの容量をセットできる
カプセルを取り付けるホルダーは簡単に取り外せて水洗いも可能
下側のトレーも取り外して水洗いできる
カップの高さに合わせて、トレーも高さを変えられる

本体がコンパクトになったことに伴い、水タンクの容量は500mlと、既存モデルの1.5Lに比べて少ないが、140mlの抽出設定で約3杯分に対応する。電源を入れて抽出ボタンを押して抽出されるまでの時間は既存モデルの2倍となる約15秒の速さだ。

筆者の好みのコーヒーは濃いめでコクと味わいがしっかりあるテイストだ。当初、通常モードで抽出をしていて、最初のうちはカプセルの種類によっては少し薄いと感じることもあった。

そのため、湯量を微調整する機能がやはり欲しいと思ったが、抽出ボタンを長押しすることで設定できる“ストロングモード”を試してみたところ、物足りなく思っていた要素が難なく解消。ストロングモードは、ゆっくり抽出することで濃いコーヒーが味わえる設定で、抽出時間は通常モードよりも少しだけ長くなるが、それでも十分に速い。以降はずっと基本はストロングモードに設定している。

スタートボタンを長押しすると、ランプの色が赤に変わり、ストロングモードに設定できる
抽出された140mlのコーヒー

新モデルを試用してみて、改めてK-Cupの豊富なラインナップの魅力を実感した。コーヒーだけでなく、お茶や紅茶も選ぶことができるので、子供から大人まで幅広く楽しめる点がありがたい。

ちなみに、初めてキューリグを体験する際には、人気のお店の12種類のカプセルを1つずつ詰め合わせた「アソートBOX」がおすすめ。テイストごとにセレクトされた、バラエティ豊かなコーヒーやお茶、紅茶を飲み比べて、お気に入りの味を見つけやすい。本体と「アソートBOX」2箱がセットになったスターターセットもお得なので、迷ったらおすすめしたい。

12種類のカプセルが入った「アソートBOX」。価格は1,980円。単体の他に、本体とのセット販売も用意されている
テイストごとに分類された、人気の銘柄12種類が1カップずつ詰め合わさっている
箱の内側に書かれたそれぞれの特徴を参考にすると、好みのテイストやお気に入りを見つけやすくなる

マットな質感を採用し、シンプルでインテリアとも調和しやすいデザインも好印象。カラーもホワイト、ブラック、ベージュの3色が用意されており、好みやインテリアに合わせて選ぶことも可能だ。

機能を取捨選択したことで、シンプルな操作性を実現している点も評価できる。エントリーモデルとしては十分な機能を備え、価格とのバランスが非常によく、気軽にキューリグのコーヒー&ティーマシンを楽しめる、新しいラインナップだ。

神野 恵美