e-bike試乗レビュー

トレックのグラベルe-bikeを試乗後に購入! 楽しすぎて久々の100km超えサイクリング

トレックのグラベルロードe-bike「Checkpoint+ SL 5」

以前にレビューしたTREK(トレック)のe-bike「Checkpoint+ SL 5」。価格は850,000円。グラベルロードバイクタイプのe-bikeです。「グラベルロードバイク」とは、ロードバイクのような走行性能がありつつ、未舗装路の走行も行える仕様のスポーツ自転車です。

カーボンフレーム仕様(500シリーズOCLVカーボン/IsoSpeed)で、ドライブユニットはドイツのTQ社「TQ-HPR60」(最大トルク60Nm)でダウンチューブに360Whのバッテリーを内蔵しています。主なコンポーネンツはシマノGRX(1×12速)。最大50mm幅のタイヤまで装着可能で、チューブレス仕様として出荷されます。重量はMLサイズ・チューブレス仕様で13.81kgです。

レビューでは2026年モデルを扱いましたが、この夏に2027年モデルも加わりました。その違いはカラーのみで、スペックや価格は変わりません。従来からある「Fjord Blue/Cobalt Blue」に加え、「Matte Bronze Age/Dark Web」が登場しました。

従来カラーの「Fjord Blue/Cobalt Blue」
2027年モデルから加わった新色の「Matte Bronze Age/Dark Web」
光沢を抑えたマット塗装で、自然のなかでも違和感のない存在感となりそうなカラーです
Matte Bronze Ageは少し光沢を感じさせるブラウンやグレーベージュというイメージのカラー。個性的ながらも落ち着いた色合いです
Dark Webはマットのブラックというイメージ

2026年モデルは国内での販売台数が少なめだったこともあり、発売後間もなく「ほぼ売り切れ」という状態になったそうです。かくいう筆者は「Checkpoint+ SL 5が買えない状況になったらイヤだ!」と思って、実はレビュー後に急いで注文して購入しました。というわけで、今回はCheckpoint+ SL 5オーナーとしてのやや長期実走レビューをお届けしたいと思います。

なぜCheckpoint+ SL 5を買った?

まずはCheckpoint+ SL 5を購入した理由から。初回のレビューでも書きましたが、大きな理由は走りのよさと軽さ、そして乗り心地のよさです。わりと「ガチ」な雰囲気のロードバイクですが、走ると「うわっ!」と驚かされます。

カーボンフレームとエアボリュームのあるチューブレスタイヤにより、とくにグラベル(未舗装路)での快適性に優れていると感じられます

13.81kgという「e-bikeとしては非常に軽い」車体重量で、そこに最大トルク60Nmを発するドライブユニットの力強さが加わり、「どんな坂でもスイスイ上れる」というのが魅力的。同時にカーボンフレームとIsoSpeed(トレック独自の低振動シートチューブ構造)により、荒れた舗装路でも砂利道でもライダーに伝わる振動がマイルドで乗り心地がいい。

IsoSpeedは、トップチューブなどから切り離されたシートチューブにより、荒れた舗装路やトレイルのデコボコからの振動を吸収するという機構で、ライダーが走行時の振動を感じにくくなり、疲労を軽減します。筆者的には「IsoSpeedがあるとお尻の痛みも減る」という印象も強いです。

トレック独自のIsoSpeedを搭載

試乗時の懸念材料としては「バッテリー容量が360Whで内蔵式(ユーザーによる取り出しができない)」という点です。メーカー公称値はEcoモードでの最大走行距離が約80kmとなっており「長距離を走るには物足りないスタミナかもしれない」と考えていました。また筆者の体重は100kgくらいありますので、「筆者にとってスタミナ不足のe-bikeになってしまうかも」と想像していました。

バッテリー容量は360Whで、現在のe-bikeとしては「容量少なめ」という部類に入ると思います。なお、別売の「TQ HPR Range Extender battery(TQ HPR レンジエクステンダー バッテリー)」(重さ950g)で160Whのバッテリー容量を追加することができます。

バッテリーはダウンチューブに格納されていてユーザーによる取り外しには非対応

ですが実際に走ってみると、川沿いのサイクリングロードを約52km走って、バッテリーを30%しか消費していませんでした。軽くてスピードに乗りやすいe-bikeなので、アシストは少々の上り坂や走り出しのときだけ発揮される感じで、メーカー公称値ほどバッテリーを消耗しなかったのだと思います。ともあれその試走でCheckpoint+ SL 5のスタミナに関する懸念は払拭されました。

ほぼ平坦(途中のアンダーパスに小さなアップダウンあり)のサイクリングロードを約52km走った後のバッテリー残量は70%でした。これなら100km走行でも大丈夫……そう?

そして、何よりも「楽しい!」ということ。軽快に走れて乗り心地がよく、アシストもしっかりしたパワーを出してくれる。サイクリングにありがちなネガティブ要素の「上り坂が辛い」「道が悪いと体が疲れる」「振動でお尻が痛い」などを感じにくく、風景や空気を楽しみながら気持ちよく軽やかに走り続けられる。

速さはロードバイク級、乗り心地のよさはMTB似、坂道をものともしないアシストと低ギア比で、ライダーへの負担が少なく遠くまで走れます。どこを走ってもとても楽しいe-bikeです

その楽しさは、これまで乗ってきたe-bikeの中でもトップクラス! あの楽しさをもう一度! いや一度だけでなく何度も! そう思い、もはや我慢ができずに購入したというわけです。

購入後、現時点で約1,000kmくらい走りましたが、乗るほどに走るほどにCheckpoint+ SL 5のよさを実感しています。買ってよかった! Checkpoint+ SL 5で梅雨前~夏と走っていますが、この調子だと当然秋も、たぶん冬も、そして来年の春以降も、走りまくる予感しかしません♪ それほど気に入ったe-bikeです。

Checkpoint+ SL 5が限界を軽々と突破させてくれた

購入直後は「梅雨入り前のラストチャンス」ということもあり、Checkpoint+ SL 5で存分にサイクリングを楽しみました。痛感したのは「こんなにラクに走れる自転車/e-bikeは初めてかも」ということ。前述のように軽さと乗り心地のよさが共存していますので、体が疲れにくいんです。

Checkpoint+ SL 5でよく走る……というか、入間川サイクリングロードを通らないとこの先にあるサイクリングロードに安全にアクセスできないという感じ。ただ、このサイクリングロードの一部は舗装状態があまりよくなく、普通のロードバイクで走ると「振動で体が疲れる」という印象があります。でもCheckpoint+ SL 5だとその疲れがほとんどと言っていいほどありません。

Checkpoint+ SL 5でよく走る入間川サイクリングロード(正式名・県道川越狭山自転車道線)

また、これも前述しましたが、走っていて楽しい。走ること自体も楽しいし、疲れるとか痛いといったネガティブな要素がほとんどなく、サイクリング中に見たり感じたりするイロイロを純粋に楽しめる。そのような楽しさがあると、ついつい走る距離が長くなります。

以前はあまり多く訪れることがなかったエリアにも気軽に行けます。「もっと先まで行っちゃえ!」とテンションが上がるというわけです

そうしているうちに、一度のサイクリングで走る距離が徐々に延びていきました。50km、60km、70km。50km以上の距離になると、筆者の場合は2時間以上走ることになりますので、エネルギー源となる糖質や汗で失われる水分・ミネラル(塩分など)の補給や、暑い時期なら熱中症対策が重要になってきます。でもサイクリング歴だけは無駄に長い筆者。補給も熱中症対策もお手の物。しかし還暦オーバーなので体と相談しながら距離を延ばしていきました。

2010年頃の筆者にとっては「がんばって走らないと到達しない」という距離にある榎本牧場(の裏手)。人力自転車の頃は「ここで榎本牧場名物ジェラートを食べないと回復できないし帰れない~」って感じでした。が、Checkpoint+ SL 5だとジェラートなしでもフツーに帰れてしまうから、やっぱりe-bikeってすごい♪

Checkpoint+ SL 5で走るたびに、15年くらい前によく走ったルートの記憶が蘇ってきます。「そうそう、ここにジャンクヤードがあったんだ」「ここの急カーブは急カーブのままなんだ~」とか。ただ、ひとつ、記憶と合致しないことがありました。

それは「当時はこんなにラクには来ることができなかった」ということです。まあe-bikeのアシストパワーがあるので人力自転車よりラクなのは当然ですが、15年前頃に自転車にハマっていて「体力もそれなりにあった頃よりもラク」と感じられたのです。

同時に「じゃあ100km以上もラクにイケたりする?」などと想像しました。徐々に走行距離を延ばしていて、そのときは70kmくらい走っても「まだ大丈夫そう」という感触でした。なので「この感じならあと30kmくらいはイケちゃわない?」と思いました。

そして間もなく梅雨に入るというタイミングで100km走行を決行。Checkpoint+ SL 5でもタイヘンそうですが、果たして?

ラクなe-bikeとはいえ、きっと疲れるだろうと予想し、100kmチャレンジは早朝から始めました。

人力自転車にハマっていた頃(8~16年前あたり)でも、100kmを超える距離のサイクリングは数えるほどしか経験していません。また100kmオーバーの走行後はいつもだいぶ疲れていました
入間川サイクリングロードを走り、さらに荒川サイクリングロードの上流にある「さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道」へと進みました。一昔前と比べてすごくいい道になっている! 驚きました
埼玉県比企郡吉見町にある「さくら堤公園」。ほぼ昔のまま?
このサイクリングロードを走るサイクリストの多くが立ち寄る休憩スポット「吉見総合運動公園 管理事務所」です。ここも超キレイになっている! 廃墟みたいな建物だったのに!
埼玉県熊谷市にある「荒川水管橋」です
徐々に折り返し地点に近づいています。折り返し地点は「国営武蔵丘陵森林公園」です
あ~ら、あっけなく到着。ここで折り返して帰宅するとだいたい100kmです

森林公園からの帰り道に、疲れがドッと出たり脚がつったりするのかな? などと軽くドキドキしましたが、それは杞憂となりました。いつものペースで楽しみながらのサイクリングをして、体力気力にだいぶ余裕を残して帰宅できました。

なお、走った距離は約101kmで、Checkpoint+ SL 5のバッテリー残量は57%。52km走行で30%の消費、約倍の101km走行で43%の消費。この101km走行は最初の52km走行よりも「乗り慣れてきていてペースが少し速かった」から、より少ないバッテリー消費量となったのだと思います。

しかし、筆者的にコレはちょっと凄いことです。15年くらい前にも同様の100km走行をしていますが、結構ヘトヘトだったという記憶があります。そこから15年くらい経って、余裕で同じ距離を走れてしまったCheckpoint+ SL 5。体重100kgもあるのに! 還暦オーバーなのに! なんなのこれ?

距離や体力など、筆者が限界だと思っていたアレコレを、Checkpoint+ SL 5が軽々と突破させてくれた感じです。驚きです。「やっぱりe-bikeって凄い!」とあらためて思いました。

スタパ齋藤