片付け過ぎない片付け術
【片付け過ぎない片付け術63】「グラビア収納」が向く人・向かない人
2017年 11月 16日 06:30
収納グッズをキレイに揃え、うっとりするような「グラビア収納」、憧れるけど、実現させるのは難しそうだと感じている人も多いのでは。今回は、「グラビア収納が向く人と向かない人」についてお話します。また、実際にやってみたけれど、美しい状態をキープできなかったという方も。その理由と解決策の一例もお伝えします。
完璧!うっとり!「グラビア収納」の特徴
見ているだけでうっとりするほど美しく、テンションの上がる収納。「完璧収納」などとも呼ばれます。一番の特徴は「毎日使う物や道具が、ほとんど見えない」点です。雑多な物が全て、色や形の揃ったケースや扉の中に収められています。またもう1つの特徴は「見えないところまで美しい」ところ。扉や引き出しの中までキレイに整頓されています。美しくたたまれた洋服の入ったクローゼットはブティックさながら、パントリーの中はお揃いのボトルに詰め替えられた調味料がズラリ。取り出しやすさなどの機能性を重視している場合も多いですが、まず目を引くのは「見た目の美しさ」で、憧れる人がとても多い収納の形の1つです。
「グラビア収納」が向いている人
こういう収納が向いている人は、ずばり「マメな人」。見た目の美しい収納は、使った物をポンと出しっぱなしにするだけで台無しになってしまいます。衣類をきっちりたたんで崩れないように収納する、細かく分けた仕切りに間違いなく物を分け入れる、ボトルに調味料を詰め替えるなどのアクションが、苦痛を感じずにできる人です。つまり「グラビア収納」は、そのうっとりするほど美しい状態を保つハードルが高い収納術と言えます。
向かない人の例1:「見えないと、どこに入れたか忘れる」人
毎日使う物を全て見えないように収納するため、何をどこへしまったかを覚えておかないと、使おうとするたびに「あれはどこへ行ったっけ?」と探さなくてはならず、ストレスになってしまいます。また片付けるときも同様です。中身の内容を書いたラベルを付けることで解決することもありますが、急いでいるとラベルの文字が目に入らないという人も。そのうち、使った物を「また次にすぐ使えるように出しておこう」となり、物が出しっぱなしになっていく傾向が見られます。この場合は、中身が少し透けるケースを使う、物を「使う場所」へ収納して、その場でサッと使えるようにするなどの対策が有効です。
向かない人の例2:「面倒くさがり」の人
扉を開けてケースを出し、その中の仕切りへピンポイントで物をしまうことが面倒なら、やがて仕切りの中はぐちゃぐちゃになっていきます。調味料の詰め替えも、空になった容器を洗い、詰め替える作業を面倒だと感じれば、調味料は徐々に買ったときのパッケージのままになっていきます。また、生活感を消すために、まず収納ケースを揃えてからケースに合わせて物を収納するパターンだと、物に合わせた収納ではないため、人によっては出し入れしにくく感じます。この場合は、扉や引き出しの中まできっちりさせず、ケースに投げ入れるだけの「ざっくり収納」にする、物に合わせた収納ケースを用意する、などの方法がおすすめです。
向かない人の例3:「片付けが苦手な家族がいる」人
リビングなど家族が一緒に使う場所では、家族の中に「片付けが苦手な人」がいると、美しい収納が続きません。せっかく物の定位置を扉の中に決めても、家族が扉の中にしまえなかったり、引き出しの中を美しく仕切っても、家族が決められた仕切りの中に入れられなかったりするので、せっかくきっちりとした収納にしても、どんどん乱れていってしまいます。この場合は、家族が片付けやすい方法をじっくりと話し合って物の場所を決めたり、「家族のものはここ」というようにケースや1角を用意し、その中は自由に収納してもらうという方法もあります。
まとめ
よく「ホテルやモデルルームのような空間を作りたい」と聞きますが、ホテルではスタッフが掃除や片付けをしてくれるし、モデルルームは生活をする場所ではありませんよね。家は、家族が生活する場所。私自身は、毎日の生活感を排除すること自体が不自然なことで、難しいことだと感じています。頑張って作った「生活感のなさ」が、家族の「生活」を置いてきぼりにすることもあると思うのです。
それでも、そんな憧れの空間で過ごしたいという気持ちがあれば、それは大切にしましょう。美しさをキープするのが難しい場合は、いきなり完璧な収納を目指すより、まずは「使いやすい収納」を作ってから、収納グッズや家具などのビジュアルを少しずつ理想に近づけていくのがおすすめです。家族とも話し合い、みんなが使いやすい空間を目指すといいですね。