ぷーこの家電日記
第550回
いくつになってもごっこ遊びは楽しい! 誕生日は居酒屋ごっこ
2024年12月20日 07:05
我が夫が先日、誕生日を迎えて48歳になった。立派なアラフィフってやつである。結構いい歳になったもんだ。
それでも誕生日はいくつになってもおめでたいしうれしい日。昔と心境として変わったのは、「生まれてきた日おめとう!」って気持ちだけじゃなくて、「今年も1年無事に過ごせてきたことがおめでたい!」という気持ちが強くなってきたこと。中年になればあちこち体にガタが出てくる。大病もせずに1年過ごせてこれたこと自体がとにかくラッキーでありがたい。
そんな夫の誕生日、我が家の恒例行事化してきた居酒屋ごっこで今年も盛大にお祝い。ちょっと素敵でちょっとお高い普段行かないようなお店に、ちょっとオシャレしてお祝いディナーをしにいくというのも憧れるんだけど、どうも我々はそんな素敵な感じに馴染めないというか落ち着けない。
そして何より、ごっこ遊びが大好きだ。気楽な家居酒屋で、好きなものを好きなだけオーダーして食べて飲むのを夫は凄く楽しんでくれる。夫のためにお祝いをしているふりをしているが、実は私にとっても同じくらいかそれ以上に楽しみなイベントなのである。
我が家の居酒屋メニューの中心は刺身をはじめとする鮮魚だ。魚は夫が早起きして市場まで買い出しに行く。早起きが苦手な私の言い訳に過ぎないのだけど、自分が食べたいものを好きに仕入れられるというメリットもある(笑)。魚料理以外のお品書きはあらかじめ色々考えておいて、買い出しと多少の下拵えまでは前日の晩に済ませておく。
先週本連載でも書いた通り、無性にコロッケが食べたくなっていたので、今回のオススメメニューはコロッケに決めていた。ジャガイモのコロッケと里芋のコロッケで悩んだけれど、「どっちも作っちゃえー!」とコロッケの2種のタネと、あとはすぐに出せるおつまみの煮卵だけ準備してから就寝。私がまだまだ寝ている時間に出かけた夫が市場から帰ってきたら、私はのっそりと起き出して店の仕込み準備の開始である。
「今年のお魚は……、まずはカマス! 1尾100円だったのよ。そして穴子! えっと穴子って家で捌けるんだっけ?」と夫の仕入れた魚紹介が始まる。夫は私よりもずっとずっと堅実で、お得感というものが大好物なので、「あれ? 今年は大好きな鮑はないの?」と聞くと、「色々安い魚買ってたらさ、鮑が700円って高く感じて買えなかったー!」と言っていて、非常に夫らしいなと思った。
もし私も一緒に行っていたら「せっかくお祝いなんだし、こっち買えば?」とか、「勿体ながらずに買っちゃえばいいのに」なんてつい口出ししてしまって、夫の自分で吟味して自分なりにホクホク気分になりながら買い物するという楽しみを奪ってしまいそうなので、やっぱり一緒に行かなくて正解である。
そして、夫は一通り魚の紹介が終わったら、「本日は何時開店ですか?」と確認して出かけていった。サプライズを楽しみたい夫は準備するところを見たくないので、近所のカフェで読書でもしながら待つのである。
それから私はバタバタと準備を始める。「これは刺身にこれは焼きでしょ。天ぷらもいいし、アジはなめろう食べたいって言うかもなぁ」などと、ざっくりメニューを考えてから、魚料理に使う食材を追加で買い出しにスーパーまでお出かけ。そして買い物ついでに100均にも寄って、お品書きを書くのに使う筆を1本買って帰る。墨汁は1度買ったものを何年も使っているけれど、筆に関してはなくしがちなのと、最初に細い字を書くときに下ろしたての硬い筆の方が使いやすいので、割り切って毎年買って使ったら処分するのだ。
そして去年、一昨年のメニューが書いてあるスケッチブックの新しいページに今年もメニューを書いていく。去年までは何も考えずに、墨で直に思うがままに書いていっていたけれど、歴代のメニューが溜まっていくのがプレッシャーになり、急に失敗が怖くなって、軽く鉛筆で下書きをした(笑)。そして書き上がったメニューを見て「こんな居酒屋あるー!」と、いつかどこかで出会ったことがある感じの仕上がりに大満足。
そして、去年調達した居酒屋らしい赤提灯も引っ張り出して部屋に吊り下げる。これで大体の居酒屋準備は完了である。年々手抜き、もとい、準備が早くなっている気がするけど、十分盛り上がるってものだ。魚はとりあえず、穴子とカワハギだけおろしておく。穴子を捌くのは初めてなので、Googleせんせにお伺い。家では釘を打って引くなんてしなくても、結構簡単に綺麗に捌けるんだなぁと、自分で捌きながら感動してしまった。
そうこうしている間に、ピンポーンと玄関のチャイムが。宅急便? と思って出たら、インターホンの先には「もう店やってる?」と、めちゃくちゃノリノリで茶番劇する客がいた(笑)。「いらっしゃーい。今日も寒かったねぇ。まぁ座って。ビールにする?」と自然に居酒屋ごっこはスタートしている。
「はい。今日のメニューね」と書いたお品書きを差し出すと、「おぉ! 今年のメニュー! いいねぇ。」と喜んでくれた。誕生日プレゼントに手書きのお手紙で喜んでくれるのは、小さな子供の親か、夫くらいかもしれない。私は手紙ですらないけど(笑)。
コース料理ではなく、あくまでも居酒屋なので、注文されたら作って出すスタイル。夕方の16時くらいから閉店の22時くらいまでずっと居座るので、食べ物もゆっくりでも問題ないし、好きなものを好きなペースで飲んで食べて客(夫)も店主(私)も酔っ払い。
途中で仕事終わった友人も来てくれて、もうただの居酒屋飲みなんだけど、大盛り上がりで48歳を迎えることができました。また健康に1年を過ごして、来年も我が居酒屋にお越しいただけたらいいなぁと思っているのであります。
居酒屋ごっこでも、ビュッフェごっこでも、お祭りの屋台ごっこも、ごっこ遊びはちょっと準備をするだけで、普段のご飯がめちゃくちゃ盛り上がるので、家族や友人との忘年会にでも是非オススメしたい! 忘年会といいながら、今年も残すところあと10日くらい! あっという間に年は暮れていっているのでありました。